『歌壇』3月号 藤野早苗

『歌壇』3月号が届きました。
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歌集・歌書の森に、『あなた 河野裕子歌集』について、「家族の物語(サーガ)」と題する900字の文章を書かせていただきました。
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900字というのはなかなか書くのが難しい長さで、冗長なことを言っているとたちまち尽きるし、核心を述べようと躍起になると、箇条書きのような、余裕のないカスカスなシロモノになってしまいます。

精一杯書いたつもりですが、さて…。

過日、「太母」という記事を当ブログに書いたのですが、あの文章が河野裕子という歌人の本質について書いたものだったのに対して、『歌壇』の方は、河野裕子を巡る家族の物語にフォーカスして書いています。
ご一読いただけると嬉しいです。


『歌壇』と言えば、高野公彦インタビュー、「ぼくの細道うたの道」。今回で10回を数えます。聞き手の栗木京子さんとの息もぴったり。『河骨川』『流木』のころのお話が中心になっています。テーマは老い。高野作品に匂い立つ老年のエロスについてのあれこれが面白いこと。

そして、噂の「天橋立だて音頭」がこのインタビューに掲載されています。それを歌い、踊るコスモスメンバー(小島なお、水上芙季、片岡絢のみなさま)の姿も。
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歌壇賞受賞者の受賞第1作も意欲作でした。

大平千賀 影を映して
・疲れると痒がるあなた軟膏のうすき匂いの背中をさする
・舌に苔 運ぶ体をかばいあい夜の電車に人は眠れり

佐佐木頼綱 狩人の歌
・透き通る木漏れ陽ありて木々ゆらぎ蜂起せし人鎮圧せし人
・ゆつくりと誰かが生まれ変はつてるやうに香りてゐる桃の花


それから、ミスター編集室狩野一男さんの一連、「懸念の島」
・ああ端島〈ペンパイナッポーアッポーペン〉ぺんぺん草も生えずや否や
・康哲虎あなたは屹度学びゐむ「監獄島」としての端島を

昨年10月の長崎大会が思い出されます。康哲虎カンチョルホさんは、コスモスの期待の新人。パッキャオと世界戦を闘った元プロボクサー。注目株ですね。

特集「短歌の中に残したいことば」、なるほど、こういう企画いいですね。私は何を残したいのか、考えてしまいます。

小さくて、でも読みごたえ十分な、ゆかりさんのエッセイ、「私の時間術」。多忙なるゆえの効率的な時間の使い方、物事の優先順位などが、楽しく書かれています。まあ、ゆかりさんの忙しさは常人と比べるべくもないので、なかなか参考にはできませんが。


こんな感じで、今月も盛りだくさん。もう少し読んでから寝ようかな。




寝落ちする間際の際の間際まで『歌壇』のページめくる喜び


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# by minaminouozafk | 2017-02-14 02:09 | 歌誌・歌集紹介 | Comments(7)

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だぶん画集か展覧会の冊子かなにかで見たのだろう。ずっと心に残っている作品だ。

明るいオレンジ色のなかをすすむ2頭のラクダ。なんとノスタルジックで詩的な作品。オリエンタルなメロディーもながれてくるようだ。そして柔らかな上質の触感。パウル・クレーの作品であることは知っていたがタイトルは知らなかった。このたびネットで検索して「2匹のラクダとロバと」であることがわかった。ロバ?たしかに2頭のラクダの後ろに何か?まさかロバとは。

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クレーは18歳の1898年から1918年までつけた日記がある。日本語にも訳されたものもあるようだ。瀧口修造のパウル・クレーを想いながらの断章の中の「そして白い菊とおんなが寄り添うこれは あいだ の出来事」、セネキオも大好きな作品だ。たしか美術の教科書に載っていて、私でも描けそうと思って授業中に真似した記憶がある。


子供のような無邪気に見える作品だが、じつは緻密に計算された深いものだ。音楽家の両親のもとスイスに生まれドイツに移り、バウハウスで教鞭をとる。その時のテキストの「パウル・クレー手稿 造形理論ノート」が残っているが、専門家にも非常に難解らしい。


