紅葉 大西晶子

最近ウォーキングがてら、歩いて買い物に行くことが多い。
少し空気が冷たい日も、帰ってくるころには汗をかいていたりする。
いつの間にか、街路樹の南京櫨や欅が紅葉している。楓はまだあと少しというところ。
 
  
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       宗像市自由ヶ丘の中央公園、池は白水池、


このあたりには空き家が数軒ある。今から40年以上前に丘陵を開き、住宅地として開発を始めた地区なので、早くから住み始めた人達はすでに高齢になり, 代替わりしたのだろう。
そんな空家の崩れた築地にツワブキが咲いている。伸びた草のなかで黄色が鮮やかだ。
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 道路の向かい側には交番がある、写真をとりながら何度も行ったり来たりしていると警官が出て来た。こちらを見ている。
もしかしたら交番襲撃を目論んでいるなんて疑われてはいないだろうか。
悪いことをしているわけでもないのに、気になるのは小心者の所以、あるいはミステリードラマの見過ぎ?
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          交番の横の南京櫨の大木


警官に不審尋問されないうちに、カメラをしまい家にもどることにする。
歩いて3分、もどって来た玄関の前では鉢植えの朝顔が、午後3時なのにまだ花をつけている。
よく十一月半ばまで咲き続けると感心するけど、花の直径は7センチほどと小さい。
種をつけることもできないだろう。
健気だけど、なにしろ時期が遅すぎる、周回遅れのランナーみたいでかなしい。

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思った以上に紅葉がすすんだ町は錆び朱、砥粉色、深緑と木々の葉が多彩で美しい。
散るまでのみじかい間だけど、もうしばらくこの紅葉した木々ををたのしみながら買い物がてらのウォーキングを続けたい。

     うらおもて見せつつ散るにまだ早き南京櫨の葉のいろ多彩  大西晶子



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# by minaminouozafk | 2016-11-20 06:30 | Comments(5)

庭の山もみじの葉もまだ青いまま、暦は11月半ばを過ぎてしまった。慌ただしい生活の中で秋は春の桜のように、はっきりとした気配の変化を見せることなく季節が移ろいでゆく。そんなゆったりと移ろう季節の風景の中で、家の近くを流れる那珂川の景色も秋らしく変わってきた。買い物の行き帰りに橋の上から見る那珂川が好きだ。右岸の桜は紅葉の真っ最中、春から夏と青々と繁っていた左岸の木々は黄色く色づき静かな冬への準備に取り掛かっている。



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自宅からほど近いここは昭和26年にナウマンゾウの臼歯が採取されたその場所だそうだ。買い物に行く時、バス停に急ぐ時何気なく通り過ぎているのだが、説明板に足を止めて読んでみると今私が立っているこの足元からナウマンゾウが歩き回っていた何万年も前の世界に吸い込まれそうな気になる。



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この川沿いの私の住む町内は高齢化率が三割を越えて、校区でも一番の高齢者が多い町内だ。ご近所にもお元気な80代、90代の方が数人おられる。これは那珂川の上を渡って吹いてくる風とナウマンゾウの時代から続くこの土地の力なのではないかと思っている。


川べりに流るるときの線上をナウマンゾウとわれといきつぐ  由利


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# by minaminouozafk | 2016-11-19 08:21 | Comments(4)

大会覚書  大野英子


本日はブログ開始100日目のようです。お付き合いありがとうございます。

当ブログもじんわりと進化して「歌会・大会覚書」というカテゴリを追加しました。 今シーズンの大会等も、日本全国大方終了したのではないでしょうか。携わった方、ご参加された皆さま、お疲れ様でした。私の身辺もようやく落ち着きを取りもどしました。

知津子さんが命名して下さった記念に「大会覚書」を少々。

先ずは、柳川白秋大会。
ゆかりさん初登場の、講話のなかで語られた、短歌甲子園での事業に尽力した柏崎驍二さんのことを、知津子さんも少し書いて下さっていました。個人的に大いに感動したので、改めてそのお話を(危うい記憶を辿りながら)紹介したいと思います。

短歌甲子園は今年で11年目となる、盛岡市主催の石川啄木を顕彰する大会です。
その立ち上げの時に、最初は松山の俳句甲子園に学んで三人一組のディベートで相手の欠点の指摘、自分側の作品の良い点をアピールすると言う、スピーチ合戦の楽しい会で勝ち負けを決める。その方法をと思っていたそうです。
しかし柏崎さんはそれは止めようとおっしゃった。
審査員が本人に、行替えした理由(三行詩形式です)や、字余りにした理由など、本人にちょっとだけ答えてもらう質問形式にしようと。
なぜそうするかと言うと、この頃はパフォーマンスの上手な子ばかりがちやほやされる世の中、ウケることを言い、話が上手な人が注目を浴びる。
そうではなく、短歌甲子園は純粋に短歌作品で選ぼう、そのためには、少しの質問のみで、という発案に皆感動し賛同したそうです。
そしてこの日まで、ディベートなしで続いているそうです。

柏崎さんの短歌に対する一途で熱い思いに改めて触れる事が出来、本当に感動いたしました。
紹介して下さったゆかりさん、本当にありがとうございます!

