USA

9月のおわりに1週間ほど、アメリカ合衆国西部を旅行した。
幾つかの国立公園を訪れる、大自然の旅と言うのがキャッチフレーズだ。
ロサンゼルスからラスヴェガスを通り、コロラド川沿いにグランドキャニオンまでの渓谷や砂漠、ダムなどを見るバス旅行。
旅行中には山で雪が降ったかと思うと、海岸で38度Cの暑さに遭ったり、アメリカは広いだけに予想以上に天候に幅があり、念のために持って行ったダウンが役に立った。

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                         映画「駅馬車」で有名になった、モニュメントバレー

日本人ガイドのK氏が話してくれるアメリカ史が興味深かった。広大な土地を買い取ったり、西部に向けて大勢の人たちが移住し、その結果原住民(インディアン)たちの土地を奪うことになったり。
インディアンたちが白人に自由な土地を奪われていく過程を聞いているような感じもして、有色人種としては多少複雑だ。

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西部劇映画で有名になったというモニュメント・バレーで見かけた、アパッチ族のジェロニモのと名前が描いてある星条旗。
アパッチ闘争といわれる対白人の抗争の戦士だったジェロニモを描く星条旗にはどんな意味が込められているのか、ささやかな抵抗の意志の表明なのだろうか。
この下で、ナバホ・インディアンらしい人たちがトルコ石のアクセサリーや手作りの民具の土産物を売っていた。


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ヘリコプターから見たグランドキャニオン、谷底を川が流れている。
地層が土地の成り立ちをしめしているように、かっては海底だったそうだ。
ともかく広大で、スケールの大きさに圧倒されてしまう。
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アメリカ版くまモンのSMOKEY BEARがビジターセンターの入り口で出迎えてくれる、こういうアイデアはどこの国でもあまり変わらないらしい。
熊の顔が日本とは違う可愛さなのも面白い。

この熊さんは山火事の怖さを訴えるためのキャラクターだそうだ。シャベルは火に土をかけて消火するためのものらしい。
日本のくまモンは商売繁盛に、アメリカのSMOKEY BEARは火災防止に、それぞれ頑張って働いている。
いつかこの2頭が会って握手やハグをする機会があったら面白そうだし、見てみたい。


旅行中には人気のすくない場所ばかりに居て、大統領選挙にかかわるポスターなどを見ることもなかったが、ラスヴェガスのトランプタワーは灯があまり点いてなくても、実は投機的な目的でよく売れているのだと聞いた。



話は飛ぶが、大統領選挙の開票のあった11月9日の午後、クリーニング店に行ったら奧さんがTVを見ながら「トランプが勝ちそうで嫌ですねー」と話しかけて来た。
日本ではクリントンが優勢と見ていたので、衝撃も大きかったのだろう。
私も初の女性大統領に期待していた一人なので、残念だ。

メキシコ人の不法入国を防ぐために壁を作るだの、モスリムを国に帰せ!だとか言っていたトランプ氏が大統領になったらどんなアメリカになっていくのか、考えたらすこし怖い。
もともと多人種が共存する国だった合衆国が、アメリカの原住民の人も含めて、白人以外の人たちの住みにくい国になどならないと良いと思う。
 
東洋人泊り客おほきラスヴェガスの朝食に寿司、シューマイならぶ  大西晶子



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# by minaminouozafk | 2016-11-27 06:30 | Comments(6)

 中学三年のときからメガネのお世話になっているので、かれこれ半世紀になろうとしている。当時はフレームの種類も少なく、メガネをかけることは15歳の女の子にとって嬉しいことではなく、今でこそ「メガネ女子」などという言葉もあって、かわいい・おしゃれなどと言われているが、そのころは「メガネをかけると男は男前が三分上がるが、女は三分下がる」と言われ、良かったのはお勉強ができそうにみえること(?)くらいだろうか。