クレーといえば、ひかり溢れる色だと思っていたが、素描つまり線からはじまったのだ。そして線に終わる。

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子育て真最中のころだろうか。一枚の天使の絵に出会った。落書きのような天使、しかもタイトルは「忘れっぽい天使」。なんだか肩の力が抜け笑ってしまった。よく見ると、パウル・クレー。衝撃的だったが納得して嬉しくなった。そして「おませな天使」「未熟な天使」とたくさんの天使のシリーズ。とても人間ぽくってもしかして私の中にもと思えて元気がでてきた。








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「色彩がぼくをとらえたのだ。ぼくの方から追いかける必要もない。色彩がいつでもぼくをとらえるだろう。これが幸福というものだ。色彩とぼくはひとつになった。ぼくは絵描きなのだ。」(クレーの日記)

「創造とは、作品の目に見える表情の陰で作用する生成のことである。知的な人間はみな、それが起こった後になって知るが、創造的な者は前もって知っている。」(クレーの日記)

「私はただ線だけで描く。物質のくびきからときはなたれた、純粋な精神の表象である線を用いて描く。余計な分析的なものは切り捨て、大胆直截に本質そのものに迫る。」(クレーの日記)

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かつて夜の灰色から浮かびでて

日記だけでも20年、膨大な量だ。手紙や造形理論のテキストもある。ことばと絵を直接むすびつけた作品「文字絵」もある。クレーの絵11枚はそれぞれ1冊の厚い本のようでもある。不思議な無邪気にみえる作品はその制作の技法もさまざまで、手作りの道具もたくさんのこっている。ことばよりもっと奥深いものを感じるクレーの作品。まだまだ知らないことばかりだ。





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でも、ちょっと疲れた冬の夜、クレーの天使は私のこころを癒してくれる。


線だけではだかのこころを包みくれし雪のにほひのクレーの天使

ななみ


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# by minaminouozafk | 2017-02-13 07:12 | Comments(6)

先週に引き続きニュージーランドの感想その2です。(もう飽きた方はお許しを)

8日間のツアー4日目に北島のクライストチャーチに泊まった。
2011年2月22日のマグニチュード6.3の地震で、語学研修に来ていた日本人の学生28人が亡くなった街だ。
「花の街」として知られる美しい街だと聞いたが、街の中心部に壊れたまま保存してある大聖堂がある。

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上左の写真は保存されている壊れた大聖堂。
右は2013年8月に建てられた代わりの〈紙の聖堂〉の内部。
ここでは手を合わせ、亡くなられた震災犠牲者のご冥福を祈る。

〈紙の聖堂〉は文字通り直径60センチの防水・難燃加工された紙の管でできていて、シンプルで美しい。
日本人の建築家・坂茂(ばん しげる)という人の設計。坂氏は無料で設計されたという。

なんでも50年の耐久性があり、当初は10年間は使用する予定だったらしい。
ところが維持費が年に数千万円かかり、現在は市議会で問題になっているとか、せっかくの美談がなんだか、せちがらい話になってしまった。


クライストチャーチは花や木の多い街だ、街中にも広い公園や大きな樹々、花壇が多く、気持ちがいい。

f0371014_13402697.jpg   左の写真のように木がとても大きいのは、日本とは木の種類  
   が違うのだろう。

   
 
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公園には鳥も多い、そのなかの一つが右上の白い鳥、水を飲んでいたが、近づいてもすぐには逃げない。
日本の都鳥などに近い外見だけど脚は黒い、水掻きがあるので水鳥だろう。


下は、これも公園で見かけた黒い鳥。 
公園の売店の女性に名前を訊いたら、「詳しい人に尋ねる」とどこかに訊きに行き、戻ってきて「黒い鳥(ブラックバード)」だと申し訳なさそうに笑顔で教えてくれた。
家人は笑っていたが、これはクロウタドリ、あるいはハゴロモガラスという鳥の正しい名称なのだ。
帰宅後調べてみたら、ヒタキ科のクロウタドリだった。

f0371014_13401971.jpg   くちばしは黄色で、ヒヨドリくらいの大きさ。これまたあまり人を怖がらない。


   その日の夕方北島のオークランドに飛行機で飛んだ。
   その後で行った港にもカモメや水鳥が群れている。
   近づいて来たのが鵜。(海に居たからウミウだと思うのだけど、どうでしょう?)

