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中一まで長崎で育ち<稲佐の山を名に負える(だったかな?)>と言う校歌の稲佐小学校に通っていた私は、小学生時代の遠足と言えば春秋とも、お膝元の稲佐山登山!?でした。東京タワーと同じ333メートルの山をぐるぐると歩くのは苦行。でも初めての歓迎遠足では、六年生が手を繋いで励ましてくれながら歩き通せた事、山頂で食べた母手作りのお弁当が美味しかった事、満開のツツジが美しかったこと。鮮明に覚えています。

そんな風で、稲佐山は歩くもので、ロープウェイには乗ったこと無かった・・・
ついに今回、周遊タイムに南の魚座女子で念願のロープウェイに乗りました!!
歩けば2時間はかかる道のりを、足元を吹き抜ける風も臨場感を煽るロープウェイは5分。すっかり近代的になった展望台からの、360゜の大パノラマ。と言ってしまえば、何か陳腐になりますが、見渡せるそれぞれの場所に思い出が蘇って来ました。

コスモス短歌会長崎全国大会 稲佐山から 大野英子_f0371014_06444988.jpg

写真の場所は、福田海水浴場辺り。ボケボケでごめんなさい。
バスに乗って一山越えて家族で行ったなあ。幼い頃は遊園地もあったはず。調べると私が生まれる前年に長崎遊園地の名で市内唯一の遊園地施設として誕生。<福田の遊園地>の名で親しまれ、プール、ゴーカート、観覧車、夏場にはボート遊びや釣りができる海水浴場も開かれていたとある。はい、お世話になりました。

帰宅後、久しぶりにアルバムを開くと、プール内を廻るボートに乗る幼い兄と私、プールの縁に腰掛けてポーズを取る父が居た。

     父、兄と笑ふ写真はああさうだ母の視線と愛のただなか 英子

のちにはハウステンボスなどに押され衰退、晩年はひなびたテーマパークとして番組で取り上げられたりしたらしい。1997年閉館。うーん、時代の流れというものですね・・・
現在は跡地に、マンション群として再開発されている。写真前面がその建物と思われます。

大会は無事終了。お世話になりました。お話出来た方、残念ながら出来なかった方、またお会いできる日を楽しみにしています。

コスモス短歌会長崎全国大会 稲佐山から 大野英子_f0371014_06463382.jpg

2時間程の高速バスでの帰路、爆睡から覚めた都市高速からの見慣れた景。元博多パラダイスと、右手は豪華客船。
博多の街は、当然ながら中国からの観光客に溢れていました。長崎へも行って下さいね~。
# by minaminouozafk | 2016-10-07 06:42 | 歌会・大会覚書 | Comments(4)

・銀髪の婦人のやうな冬の日が部屋に坐しをりレースをまとひ
・さくらの日深爪をしてしまひたり心に何人も人が来るゆゑ
・水無月の表面張力 目に浮かぶ目薬と開くあめんぼの脚
・全力が格好悪き一時期に棲む生徒らの緩めのベルト
・荷を巻けるビニール紐を切りたれば撥ね上がり空のなにかを切りぬ
・交はすなき枝のあはひに降りつもる真珠の層のやうなかなしみ
・マスクする湿りに思ふマスクしてサッカーをする福島の子ら
・かたむきてボタンの穴をくぐりたるボタンのやうなかなしみに居る
・ダンボール食べてしのぎし子どもゐる嵌め殺しの窓ならぶ日本
・すいれんの沼を泳いだ記憶にて蓴菜の光吞み下したり
・蜘蛛の糸は紡績突起より出づる傘の中にてその疣おもふ
・ゆふぐれの中洲に降りて暮れ色に染まりたいのだ白鷺をじさん
・「奥さんがどんよりしてきたら怖いですよ」女面泥眼のまなこが見つむ
・能面のうちより見る世はせまく細くただ真つ直ぐに歩めよといふ
・くるみボタンを胡桃ボタンと思つてゐた時間の方が香ばしかつた
・「絶望のズンドコ」にゐる幼子はよぢれたままに靴下あげる

「真珠層」は梅内美華子の第六歌集。2009年冬から2013年秋までの作品279首が収められている。30代の終りから40代前半にかけての作品ということになる。

この間には、東日本大震災、福島第一原発事故という未曾有の災害があり、加えてその三カ月後に父上が心臓の病で入院、加療の日々を過ごされたという現実があった。その状況については本歌集中の「あぢさゐの夜」(第48回短歌研究賞受賞)一連に詳しい。また、震災から1年後に訪ねた下北半島六ヶ所村の複雑な問題を詠んだ「七つの鞍を置く馬」は、巨大馬伝説を扱いつつ、北辺という地に生きることの根源的なかなしみを掬っている。

女性歌人の場合、本歌集の当該年齢の頃というのは、なかなか歌作が難しい時期である。雑駁な生活にジリジリと寄り切られ、沈潜して思考することも、詩的な飛翔を試みることも忘れてしまう。

