7月8日(日)、

「COCOON」第8号の批評会=COCOON第12回批評会があった。


前日までに、折からの大雨の影響で道路や線路が冠水した地区の友人たちから、

出席できない旨の連絡がCOCOONのメーリングリストに届けられていた。


福岡空港は、他の都市に比べて市街地に近いところに位置する。

うちから空港まではというと、いつもより車が多いくらいのもので、特段の規制もなく、

無事、梅雨空の福岡を出発することができた。


東京は晴れ。すでに梅雨は明けている。ひかりが眩しかった。


来られない誰彼を思い会場へ向かう。

みんな、それぞれの立場でいろんな事情をかかえて日々を過ごしている

出席したくても、それが叶わない状況はいくらでもある。


今回のように交通手段が確保できないこともある。

配偶者との駆引きがあったりする場合もあるだろう。

突然子供が熱を出したりするともうどうしようもない。


これに関連して、今日はCOCOONの創刊時から慣例を一つご紹介しよう。

「欠席者へのメーリングリストでの一首選」。

これは、欠席した人は、みんなから一首選んでもらえるというもの。


批評会後、出席者は、欠席した人の作品の中から一首を選んで伝える。

この一首選でしばらくメーリングリストはにぎわうーー、

批評会のちょっとした余韻のようでもある。(いいでしょ)


ところで、今回、二人の見学者があった。

一人はコスモス会員の方。

もう一人は、お母さんの勇姿を観にいらした輪郭のくっきりしたお嬢さんである。


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今回のマスクは、水上芙季さん作。うれし。


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翌9日、九州北部地方の梅雨明けが告げられた。


 梅雨明けたり向日葵の葉の破れより大蟻ひとつこちらへ出でて




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# by minaminouozafk | 2018-07-18 07:46 | Comments(8)

1979年5月1日(火)。この日、九電体育館でQueenのコンサートが開催された。私は17歳。どうしても行きたいのだと両親に訴えたが、あえなく却下。悲しい思い出である。

憧れてやまなかったこのコンサート、その現場にいた人物の存在を知ったのは昨日のことだ。


FB(フェイスブック)にアップされていたこの記事。


外タレ・ロック フォークコンサートの殿堂

九電記念体育館

ueen Tour 1979/05/01

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ご丁寧にその時のチケットの画像付き。いいなあ、こんなの持ってたら宝物だよねー。誰、これ?って……、


ええええー、、、夫でしたあーっ!!!


いやいや、結婚22年、ほんとに全く初耳ですよ。私がQueen好きなの知ってるよね、たしか九電記念体育館のこのコンサートに行きたかった話したことあるよね。なんでその時言わなかった?不思議だわあー、ほんとに……、どういうことなんだろう、一体……、とまあ一瞬、脳内飽和状態になってしまったのだった。


でも、こういうことって実はこれまでも結構あった。あまり大勢に影響がなかったので問題にしなかったが、連れ合いのアップした記事を読んで、「ああ、なるほど、あれはそういうことだったのか」と納得したり、「あ、今、ここでそんな仕事をしているのか」と了解したり、とFBで初めて知ったという情報は珍しくないのである。生活の時間帯がまるきり違うわれわれは辛うじて夕食時に顔を合わせて話す程度。そこで話さなかったことは情報として共有できない。それで別段困ることはないのだが、いざFBを眺めてみると未知の情報が多すぎて驚くばかり。


それは多分逆の場合もあるだろう。私がアップした記事によってわかったこと(過去の出来事のあれこれとか)も少なからずあるはずだ。FBにアップする記事は、不特定多数の読んで下さる方々に向けて発信することを念頭において書く。そうすると記事は必然的にニュートラルに、穏やかになる。ガチ話で険悪になるリスクを回避できるのはありがたい。

SNSとはSocial Networking Service。夫婦はSocialの最小単位であると気づく今日この頃。



内向きの不足はあれど外向きには二人三脚 夫婦はチーム



*2019年(平成31年…元号は変わっているかもしれませんが)、九電記念体育館の取り壊し決定。1964年、東京オリンピックの年に開館以来、55年の歴史を閉じることになりました。さびしいことです。


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今年、11月9日、映画「ボヘミアンラプソディ」公開。
こちらは楽しみすぎる。