  
                       
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オークランドには2泊した。
半日ほど自由な時間があったので市の海洋博物館に行った。

ニュージーランドは移民の国なので、初期の移住者たちが乗った船の内部や港町の一部を再現した場所などがある。
なかなか凝っていて、二段ベッドのある部屋に足を踏み入れると、床が船のなかのように揺れていた。

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19世紀や20世紀初頭の入植者たちは上の写真のように棚のベッドが並んだ船で、何カ月もかけてイギリスやヨーロッパの各地からやって来たのだ。
その下はニュージーランドで働くメイドを募集するポスター、イギリスで使われていたのだろう。

入植させようと夢、冒険心、射幸心をあおるような標語やポスターも展示されていた。


前日に一般家庭訪問というプログラムがあり、クライストチャーチの個人のお宅で、19世紀に入植した5代前からの家族関係を聞いたところだったので、よく理解できた。
現在のこの国の人口構成は、白人が50%、残りは先住民族のマオリ族の人たち、中国人、インド人などさまざまだという。
日本人も少しは居るとのこと。オークランドでの女性ガイドはマオリ族の人と結婚して当地で働いている日本の人だったし。


ところで、ところ変われば品替わるというが、お料理にも同じ名前で期待したものと違う場合があることに驚いf0371014_13403410.jpgた。
そこで問題、右の写真のお料理の名前はなんでしょう?

オークランドのシーフード・レストランで、家人の注文したのがこれ。
答は前菜の「ムール貝のチャウダー」。

とろみのある白いスープの中に貝と野菜が沈んでいるものを想像して待っていたら、
黄色のさらさらの汁のなかに大き目の野菜と魚の切り身と一緒にムール貝が入っている。
「えっ、スープカレー?」という色だ。
四角の野菜はじゃがいも、オレンジ色は人参。
一口もらったら、あっさりして味は良かった。

私が注文したエビのカクテルも、グラスにエビがずらりと並んでいるはずが、レタスの器に盛った多量の刻んだエビ。これも美味しいけど、予想は外れ。味もカクテルソースとは違う。

同じレストランに行った連れの方達もそれぞれ、期待とはちがう料理に目をパチクリさせながら、でも美味しいので文句は言わずに召し上がって居られました。

オークランドは今、地下鉄工事中であちこち掘り返していて、通れない道路がある。
それを見ながら博多の道路陥没を言い出したのは、愛知県、滋賀県、大阪府からのツアー同行者。
みなさん、よく陥没の動画をご存知で。
変なことで有名になった福岡県と市だけど、その翌日の夜に無事に戻って来た。

少し長めの旅行からもどってきて、冷え切った家で「やっぱりわが家が一番おちつくー」なんて言い合い、これもまた旅の大きな楽しみだなぁとつくづく感じたのでした。

  帰りきて石の寒さのキッチンで先づ湯を沸かす青き火をつけ 晶子







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# by minaminouozafk | 2017-02-12 07:00 | Comments(9)

ブログ記念日⑤

5回目のブログ記念日。立春を過ぎたと言うのに厳しい冷え込みで外は一面の雪景色。ブログを始めてから、週に一度締切りに追われる生活になり半年が過ぎました。30数年ぶりに締切りを意識するようになって、相変わらず時間をきられないと行動しない、できない自分に気づかされています。

今年になって、膝裏の靭帯を傷め歩くこともままならない不自由な生活を余儀なくされました。そんな日々にも締切りは容赦なくやってきます。意識するだけで結局は怠惰に過ごしていた生活に喝を入れられたのかと反省しています。