梅内の場合、あの「ゼブラゾーン」での華やかな、みずみずしい登場以来、詩的な感性はより精度を高め、完成度が高まっている。不可視のもののイメージを伝えることにかけては随一の歌人である。さらに年齢を重ねることによる厚みとひろやかさが本歌集の魅力でもある。

幾人かとの悲しい別れも詠まれ、美しい手向けとなっている。歌集名「真珠層」は作者梅内美華子の裡に静かに重なるかなしみの層なのだ。

真珠は、ダイヤモンドなどの鉱物とは違い、生物が生み出す宝石である。本来は異物である核を千に近い真珠層が巻き締め、母貝と同じ光沢をもつ球体にする。その営為はまさに梅内美華子の作歌姿勢を思わせて、集名の名付けの妙に感服するばかりてある。

倉本修氏による装幀が美しい。一読をお勧めする。


かなしみがうつくしくなる時の嵩教へてほしい真玉しら玉
藤野早苗

梅内美華子歌集「真珠層」    藤野早苗_f0371014_10235551.jpg


# by minaminouozafk | 2016-10-06 10:22 | 歌誌・歌集紹介 | Comments(4)

母娘互選  有川知津子

おとといの昨日で長崎全国大会の全日程の記事をあげてくる早苗さん、
おそるべし、である。その早苗さんの総論的大会記に付け加えることは、ほとんどなくて、
けれどもなんとなく長崎大会から離れがたい。――ということで、
各論のさらに各論の補注ほどの個人的なことを少し。

互選。
突きつめて考えたことはなかったけれど、今書きながら、相互選歌の略かしら、などと思う。
その互選。この大会では、グループから5首、全体から5首を選び、
あらかじめ選歌葉書を出すことになっていた。

母(長崎)と私(福岡)は同じグループA。
この母娘は支部が違うから、お互いの歌が互選の対象になったことはなくて、
こんなことは、この大会がはじめて。

もちろん、どれが私の歌かなんて母は知らない。万が一にも、娘への訳の分からない
突発性の情熱におそわれて、その歌を選んでしまうことがあってはいけない
という配慮からである。――母親の過ぎた愛情が引き起こす悲劇は人類史上にいくらでも
拾うことができるではないか。


  啄木の罪をかぞへてざりつざりつ24人の歌会はなやぐ

Aグループは、「みんなに選ばれる歌はおもしろくない」というニュアンスの、
ある意味まっとうな意見もまっすぐに放たれながら、無事、終盤をむかえ、作者名と得点が
整理されたプリントが配られた。
(これには、誰が誰の歌に票を投じたのかまでは記されていない。)

ありがとう。逢えてよかった。ほんとうに。
――こもごもに感謝の言葉を尽くして、わかれてゆく。

母と私は、長崎港へ向かうくるまの中で、どの歌を選んだのかを告白しあった。

母は私の歌を選び、私は母の歌を選んでいた。(私たち二人の、場所柄をわきまえぬ
あのキッカイな高揚にピクリともしなかった運転手氏は、まことのプロであった。)


 

母娘互選  有川知津子_f0371014_04370277.jpg

 

  この大会に親娘で参加なさったみなさまです。

   小島ゆかりさん、なおさん。

   松尾佳津予さん、祥子さん。

    松尾家は、祥子さんのお姉さまの池田恭子さん
    そしてそのご夫君の池田弘道さんもご出席!

   水上比呂美さん、芙季さん。

 
  
  大会初日の周遊の地、浦上天主堂。
  同日の撮影です。

# by minaminouozafk | 2016-10-05 07:58 | Comments(5)

10月2日、3日はコスモス全国大会in長崎。台風18号の接近が危ぶまれましたが、無事開催されました。

参加者110名。
遥か北海道や奄美からの参加者もいらして、実に盛会。旧交、新交(?)ともに温めることができ、充実した大会でした。

初日2日は、まず、コスモス編集発行人の高野公彦氏より、開会挨拶。続いて、小島ゆかり氏の講話「表現の魅力」。助詞一字で、歌の力がぐーんと変わる不思議を笑いを交えてお話下さいました。ほんと、ゆかりさんって話術の天才。聴衆の気を逸らさない講話、いつもながら感服します。

その後、長崎市内周遊及び実作。実作はさておき(置くな‼︎)、観光に出発。われわれは、稲佐山ロープウェイで空中散歩を楽しむことにしました。稲佐山は標高300メートル。歩いて登ると2時間近くかかるそうですが、ロープウェイだと5分。長崎名物カステラアイスを齧りながら、足元からぞわぞわが上がってくる感覚を満喫しました。(私だけ?)