 働き出してからはメガネ屋さんから勧められたままに、お給料の半分をつぎ込んで出始めのソフトコンタクトにチャレンジしたこともあった。その頃のソフトコンタクトは勿論高いと言うこともあるが、煮沸消毒などの管理も大変で結局、コンタクトレンズはあきらめた。しかし、その頃になるとメガネをかけている顔の方が見慣れたというか、私らしく思えてきた。


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 いま私は四つのメガネを持っている。車の運転用、これは遠景と運転席のメーター類に合わせた調光レンズにした。二つ目は外出用で遠景と手元にあわせている。三つ目は屋内での生活に合わせて部屋の中と料理をするまな板との距離くらいがベストになっている。そして四つ目は細かい針仕事などに便利なように手元のみにあわせた単焦点のメガネである。

最近はフレームの種類も多く、楽しみながら時には冒険をしながらフレーム選びをしている。自分の弱点を逆手にとって、場面場面での自分を楽しめるようになるまでには半世紀の時間がかかったということである。


        ホームズの気持ちになれた虫メガネ五十年経てポケットにあり  由利


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# by minaminouozafk | 2016-11-26 11:59 | Comments(8)


昨日は都心の積雪による混乱、大丈夫だったでしょうか。
数日前まで、Tシャツで歩いている人も見かけた博多の街も、本格的にコートの出番となりました。
先日、葉っぱまでみずみずしい小蕪と出会った。もちろん買って帰って夜のメニューは、小蕪と鶏の煮物、蕪の葉のナムル、かりかり鶏皮。捨てるところ無しの節約料理。
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ムネミから皮を剥がし脂肪をこそぎとり、フライパンで空焼きして更に脂肪を落とす。
同時に蕪と胸肉を煮物に。もちろんダシの昆布は食べられるように細切りに。葉の根元を彩り用に小口にし、火を止めてから入れる。
その間に、フライパンに出た油を使い茎と葉のナムルを作る。
鶏皮は更にロースターで火を通す。ナムルの人参は食感を出すために生で最後に和える。
かりかり鶏皮は小口の葱、柚胡椒と合える。
蕪はすぐに火が通るので、全ての行程が20分もかからない簡単で無駄のない夕食、またの名を晩酌の当てとも言います。

   日を浴びるトマト、ゴーヤもう食べず土の温もりある蕪を恋ふ 英子

さすがにタンパク質が足りないので、追加したのがこれ。またしてもロースター任せ。
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高野公彦『無縫の海』から
・酒の菜(あて)みづから作り酒飲めば了へどきあらず酔ひ深みゆく
・虫熟(むしこな)しせむと始めし浅酌の、陶酔を経て泥酔となる

泥酔とまでは行かないもののほぼ、このままが私の日常です。
一度に作ると食べ切れない事が殆どなので、お腹の具合を確認しつつ作る。常備菜として欠かせないものとして、ベーコン、ウズラの卵の水煮は、くるり巻くだけ。厚揚げは油切りしてキッチンペーパーで水気を切っておけば、直ぐに使いまわしが効くスグレモノ。この夜もお世話になりました。生野菜も、常に切り置きしている。キャベツは芯もスライスして人参、蕪の皮と共にストック。おみそ汁の具になり週に一玉半消費する。ほぼ捨てるものはない。肉類は週に鶏もも一枚、豚スライスひとパックあれば足る。添え物と思うから高いと感じる野菜もメインと考えるとリーズナブル。
そんな節約な日々&手抜きな夜でした。

 
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# by minaminouozafk | 2016-11-25 07:10 | Comments(6)

園長先生  鈴木千登世


一日の終わりに読んでいた「南の魚座」。それぞれの個性の匂い立つ文章と写真が素敵で、短歌に浸れる時間がうれしくて、毎日楽しみにしていました。誘っていただいたとき、心配なこと以上に何か前に進んでみたい思いがわいてきました。「南の魚座」という同人誌の名が由来の、美加さんにつながるこのブログに参加させていただけること、とてもうれしく思います。初めてづくしでどうなることかわかりませんが、どうかよろしくお願いします。