写真は昨年の菜の花です。この寒さに耐えて今年もその時に備えていることでしょう。

寒さに耐えつつの2月のブログ記念日です。



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仕事じまひ  栗山由利


きんとんの芋を練りつつ聞く除夜のとほき鐘の音働き納め

年どしの下連雀の友からの賀状に鷹と雀が住めり

ぬか床にあとは任せていちにちの仕事じまひのお湯割りを呑む

節分の「祝ひめでた」と「手一本」ひびく博多に春のこゑ聞く

コンビニのコーヒーひとつで温まるお手軽ですね私の心



意のままに  大西晶子


わきに抱くパンが匂へりひとけなきラグビー場の階のぼるとき 

見えざりし南十字の四つ星に心をのこし空港へ向かふ

羊歯模様のジェット機のりつぎ帰りきぬ時差にからだの慣れたるころを 

胃カメラを拒みて喉が痙攣す楽にせよとてできるわけなく

力抜くことがこんなに難しいわが身なれども意のままにならず



ヤドリギ  百留ななみ


半月と五分咲きの梅ならびゐる正月六日の碧瑠璃の空

矮鶏を抱く四頭身の土人形「阿茶さん」いうに百歳を超ゆ

裸木の高処に生れしヤドリギは高処に円み高処に果つる

鳥の巣のやうなヤドリギ北風に赤実を振りて緋連雀待つ

ひたすらに捥ぎむさぼれり苺苺(まいまい)とハウスに灯る「あまおう」の赤



ひたき  藤野早苗


幾百の蚕のいのち手から手へこの身に添へる一反となる

ハンカチに包む身体の温かさ胸に火を焚く鳥ゆゑならむ

この窓を出でたるのちの鳥の視野あなはろばろと冬野を臨め

弔問の生徒千人過ぎてなほ焼香台に人波尽きず

まはだかのたましひとなり会はむ日のいつとは知らね神ならぬ身は



春をよぶ指  有川知津子


産声をあげなかつたといふわたし冬の毛布のあたたかきこと

裏庭ににはとり小屋があつたころ風は鼬のしつぽのやうで

せんべいを割つて食べつつ夜空かな寒雲をぬけ月光にあふ

ちはやぶる香椎の宮は春をよぶゆびに(こた)へて降りてくるあを

この国に春あることのうれしくてキャベツみしみし音たててまく



大きな目  鈴木千登世


突き抜けて私の向かう見はるかす草間彌生といふ大きな目   

大いなる手に触れられて硝子戸は羽ばたくための薄羽を得たり  

息白く凍らせ仰ぐ全天の右京大夫の見たる星空

星の夜は見るものどこかなつかしく遠くの人に手紙を書きぬ   

異国の香ほのほのとするチャイを飲む山を眠らせ雪降る夜は



十万億土  大野英子


寒晴のゆふやけのなかことさらに亡き人々はかがやき放つ

追ふほどにとほくなりゆく思ひ出の夕日のはての十万億土

竹群に迷ひこみたるわれを呼ぶ細き笛の音、遠きゆふかげ

ゆふやみに覚醒さるる嗅覚は甘き香りを捉へてすすむ

焼き(サンプ)菓子屋(リスィテ)は人思ふ場所贈りたきたれかれの顔を浮かべつつ選る


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# by minaminouozafk | 2017-02-11 09:24 | ブログ記念日 | Comments(6)

昨日から、また寒波がやって来ました。今朝は博多も雪景色、吹雪いています!

こんな朝ですが春情報です。

少し暖かかった先々週末、実家に帰り、恒例の草取りに精を出していました。
まだ寒いとは言え、ロンド状のものはこの時期に葉を広げます。そして根を張る前の今が狙い目です。

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毎年美しい花を咲かせる芍薬、昨年もたっぷりと光合成させて切った根元から紫色の新芽を覗かせています。回りの雑草には特に目を配らなければ。
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そうやって、ぐるりと狭い家の周りを巡っていると、なんとふきのとうがぷっくりと花芽を付けていました。
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それも、今までは日当たりが悪すぎて花芽が付かなかった場所に。
昨年、お隣りが改築時に植え込みを取り払ったため、日当たりが良くなったのです。毎年収穫出来る場所のふきのとうは、まだ小さいままです。
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早速、頂きました。外葉を剥がすたびに、独特な香りが上がり、春を感じます。
大好きなふき味噌は、野山の大量な恵みを待ちましょう。

先ずは天ぷら、塩で。サクッと揚がって見事に花開いてくれました。
熱々をいただきたくて、雑な盛り付けでごめんなさい。
桜模様が見えるよう、懐紙は逆さまにしましたが目立ちませんね。

先週末は三月並の暖かさ、写真は朝、ようやく開いた一輪の梅。
実家を出る頃には、四、五輪に増えていました。
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冬に逆戻りの今日のカルチャー、皆さん無事に来てくれるのだろうか…わたしも今日は実家にたどり着けるのだろうか。

