ドロップ  百留ななみ


缶入りのドロップをもらった。


懐かしくて、可愛くてついつい買っちゃった・・・と同世代の友人。JRの駅で売っていたようだ。

サクラクレパスの絵柄の缶。クレパスはお道具箱に入れてたよね。幼稚園の時はべたっと塗れるクレヨンのほうが好きだった。

たしかドロップを作っているのはサクマだったはず。よく見ると缶の側面には、販売者サクマ製菓と書いてある。

たぶんこの缶はサクラクレパスとのコラボの缶カン。


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むかしの記憶では赤い缶だったような・・・

さっそくネット検索をすると懐かしい赤い缶がありました。それだけでなく緑の缶もありました。

赤の缶 : サクマ式ドロップス  佐久間製菓

      イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ、ブドウ、チョコ

緑の缶  :サクマドロップス   サクマ製菓

       イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ、メロン、スモモ



もともとは同じ会社だったようだが、番頭さんが起こしたのが佐久間製菓の赤い缶。息子さんのがサクマ製菓の緑の缶。

味も微妙にちがう。今回いただいたのはサクマ製菓なので、メロン・スモモが入っていた。スモモはきれいな水色でちょっと酸っぱくておいしい。

チョコ味も舌が覚えているのでたぶんサクマ式ドロップスもよく食べていたのだろう。


ハッカ味。なつかしいが苦手だった。

子供の頃は缶を振ってハッカが出てくると私的にはハズレでこっそりもう一回やっていた。

もう50代・・と久しぶりに舐めてみた。うぅぅん・・やっぱり微妙に辛くてそして甘い。

なつかしい缶カン。

せっかくなのでスモモとリンゴとハッカはひとつずつ食べてしまったが、それぞれの数を調べてみた。


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ちょっと偏りあり。ハッカは3個。

買ってきてくれた友人に写真を送信すると、「私のはこれです」と返信があった。友人のほうがハッカが多い。6個もある。


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なつかしいレモン味を舐めつつネット検索を続けると、最近では缶入りのドロップスは災害時などの非常食にもなっているようだ。


サクマ式ドロップスもサクラクレパスもたぶん50年間・・・ほとんどそのままなのではないか。

サクマ式ドロップスは1908年の発売。なんと110年。1913年には缶入りを売り出した。缶入りも100年を超える。ロングセラー商品としては92歳の義母が遠足の時に持っていっていたという黄色の森永ミルクキャラメル、明治ミルクチョコレートは定番だろう。


時代のスピード感について行けてないと思うことしばしば。


無意識に缶カンを振ると今度はハッカ。ゴメンナサイと言いながら缶にもどした。大人のおやつタイムは終了。


涼し気なドロップの色は初夏が似合う。


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オレンジのドロップひとつ転がりて五月の夜は小童(こわつぱ)ばかり





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# by minaminouozafk | 2018-05-21 06:50 | Comments(6)

5月20日(日)、コスモス福岡支部出前歌会@アクロス福岡セミナー室2。

今回は東京から、桑原正紀氏をお迎えし、13:00〜17:00の4時間で、作品38首の批評及びミニ講座をお願いいたしました。
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終始柔和な笑顔を絶やさない桑原さん。けれど、鋭い批評眼で指摘する点は逃さず、抜群の添削力で提出作品に点睛していきます。

・たくさんの人間を乗せ飛行機がまつすぐ西の空に消えたり

このまとまっているけど、ちょっと物足りない歌が、桑原さんの添削をいただくと、

・たくさんの人間を乗せいつぽんの光の筒が西空に消ゆ

となる。うーーーん……すごい。飛行機を飛行機と言わず、独自の比喩表現にした途端、モチーフは同じでも、一気に個性的な作品になりました。なるほど。

他にも、事実とは違っても、読者の解釈を迷わせる場合は整理して作品化すべき、とか、破綻のない出来過ぎた作品は、逆にどこか壊して詠む、とか、たくさんの助言をいただきました。ありがとうございました。