もう一つは宗像大社短歌大会。
初めて講師として参加させて頂きました。この大会の特徴は、入賞者だけではなく、当日参加された出詠者全員の評をすることです。
参加者は当日にならないと判らないので、選者は割当て範囲と、受賞者併せて約80首程の作品を下見して行きます。

小中高校生の部と掛け持ちの桜川冴子さんは、午前中からの参加にもかかわらず前夜、夜中まで最終チェックをして来られたそうです。
それなのに参加者が少ないのは残念でした。

欠席者の作品から、関連付けて紹介したい事があったことをここで。

・庭隅の触るれば香るローズマリー聖母マリアのニックネームと知る
という作品がありました。庭隅の植物に聖母マリア伝説を知った喜びですが、このままでは報告です。この先どう膨らますかが短歌。
そこで紹介したかったのが、早苗さんが当ブログで紹介された野田光介さんの歌集のなかから
<母の日に妻が貰えるクレマチス「ジョセフィーヌ」おや三大悪妻>という歌。奥様をちょっと揶揄しながらユーモアと茶目っ気と愛がある作品です。このように小さな発見を御自身に引き付けた歌は作歌の上で参考になるのではないでしょうか。

参加された方たちにも、選者である野田さんの素敵な作品をご紹介できるチャンスだったのに、欠席のため出来ず、これが心残りな大会でした。

    「柏崎さん」と言ふとき強き<か>の音は小島ゆかりの人思(も)ふこころ  英子

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ながながとごめんなさい。
街路樹も色付き始めました。一番左の後側に、美しく黄葉しているのは柏崎さんが『北窓集』の中で
<妹が見し楝の花をわれも見たし淡むらさきをつらぬる小花>
と詠んだ栴檀の木です。今年の花時は、哀しい思いに眺めましたが、朝日に輝く今、エールを貰っているような気持ちです。
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# by minaminouozafk | 2016-11-18 07:54 | 歌会・大会覚書 | Comments(4)

Last Thursday 藤野早苗

つい先日、ブログ記念日を迎えたばかりなのだけど、ご報告。執筆担当を降りることにしました。

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8月11日、瓢箪から駒…的な勢いで始まった当ブログ。仲間の書く日々のあれこれを読む楽しみ、自分が発信してゆく喜びを感じているうちに、瞬く間に過ぎていった3か月でした。ブログ生活を始めてからの一週間の早いこと。

そもそも、なぜこのようなブログを始めようと思ったのか。
書き手が日々変わるブログってどうだろう?そのヒントになったのが、実はこの曲。

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✴︎何にもしない日曜の午後

月曜日の朝、さあ仕事に出かけよう。
火曜日はハネムーンに出発だ。でも、日が沈むまでには帰るけどね。
ああ、ダラっと過ごす日曜日の午後が楽しみだなあ。

毎水曜日の夕方は自転車に乗るんだ。
木曜日は動物園でワクワクさ。
えっ?ぼくはただのロンドンっ子。普通の男だよ。
金曜日はルーブルで絵を描くけどさ。
土曜日の夜はプロポーズに行く予定。
ああ、ほんと、ダラっと過ごす日曜日の午後が待ち遠しいよ。


このパターンの歌だと、ロシア民謡の「一週間」が有名ですが、生活に彩りが感じられませんね。風呂を沸かすのが火曜日で入るのは水曜日とか、もう冷めてるし。

クィーンのこの曲もかなりぶっ飛んだ内容で、突っ込みどころ満載の矛盾をはらんでいますが、でも、曜日曜日の特徴がくきやかで、人生楽しんでる感に溢れています。

当ブログ「南の魚座」も日替わり執筆にしたのは、執筆者それぞれのカラーと担当曜日が結びつくと面白いなあと思ったからです。そしてその目論見は成功しつつあります。


が、みなさま、お気づきでいらしたでしょう。「南の魚座」は現在6名。完全に日替わり執筆にするにはひとり足りないのです。そのひとりの方が見つかるまでは、と不肖藤野が火曜日、木曜日を担当してまいりました。

しかしながら、いよいよ、完全日替わり曜日別執筆が可能になりました。新メンバー加入です。

それがどなたなのかは、来週木曜日のお楽しみ。きっとびっくりしますよ。パワーアップした「南の魚座  福岡短歌日乗」、これからもよろしくお願いいたします。

というわけで、私、木曜日の執筆担当を降りる次第となりました。

これまでお読みいただき、ありがとうございました。



アジェンダの木曜日欄に記入せし「ブログ」消去す来週以降      早苗


火曜日は書きますよ‼︎
よろしくお願いいたします。

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# by minaminouozafk | 2016-11-17 00:55 | Comments(8)

さらさら。

青みがかった空気はさらさらしていて歩くほどにからだが軽くなる。

かるいかるい。

石段をのぼってゆくと、はらり、というかんじで右手側がひらけた。

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ここまでは、両側から樹木が迫っていたのだ。

いやに青っぽいとおもったら、なんだ、木が踊っていたのか。

なんて名の木だろう。

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そばへ寄ってみると、向う側はすこし、くだるようになっている。

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  足もとには、
  黄の花にまじって裂けた実が落ちていた。

  この木の木の実?