稲佐山展望台から長崎市内、大村湾、軍艦島一望。なんだか、天下取ったような気分になって、一気に長崎観光を終えた気になりました。単純ですな。
展望台で意外に長く楽しんでしまい、タクシーでホテル直帰。

18時から懇親会。美味しいお料理とおしゃべりを楽しみます。(楽しみ過ぎでしたな)

その後、翌日の歌会グループに分かれて、選者を囲む顔見せ会。自己紹介をしておくことで、次の日の歌会がスムーズに運びます。
親しくお話できてうれしかったです。

その後は各自思い思いに過ごします。そこは、まあ、かなりの方々が節度を持って呑んだくれていました。(笑)

翌3日、朝食の後、8時‼︎から歌会。4グループに分かれて3時間。有意義な時間でした。意欲作多数。現代短歌は運動体だと思いました。

そして、高野公彦氏より、歌会高得点者に表彰。及び総評。表彰者のみなさま、おめでとうございました。

で、いよいよさよならパーティ。豪華なお料理をお皿に取りつつ、またまたしゃべる、しゃべる。地方在住者にとって、近場で開催される全国大会は最新情報に触れられる数少ない機会なのです。

引き続きオプションツアーに参加するみなさまをお見送りし、帰宅組は長崎駅に移動。あとは、かもめで一路福岡。あー、現実が待ってます。

大会中お会いして、親しくお話して下さったみなさま、ありがとうございました。本当は当ブログに画像アップさせていただきたかったのですが、掲載許可をいただいていない方々のは、当然ですが、断念いたしました。アップされている画像につきましては許可をいただいております。次回からは、このあたり、きちんと事前にお願いしようと思いました。

大会開催功労者、桑原正紀さん、そしてコスモス長崎支部のみなさま、素晴らしいおもてなし、ありがとうございました。とても楽しい2日間でした。

また来年お会いしましょう。

(以下、画像が続きます。)
2016コスモス全国大会in長崎     藤野早苗_f0371014_10385798.jpg
開催挨拶をする高野公彦氏

2016コスモス全国大会in長崎     藤野早苗_f0371014_10394044.jpg
大会開催功労者の桑原正紀氏を挟み込む北国の長身美人歌人 福士りか氏(左)と藤野

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南の魚座メンバー
左から ユリユリ、晶子さん、藤野、英子ちゃん。撮影者は有川知津子ちゃん。次回は一緒に画像におさまろうね。そして、今回参加できなかった百留ななみちゃん、決起集会参加、待ってますよ。

2016コスモス全国大会in長崎     藤野早苗_f0371014_10410181.jpg
この木は何?オニグルミ?ご存知の方、教えて下さい。淵神社にありました。

2016コスモス全国大会in長崎     藤野早苗_f0371014_10411934.jpg
勝海舟の帆船、咸臨丸のレプリカ?素敵でした。
2016コスモス全国大会in長崎     藤野早苗_f0371014_10581650.jpg
最後に、高野さんを囲んで。囲み過ぎですな。


誌上にて知れる御名にうつしみのそぐふそぐはぬありてをかしき


# by minaminouozafk | 2016-10-04 10:37 | 歌会・大会覚書 | Comments(7)

雨の多い9月だった。そういえば、まだこの秋は斑猫に出会っていない。赤、青、緑のきらめく宝玉の小さな甲虫だ。たしか去年は・・・の裏路地はすっかりきれいに草取りを終えたばかり。〈みちおしえ〉と言われ、人の歩く先をひょいひょいと飛ぶ。ぜひ写真にと思うのだが、仕草が猫に似ているからの名前の由来もあるようで、かなり俊敏な動きをする。


今年は会えないだろう。ありえない暑さとそのあとの長雨。小さな祠のそば、私を導いてくれる一匹、着地したのは色つややかにきらめく斑猫。スマホを構え、ゆっくりズームして近づく。なんとか撮り終えるまで待っていてくれた。


帰って、さっそく写真を見てみると、なんとこの斑猫、左足がない。どおりで私のカメラにおさまってくれたのだ。このごろ弱者への凄惨な事件が続く。だいたい弱者という言葉も上から目線で不謹慎だと思う。何を基準の強弱なのか。曇り空へ飛び立っていった片足のハンミョウ、大丈夫だろうか。きっとだいじょうぶ。金子みすゞの みんな違ってみんな良い の優しさ、ふところの広さは・・・。


片足の斑猫  百留ななみ_f0371014_10254559.jpeg



泉鏡花の『龍潭譚』は幻想的な初期の短編だ。赤く咲き乱れる一面の躑躅のなかで少年千里は、斑猫に刺され姉に気づかれないほど頬が腫れ上がり、神隠しにあう。そして異界に踏み込みつつも現実世界にもどってくる。斑猫には毒はないがその美しさからか超人的な力を感じる虫だ。


なぜか、斑猫のきらきらのみどりや赤は、とおい夏の祭りのメロンソーダ、リンゴ飴を思い出す。斑猫は英語では tiger beetle 虎のような甲虫だ。やはり、動作は猫科に似ているらしい。


片足のハンミョウ跳べり曇天の小さき祠を幽かに照らし

百留ななみ


# by minaminouozafk | 2016-10-03 10:33 | Comments(3)