桑原さんセレクトの三首。

・命名は唐の詩人かも知れぬ陽に光りつつ「紅娘」走る 西山博幸

・靴下に石鹸箱を差し込みて破れかがるを少女見詰むる   尾羽根孝子

・ライブ中ギターの弦が切れたのをごまかすやうにプレゼン続ける 池田たけし

お三方、おめでとうございました。

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その後、ミニ講座「桜の系譜」。西行の歌を中心に桜を詠んだ歌を鑑賞しました。桑原さんによると、桜の歌に精神性を付与したのは西行がはじめであったのだそう。北面の武士、佐藤義清であった男が西行となる半生を辿りつつ、西行の内なる桜を逍遥したのでした。素晴らしい。これまた、桑原さんに大感謝です。


懇親会は、福ビル地下の「御膳屋」で。
楽しい時間を過ごしました。桑原さんの穏やかなオーラに癒された1日。厳しい批評会のはずがなんとも心が温かくなったのでした。

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南の魚座による桑原さん包囲網。

桑原さん、ありがとうございました。
ぜひ、またご来福ください。


西行のうちに刷かれし一点の紅(こう)ほのぼのと説く桑原氏

✴︎なお、この出前歌会は、「水城」271号に詳しく掲載いたします。お楽しみに。



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# by minaminouozafk | 2018-05-21 00:19 | Comments(3)


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市内のユリックス図書館で娘がよく本を借りる。ときどき私も借りてきた本を見せてもらう。そんな一冊が上記の『翻訳できない世界のことば』。作者はエラ・フランシス・サンダース、2014年に発行されたときは20代の女性。さまざまな国に住んだ経験があるイラストレーターだそうだ。

みひらきの2頁にひとつの言葉が書かれ、左ページには作者のコメントと言語(例えばJAPANESE)、右ページには翻訳できない言葉(例えば KOMOREBI,木洩れ日)がイラストと書かれている。


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KOMOREBI 木の葉のすきまから射す日の光。木洩れ日>
作者のコメント「まばゆくて目を閉じてしまうほどに美しいもの。緑の葉のあいだをすりぬけた光は、魔法のように心をゆさぶるでしょう。」

日本語はTUNDOKU、WABISABIと木洩れ日の3つが紹介されている。


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わびさび生と死の自然のサイクルを受けいれ、不完全さのなかにある美を見出すこと。>

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                        つんどく


<PORONKUSEMA(ポロンクセマ) トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離>フィンランド語
GURFA (グルファ) 片方の手の平にのせられるだけの水の量。>アラビア語



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KALPA(カルパ) 宇宙的なスケールで時が過ぎていくこと。>サンスクリット語

その国の生活や思想が滲んでいて、私たち日本人には思いつけない言葉だ。


くすっと笑ったのがDRACHENFUTTER(ドラッヘンフッター)ドイツ語。

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<直訳すると「竜のえさ」。夫が悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント。>

左ページの作者のコメント、「火を吐く龍はそうやすやすとは手なづけられません。夫が三時間遅れて帰宅したり、バスケットの試合を見ていて大切な記念日を忘れたり。妻はプレゼントでごまかされるべきではないけど、やっぱり許してしまうものです。」


<SAIDADE(サウダーデ) 心の中になんとなくずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または愛し失った人やものへの郷愁> ポルトガル語

 新田次郎の遺作を藤原正彦が完成させた小説『孤愁 サウダーデ』はサウダーデを胸に持ち続け、明治時代の日本に住んだポルトガル人の文筆家・外交官のモラエスが主人公。
日本人にも似た感覚がありそうだ。日本語では「翻訳がむつかしい」くらいなのかもしれない。


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他にも紹介したい面白いことば、美しいことばがたくさんある。できれば今しばらく手元において、お茶でも飲みながら読みたい、あるいはイラストも明るく綺麗なので眺めていたい一冊だ。


翻訳のできない言葉「ピサンザブラ」バナナいつぽん食べ得る時間 晶子


★ピサンザブラ マレー語







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# by minaminouozafk | 2018-05-20 00:00 | Comments(6)

 近くの電柱に鴉の巣があるのに気づいたのは四月の中頃だったろうか。電柱に巣を作られるとショートの危険性があるとかで、電力会社が撤去するという話を聞いた気がするが、ずっとそのままであった。うちの家から巣までは視界を遮るものが無く、おまけに20メートルも離れていないので、巣の様子は朝起きたとき、ベランダに洗濯物を干すときのみならず、居間に座っていても目を向けるとつぶさに見て取れる。