先日の早苗さんのクイーンの記事を読んで、通っていた保育園を思い出した。


昭和40年初めごろの保育園。お昼は主食のご飯を持参するか、パンを買うか。パンは確か5円だった。副菜が曜日ごとに決まっていて、月曜日はお麩のお噌汁、火曜日は野菜の和え物、水曜日はうどん、木曜日はカレーシチュー、金曜日はお豆さんだった。


保育園はお寺の中にあって、園庭の傍には公孫樹の大きな木。

黄色く色づいた葉っぱはひんやりとしてかすかに甘い匂いがする。散った葉っぱを集めて遊んでいたら、園長先生がそれは「いちょう」だと教えてくださった。たった一度のことなのに、その時の空の色や遊んでいたともだちの歓声や園舎のガラス戸が思い浮かぶ。五十年近く前のことなのに。

園長先生は子どもがとても好きで、それがわかるからいつも子どもたちがまつわりついていた。園長先生がそばにいると空気がやわらかかった。


昨日の寒さで市内の公孫樹の黄葉が一気にすすんだ。黄落ももうすぐだろう。

公孫樹を見るたびに懐かしい気持ちがわいてくる。どこかで保育園を思い出しているのかもしれない。






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     禿頭の園長先生目の奥がいつも笑つてた大樹のやうに  鈴木千登世


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# by minaminouozafk | 2016-11-24 05:52 | Comments(12)

あまり遠くないむかしむかし、アルルのある黄色い家に、

ゴッホとゴーギャンという二人の画家が住んでいました。

ゴッホは目の前に対象がないと描けないタイプ。

ゴーギャンは想像によって描くことが好きなタイプ。

こんなに違う二人の共同生活は、2か月でとじられてしまいました。

このアルル時代は、伝記作家の腕の振るいどころでもあるでしょう。

アルルの後、ゴーギャンは、しばらくして南の島へ移り住みます。

南の島のゴーギャンは、その死の2年前に、ひまわりを描きました。

ゴッホの大好きなひまわり、かつてゴーギャンのためにゴッホが描いたひまわりが、
どっかと椅子の上に置かれた「肘掛け椅子のひまわり」と呼ばれる絵です。

いったいどんな気持ちでゴーギャンは――。

と、こんなことを考えるのは、ここに描かれたひまわりが実在のものだったからです。
ゴーギャンは、南の島まではるばる種を取り寄せて、みずから育てて描いたのだそうです。

ゴーギャンの方法、すなわち、想像のひまわり、空想のひまわり、
あるいは、いつか見た記憶のひまわりでもよかったはずではありませんか。


いま、東京都美術館には、2脚の椅子が置かれています。

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             ゴッホの椅子     ゴーギャンの椅子

  ひかれあふ椅子と椅子あらん金輪際こころ突つ張るあるじをのせて


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# by minaminouozafk | 2016-11-23 07:27 | Comments(5)

異国の桜 藤野早苗

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(2014年12月5日、バッキンガム宮殿近くのセントジェームス公園にて)

一昨年の12月、娘と訪れたロンドンのセントジェームス公園に咲いている花。きぃんと張り詰めた大気の中、仄かに紅を帯びたその花はまごうかたなく桜である。こんな時期に、こんなところで…。旧知の友と偶然の邂逅を果たしたように、しば しその場に立ち尽くしてしまった。

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異国に咲く桜には特別な風情がある。佐藤紀子さんの歌集『カナダの桜』を読んで改めてそう思った。

・戸籍簿も住民票も無き国のカナダに我が持つ九桁番号
・アリゾナの砂漠の上に煌めけり子供の頃に見し天の川
・子の妻が日本語の「はい」を覚えたり  歯切れよき「ハイッ」優しき「はあい」

日本人として、異国に暮らす日々は自らの存在意義を内省する日々であっただろう。自身の異質性を個性と認識するまでの揺らぎの時間。そんな作者を支えてくれたのは、日本の風景であり、日本語の響きであり、また懐かしい桜であった。