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# by minaminouozafk | 2018-07-17 01:55 | Comments(7)




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平成29613日ですからちょうど1年ちょっと前のことです。

走り書きのメモの作者は逝去されたばかりの作家の古川薫氏。佇む妻は私の師の森重香代子氏。

名誉館長をされていた田中絹代ぶんか館で108日まで、展示されている。



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すぐに思い出したのは森重香代子氏の『二生』。その中の〈二生のごとく〉の巻頭のはなやかな相聞歌。

ロマンチックで官能的な忘れられない一首。

きみは猫や蝶に()る夢を見るや 闇に声する春のあけぼの



『二生』の蝶の歌で心に沁みついている作品を二首


山に棲む蝶が側溝の水吸へるいのちせまりしもののごとくに

ダリの絵の女の肌に(やす)みゐし蝶あらはれて秋の径往く


師の家は急な坂道の上にある。海峡を望む開放的な住居はみずから山人と詠う作者には明るすぎるほどだったのだろう。山に棲む蝶は作者自身。作家の妻としての環境の変化に困惑しつつ清新な決意があらわれている。

シュルレアリスムのダリの絵の女の肌からあらわれた蝶。色鮮やかな不思議な蝶はやはり作者に重なる。



コスモス20172月号の巻頭作品

クラシック蝶  森重香代子

秋の陽に塗れながらに石の径われをみちびく浅黄斑(あさぎま)(だら)

翅のいろ灰青色また濃褐色アサギマダラはクラシック蝶

あやしくも息衝き翅を閉ぢひらきしきり蜜吸ふアサギマダラは

尖塔の冥くひしめく中世の空に浮かばば()しからむ蝶

甃石にもつるる翳もきはやかに蝶二頭ゐる夫の病む庭



浅黄斑蝶に導かれゆくのは、まさに中世のヨーロッパの庭に迷い込んだような美しいクラシックな光景。

美しく見える蝶も生きるために懸命に蜜を吸う。生の厳しさ。師の姿にかさなる。

その中の翳きわやかな二頭の蝶はご夫妻であろう。


冒頭の古川薫氏の〈廃園に佇む妻の袖に蝶〉は春の病院の庭の蝶に、二人でながめた秋の浅黄斑蝶を思い出しての返歌かもしれない。古川薫氏にとって蝶はイコール妻であったのだろう。


うっとりする静謐な美しさ、凛とした芯の強さは作家古川薫氏にとって良き伴侶であった。それが垣間見える心に響くノートへの走り書き。


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短歌との出会いは森重香代子氏との邂逅である。これからもしっかり蝶なる師の後ろをついていきたい。



てふてふのすくなき春はくまぜみのちからなく啼く炎夏となりぬ








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# by minaminouozafk | 2018-07-16 06:37 | Comments(7)

花と実 大西晶子


梅雨が明け、急に暑くなった。そんな暑い夜に洗面所で歯を磨いていたら花の甘い匂いがする。花などはとくに植えていない場所なので、今頃なにが咲いているのか不思議だった。花の香は柑橘類のものに似て、むせるように甘い。花には失礼だが暑い中では嬉しくなく、窓を閉めた。

そういえば今年はまだ金柑の花を見ていない。金柑を植えて十数年が経つのに、花をきちんと見たことが無いような。翌朝、見れば確かに白い花がたくさん咲いていた。



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              金柑の花 7/14


庭には柚子の木もある、ご近所では夏みかんやレモンを植えている家があるが、柑橘類の花はたいてい5月末ころまでに終わったような気がする。金柑の花も同じころに咲いたとばかり思っていた。観察力の無さに我ながら驚いてしまう。
 いま柚子にはビー玉よりは大きいというほどの実が枝の先に生っている。


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柚子 7/14


 金柑の花がこんなに匂いが強いとは思わなかったが、存在を虫たち教えるための戦略? 虫たちの多い7月に咲き、受粉に手を貸さなくても毎年たくさん実がつくのがありがたい。柚子に遅れて花を咲かせても同じころに収穫できるのは、実が小さいからだろう。
 台風や害虫に負けずこの冬,柚子も金柑もたくさん収穫できると良いのだけど。

 