今日は全国的に大雪のようです。皆さん気をつけてお出掛け下さい。

それでも、もうすぐ野山には私の食糧が溢れるだろう。
待っててね~。

     春の陽に誘われひらきし白梅にけさはましろく雪被きゐん





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# by minaminouozafk | 2017-02-10 07:38 | Comments(7)

子どものころ夢中になって読んだ学習マンガがある。エジプトのピラミッド、ウルの遺跡、シュリーマンのトロイ、火山灰の下に埋もれてしまった都市ポンペイ。それらの遺跡にまつわる発掘の物語に子ども心はときめいた。シャベル(?)で砂漠を掘ることを夢想した。

そのポンペイの壁画展が山口県立美術館で開催されているというので日曜日に行ってきた。

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ヴェスヴィオ火山の噴火で瞬く間に埋もれてしまった悲劇の都市ポンペイ。けれど、実際に会場で感じたのは明るく穏やかな暮らし。葡萄酒農園の食堂の壁には酒神ディオニソスが描かれていて、豊かな恵みを謳歌する人々の姿が思い起こされた。エジプト・ブルーのやわらかな色合いやギリシャ神話の神々の圧倒的な姿も素敵だったけれど、犬の壁画に「シュンクレトゥス」という名前が書かれていたり壁に薄く落書が残っていたりしたのがとりわけ心に残った。紀元79年というと今から2000年前。卑弥呼が生きていたのは紀元200年代だからそれよりも前のローマの人たちなのに、今もどこかで口笛を吹いて歩いていそう。



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最後の展示はフェニックスの壁画。そこに込められた思いにほっこりして会場を後にした。

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会場の傍で売られていたワインパン。水を使わずワインだけで練られている。ワインのほのかな香りがして素朴な味わいだった。

二千年の時を隔てて向き合ひぬポンペイの犬シュンクレトゥスと 千登世


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# by minaminouozafk | 2017-02-09 05:30 | Comments(7)

ここは香椎宮(かしいぐう)。

2月3日は午後4時からの豆まき神事に間に合った。

入口には、福の神の大きなお面。遠目にも否応なくお目出度い。

近づくと、福の神の口が文字どおり出入口になっている。

(これについては、4日土曜日の由利さんの写真をご参照ください)


口をくぐり抜けると、神韻があたりに籠めている。

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綾杉(あやすぎ)だ。はるかいにしえの昔に由緒をもつ御神木である。
近すぎると何がなんだか分からないほど大きい。

挨拶をして本殿へ向かう。

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当然だけれども、すでに人、人。ああ、これ、わたしの筋量ではムリ。溺れてしまう。
ここは取材に徹しよう。それがいい。群集の上に豆がかがやきながら降ってくる様子をカメラに収められたら、きっと素敵なブログが書けるだろう。そうしよう。

いよいよだ。年男年女の奉仕の方々が、豆の盛られたお盆をささげて現われた。
(チョコレートやテトラパック入りのお菓子もあったとあとで分かる)

ふくはーうぅちーいぃ。(ここは、福は内が先だった)

いやに青空がまぶしい。

「こっちこっちー」「来ないぞ~」「おねがーい!」「ママぁ~」

いろんな思惑をのせた声がとびかう。誰もが空に向かって指をのばしている。
そうだ明日から春なのだ。

しだいに境界が曖昧になってゆく。
誰とも知れぬ人の指が青空をつかもうとする。ひらひらひらひらつかもうとする。
人も人の声も遠くなる。ただただ青空だけがのこって、青だけが降りてくる。

  ちはやぶる香椎の宮は春をよぶゆびに応(こた)へて降りてくるあを

ハレのひとときは過ぎ去った。

気がつくと手には福まめが握られていた。これはどうしたことか。
取材に徹するといったのではなかったか――。

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             手に飛びこんできた豆まめ(一部)

ふわふわしたまま小さなお社へ。
香椎宮といえば鶏石神社。このお社に寄らずに帰れるはずはなかったのである。

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   狛犬ならぬ狛鶏。
   子供たちがどんぐりをお供えしていた。








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# by minaminouozafk | 2017-02-08 05:49 | Comments(8)