ますます軽くて、仰いだりしゃがんだりしていると、後ろから声がした。

「二月にいらっしゃい。花のころに――」

たしか、さっき行き合ったグループを案内してらしたな。

ほどよく空気になじんでいる。

もうずっと「かるい」ままに違いない。



すうと指をあげるので、つられて見上げると、実がまだ残っていた。f0371014_23053680.jpg

二月が花どきの実。

なんて木だろう。



この地にゆかりの深い、

晶子さん(日曜の)、英子さん(金曜の)なら知っているだろう、と思う。

もしかしたら、この木の花の写真も持っているかもしれない、とも。

ここは、神域。

すこし登ると、宗像大神の降臨の地という謂れの古代祭場がある。

「二月に」と言った人は、

このオガタマノキ(招霊木)が、ミカドアゲハ(帝揚羽)の食樹であることも教えてくれた。

  かぐはしき二月の杜へいざなふは誰であつたか祖母の顔して

宗像大社の招霊木。おさない帝揚羽をはぐくむ木。


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# by minaminouozafk | 2016-11-16 06:16 | Comments(6)

愛読書 藤野早苗

ちょっと疲れているなあ…と思ったとき、手に取る本がこれ。

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『へんないきもの』早川いくを  著・寺西晃  絵


世にも奇妙な生き物を取り上げ、切れ味鋭いキャッチーな文章とCGに頼らない緻密なイラストで、その生態を伝えてくれる極上の一冊。

ドラマティックな小説や、抒情的な詩歌もいいけれど、疲労度がリミッターを振り切ってもう集中力の欠片もなくなってしまったときには、こういう本が読みたくなる。


多種多様な個性溢れる生き物が紹介されているのだが、その中で印象深いものをいくつか。

ハダカデバネズミ…全裸の覗き魔ではない
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ツノトカゲ…血の気を失う最終兵器
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ダツ…矢も盾もたまらず飛んでくる槍
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いかがだろうか。
こんな生命体が存在する不思議を感じると同時に、他者から見れば無意味で非効率的な生き方も当事者にとっては抜き差しならない必然性をもっていることについ感動してしまう。命には遍く意味があるのだなあ。

大笑いして、ちょっとしみじみして、気がつけばパワーチャージできている、『へんないきもの』はそんな素敵な本なのだ。


ハダカゾウクラゲつて何?くらげなの?ゾウなの?いいえ巻き貝ですよ

✴︎お気付きかもしれませんが、私、今日ちょっと疲れております。こんな不真面目な更新でごめんなさい。





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# by minaminouozafk | 2016-11-15 01:19 | Comments(8)


路地の崩れそうな古い土塀になにやら鮮やかなみどり色。近づくと、それは揚羽蝶の幼虫というかサナギへの変身中の姿だ。まだ、みどりの目もわかる幼虫の外観。前蛹というらしい。


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節穴だらけの私の目でもあらっと思ったのだから、鳥や蛇たちには明らかであろう。葉っぱの中の保護色も土塀ではかなり目立つ。土塀につかまり、口から糸を出して自分をしっかり固定する。信じられないような劇的な変化がこの小さなみどり色の中で起きているのだろう。


たしか小学3年の夏休み、黄揚羽の羽化に成功した。はじめは、恐る恐るだったシマシマ青虫くんも途中から妙にかわいく見えてきた。今でも大丈夫。息子たちとも揚羽の幼虫を飼ったことがあるが、ある日、飼育箱に蜂がいて驚いたことがある。 どうしてハチ??? 昆虫図鑑によりアゲハヒメバチと判明。


アゲハヒメバチは揚羽蝶の幼虫に卵を産みつけて、孵化した幼虫は少しずつ揚羽蝶の幼虫を食べる。宿主の青虫くんがサナギになると中身をすっかり食べて、その中でサナギになって羽化した後、揚羽蝶のサナギに穴を開けて出てくる。自然界のホラーだが、食物連鎖も同じことかもしれない。


昨日、同じ路地に、あらあらいない!! スマホで位置確認。すると土塀に馴染んだ灰褐色の蛹がしっかり土塀にくっついていた。蛹は日照時間が13時間半以下になると越冬するらしい。吹きさらしの土塀。春まで大丈夫だろうか。蝶を夢見つつ長い長い眠りに入ったサナギくん。



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城下町の観光として残したい土塀。やんごとなく崩れたら土塀もどきと再築される。そんな新しい土塀にカマキリ発見。スマホを睨む眼光は鋭い。頭?が動くせいかカマキリは人っぽいと思う。カマキリも最期の力を振り絞って卵を産む。カマキリの卵は卵鞘といい灰褐色の硬い表面で、揚羽蝶の蛹とも似ている。



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虫たちは冬の準備万端だ。

菜の花のイヌノフグリの夢みるや土塀に眠るみどりのコクーン

百留ななみ


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# by minaminouozafk | 2016-11-14 07:31 | Comments(5)