・窓の外の桜一気に花開きそこより白き光溢れる
・みどり児よ待たれ待たれて生まれ来しこの世の桜明日は満開
・春寒くダウンジャケット着て仰ぐ空に拡がるカナダの桜

日本からカナダに移植された桜は、すっかり風土に適応して、まだ肌寒い三月から満開になるのだという。逞しい、生命感に溢れた桜である。


そもそも、なぜ日本人はこんなに桜を愛して止まないのだろう。さくらの「さ」は神の意味を持つ音。「くら」は、鞍で「座」の意味。田の周りに植えられ、田起こしの頃咲くこの花を、いにしえ人は神の依り代として敬った。桜がとりわけ、日本人のアイデンティティに訴えるのは、農耕民族としてのDNAが今もなお息づいているからに違いない。


さて、セントジェームス公園の桜である。春の桜の量感には遠く及ばないが、ロンドンの厳しい寒に耐えて咲く気概は天晴れだ。一旦帰国の後、また1カ月後に今度は1人でイギリス留学をする16歳の娘。本心を言えば心配でたまらなかったが、この地に咲く桜を見て安心した。大丈夫。この子はきっと大丈夫。桜が背中を押してくれた。そして、その決断は正しかったのだった。


娘、桜咲く季に帰国。少し大人になっていた。



帰国せし子を抱かむと差し伸べる桜の梢の腕千本            早苗

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          ( 自宅マンションの桜)

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# by minaminouozafk | 2016-11-22 01:11 | Comments(5)


11月13日秋晴れの日曜日、無事大会を終了した。今はどこの県大会でも同じだと思うが、高齢化、短歌人口の減少で大会開催が危うくなっている。今回は香臈人メンバー(ほとんどがコスモス会員)がスタッフ。70歳以上がほとんどだが、本当にそれぞれ誠心誠意がんばったと思う。一週間過ぎた昨日の歌会。盛会だったね、良かったよの意見をいただき、メンバーはやり遂げた感でたいへんだったけど良かった良かったの雰囲気。責任者としてはとても嬉しかった。


今大会では、講師として今野寿美さんに来ていただいた。下関ということで、前夜はささやかながら、河豚をかこんでの和やかな宴。


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講演会では、「より佳い一首のために」の演題で、ことばを知ること、選ぶことの大切さのお話をしていただいた。


歌人は不思議なことば遣いをする。

たとえば「濃ゆし」「酢ゆし」などは、辞書にはないが、リズムを整えるのに使われている。「羞し」を (やさし)と読むのも歌人特有では。

古語に由来する語も歌人が用いるなかで新たな意味を帯びる。

「生活」を(たつき)と読ませて、方便・手段ではなく、生活の意味。

③漢語を和語に移し替えて歌ことばとする。

たとえば「写真」を(うつしゑ)、「家族」を(うから)

④読みの工夫

たとえば「飲食のみくい」を(おんじき)とよむ。「過去かこ」を(すぎゆき)  



  

いずれも10数年前に短歌を始めたばかりの頃とまどった言葉である。短歌という三十一音に収めるため、知識としての言葉の量そしてそのなかからの選択の大切さを感じた。美しい今野寿美さんの胸にひびく講演だった。


小中高生の表彰式もたくさんの保護者も参加され、盛況だった。このうち一人でも短歌を続けてくれれば。午後の歌会も県内の選者プラス今野寿美さんにも残っていただき有意義な時間だった。また、海峡のまち下関として海外の留学生などにも声掛けをしたら、ウガンダ、ミャンマー、ベトナム、中国、韓国の方たちの作品も集まった。猛暑の8月に国際交流のかたの協力でセミナーを開き、一緒に作品を仕上げたのも愉しい思い出である。


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バスを待つ愉しみて待つスーパームーン前夜の月に照らされながら

百留ななみ

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# by minaminouozafk | 2016-11-21 06:52 | 歌会・大会覚書 | Comments(5)