 鴉は一日に一個しか卵を産まないらしく約20日で孵化するそうだ。雨の中でもじっと動かずに抱卵する状態が続いたある日、親の姿が見られなくなるときが出てきた。外からは見えないが、無事に孵化したのだろうと安心した。そのうちに親が巣に戻ると、小枝で組んだ巣の淵から小さな頭が見え隠れするようになった。普通五個前後の卵を育てるそうだが、雛の頭は二つしか見えない。初めから二個だったのか、それともすでにこの時点で命としての存在が絶たれてしまった卵があったのかは分からない。


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 二羽の雛は日々成長してその姿は常に巣の上に見えるようになっていった。親鴉は繰り返し繰り返し餌を運んでいるのだが、ある雨の日、抱卵をしていたときのようにずっと巣の中に動かずにいた。まだ小さな雛を冷たい雨から守っていたのだろうか。


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そして、一昨日の木曜日、親鳥は巣から少しばかり離れた電線の上に留まり巣にいる雛の様子を見ているようであった。雛はというと二羽のうちの片方が、羽を大きく持ち上げようとする行動を繰り返している。これはいよいよ飛び立つ時が来たのかと思い、その瞬間を見たかったのだがそうもいかず、チラチラと巣の様子を伺いながら家の仕事を片付けていた。すると、いつの間にか雛の姿が一羽になっていた。飛び立った?飛び立ったのだ!ただ巣立っても1、2週間はまだ親から食べ物をもらって家族単位で生活をするそうだが、この巣に戻っている気配はなく、残りの一羽はまだ巣立ちそうにはない。


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 風が強く、時折瓦屋根に水煙が立つような雨が降る昨日、一本先の電柱に少し小型で懸命にバランスを取っている一羽の鴉と、そのまた一本先の電柱に巣の子鴉に餌を与えて飛び立った親鴉が長いあいだ留まっていた。今日もまだ残りの一羽は飛び立ちそうにない。


   初夏の風たちあがれ巣立ちする鴉をのせて空の高みへ


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# by minaminouozafk | 2018-05-19 11:14 | Comments(5)

5月13日は福岡で初めての試みである超結社歌会。

福岡を中心に、九州各地より約80名の参加がありました。

テーマは〈新しい時代の活路を開く短歌〉

1回は発案者の桜川冴子さんを中心に、かりん、まひる野、学生短歌会(九大短歌会、福岡女学院大学短歌会)が実行委員。

先ず、実行委員長の桜川冴子さんのご挨拶。

白秋の故郷である福岡は短歌の活動が活発。今日も15歳から80代まで参加があり、世代、結社を超えて一緒に実り豊かなものにするために年に一度の集まりを企画した。実行委員のバトンを引きつぎながら、福岡を短歌県にしたい。九州に住んでいる人が主役の会にしたい。との心強いお言葉でした。

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第一部はシンポジウム。
〈他ジャンルとのコラボを通じて〉というテーマ。
昨年、本日のパネラーである五名が五名の画家の作品とコラボし、設定された一文字をキーワードに作品を発表されています。

その時の絵と作品が映されるモニターを見ながら、他のジャンルと交じり合う短歌について考え、それぞれが絵から何を感じてどのようにして詠んだかを語られました。
パネラーは中島行矢、染野太朗、竹中優子、山下翔、桜川冴子(兼コーディネーター)

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五つのテーマと絵画を通し、どのような作品に仕上げるか、視覚を伴った題詠として、同じ絵を見ても喜びを感じたり怒りを感じたりと興味深い試みでした。
それぞれ、一首ずつ絵画と共に紹介いたします。

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〈風〉わがうちに残りしひとの足跡もいつしか風に均らされながら   中島行矢

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〈匂〉さくらばな枝焚かれつつ染められむわが哀しみの匂ひ立つまで   桜川冴子

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〈光〉ひかりが色になることふいになつかしく水面に折り曲げる筆先   竹中優子

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〈光〉どの尻もつやつやとして光りたりみづをまとひて人はかがやく   山下 翔

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〈花〉重くおもく垂るるのみなる花房のあかときをなほ消残る怒り   染野太朗

休憩を挟み第二部はグループ歌会。
3
グループに分かれ1首につき二名を指名、最後に事前に指名されていたまとめの評者が総評を行うというスタイル。
それぞれのまとめの評者は
A
グループ 野田光介(やまなみ)、三輪良子(心の花)、染野太朗(まひる野)
B
グループ 藤野早苗(コスモス)、中島行矢(ポトナム)、竹中優子(未来)
C
グループ 中本吉昭(朱竹)、大野英子(コスモス)、山下翔(やまなみ)
Bグループの早苗さんは、ご本人の当ブログにも書かれていたぎっくり腰により欠席(残念!)染野太朗さんが快く、かけもち評をしてくださいました。

綿密に時間配分された司会者の進行と、若手歌人のスピーディなマイク廻しにより最後の質疑応答まで

滞りなく終了いたしました。本当に運営委員のみなさま、ご苦労さまでした。

初心者の方も多く、どのように詠めばよいのか、どのようにして結社を選べばよいのかと言うストレートな質問もあり、評者としても初心に帰るような思いでした。

シンポジュウムでは若い方が熱心にメモを取る姿や、歌会での福岡の若きエース山下翔さんの作者に寄り添うような丁寧な批評、歌会後は熱心でかわいらしい高校三年生女子と来年もお会する約束をした事、などなど新鮮でした。そして福岡の若い歌人たちのパワーを確かに感じ取りました。
閉会後は、会場一階の「魚民」に会場を移し、親睦会。

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           〈南の魚座「イケる口連合」のユリユリと、同じくイケる口の山下翔さんを包囲〉

これまでゆっくりお話しする機会もなかった他結社の方や若い方達とたくさん会話することが出来ました。さて、来年の運営委員はコスモス短歌会が指名されています。早苗さん、頼りにしていますーー。

      大雨は去り去りがたき別れぎはお互いエイコと気付く可笑しさ


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# by minaminouozafk | 2018-05-18 06:35 | 歌会・大会覚書 | Comments(5)

夏は来ぬ  鈴木千登世

五月のこの時期に待たれるもの。


3日前、空が白み始めた頃、心待ちしていた声が夢うつつの枕元に響いてきた。

オッキョキョキョキョ……、オッキョキョキョキョ……

時鳥。

南から渡ってくるこの鳥の声を聞くと、夏が来たことを実感する。


夏の鳥として、時鳥は古くから詩歌に詠まれてきた。『万葉集』には153首、『古今和歌集』は42首、『新古今和歌集』は46首が載っている。『枕草子』ではその声を人より早く聞きたいと起き出して待っている様子や声を求めて賀茂(かも)の奥に車で出かけたエピソードが記されていて清少納言の「ほととぎす愛」が伝わってくる。

時鳥、不如帰、杜鵑、子規、とさまざまな漢字が当てられ、田長鳥(たおさどり)、妹背鳥(いもせどり)、卯月鳥(うづきどり)などの別称も多いほととぎす。「てっぺんかけたか」や「特許許可局」という聞きなしも有名だ。

古くから人の生活と密着して、親しまれていた鳥だとわかる。今はどうだろう。



ほととぎす嵯峨へは一里京へ三里水の清滝夜の明けやすき 与謝野晶子


夏の朝の爽やかな気配が感じられて好きな一首。


「時鳥」はほととぎすの声が田を植える時を告げるということで当てられたという。近所の田には水が入り、早苗の揺れる田も増えてきた。街路樹の湧き立つ緑がまぶしい。空も春とはどこか違った青さ。



夏が来たんだなあ。


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ユリノキに花が咲いていた。チューリップに似ている。



あかつきの夢に来鳴けるほととぎす夏告げ鳥のくきやかな声


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# by minaminouozafk | 2018-05-17 12:40 | Comments(6)

今年も三枚羽の楓の種子を見付けた。


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三枚羽をそれと分かるように撮るのはむつかし~。


去年とは違う木である。


驚いたことに、三枚羽のプロペラが三つも同じ木にそよいでいた。

三つも。


この木、去年はなかった木だ。

気づかなかっただけかもしれない。


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わたしよりちょっと丈が高いくらいのおさない木である。


やはり植樹されたばかりだったのだろう。

数日後に傍を通ったとき寄ってみたら見事に切り詰められていた。


根と幹を育てるのであろう、と思った。


わたしも、育てなくちゃ。



  青空をあふぎゐるとき気づきたりクリップ一つポケットのなか




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# by minaminouozafk | 2018-05-16 06:49 | Comments(6)