   金柑の花の濃き香にたへられず窓をとざせり熱帯夜にして




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# by minaminouozafk | 2018-07-15 08:07 | Comments(6)



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 昨年、このブログで早苗さんに教えていただいたブラックベリーが、今年も車の往来の激しい道ばたで元気に育ちました。
 その様子を、買い物の道すがら撮影しました。

 4月26日 うすいピンクの花     5月17日  結実






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 5月29日 ほんのり色づいて   5月31日 びっしりとたくさん














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 6月7日 赤みもまして      6月13日 より赤くなる













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 6月21日 待望のブラック    6月27日 収穫の後、さみしい













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7月5日 つぎつぎにブラックベリーが

庭に実が生るというのは楽しいことですね。挑戦したいけれども苦手な分野です。


夏の陽が直滑降でめざす先ブラックベリーはむくむく太る


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# by minaminouozafk | 2018-07-14 10:50 | Comments(7)

「meal」  大野英子

少し前、第一回福岡短歌フェスタをこの欄で紹介した。
その時の実行委員であり、パネリスト、評者として活躍された山下翔さんから「meal」という手作りの小冊子が先月届いた。(梅にかまけて紹介遅れました)

あとがきに「第七回福岡ポチイエにあわせて作った個人誌です。食べるということ、食事という時間、それにまつわる人との関わりをおもいながら作りました」とある。

「焼肉」55首、「カレーライス」15首は書き下ろし。
力作である。

山下翔さんは現在、現代短歌新聞に歌壇時評を連載中。
毎回、独自の視線で〈うた〉と向き合ってゆく。
福岡発信の若い人ががんばっているのが喜ばしい。

そして自選20首。この夏刊行予定の第一歌集収録歌を中心に選んだとある。

自選20首から
  ひかりさす方へかたむけて読む本のあかるいなあ春が過ぎようとして
  だからこそ秋は夕暮れぶだう棚のしろき袋も満たされてゐる
  はつなつのわたしはへんなおぢさんなり太き枝細き枝広げて歩く

折々に詠まれる季節の歌からは、それぞれの季節が持つ空気感が伝わる。
短歌フェスタで紹介した写真からも伝わるように、飄々とした佇まいの山下さん。
この季節、へんなおぢさんとなって枝を広げ、見えない何かを見つけながら歩いているのだろう。
なんだか、私の身体ももぞもぞしてきたぞ~。

歌集刊行が楽しみ。

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仕事帰りに港まで寄り道。仕事が終ってもまだ明るい夏はなんだか得した気分。

       潮風に吹かれさわさわ揺れだしぬ青葉がしげるわたしのからだ


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# by minaminouozafk | 2018-07-13 06:47 | Comments(6)

こぼれ花  鈴木千登世

去年の夏。

通勤路の傍の歩道がクリーム色の小花で覆われていた。

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1年前も同じ路を通っていたのに全く気づかなかった。


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黄色い小花の主はこの木。

こちらは絨毯のようにみっしりと地面を覆っている。



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見上げるとチョウのような形をした花が……。

家に帰って樹木図鑑で探すけれど見当たらない。

家人に写真を見せると葉や花が豆に似ているという。

手掛かりのないまま、朝に夕に咲いている花とこぼれ花を見ながら通勤した。


あちこち尋ねてようやく「槐(えんじゅ)」と分かったのはしばらくして。

マメ科の落葉高木で、中国原産で古くに渡来した樹木という。「古事記」や「日本書紀」には神功皇后がこの木にすがって応神天皇を出産したことが記されているという。「古代中国(周)では朝廷にエンジュを三本植え、大臣がそれに向かって座した格式の高い木とされる。現代でも「出世の樹」、「崇拝の樹」として中庭に植えられることが多い。」(庭木図鑑植木ペディア)

また、「延寿」に通じる語感から縁起の良い木とされ、好んで庭に植えられたり、並木として用いられているという。



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駅通りの並木はこの木。クリーム色の花が風に揺れ、こぼれ花の絨毯が歩道に沿って伸びている。写真は曇りの日で少しくすんでいる。晴れた日はもっと美しい。



葉がくれの星に風湧く槐かな   杉田久女

裏切りもときに美し花槐     丸山しげる



昨日の帰り道、見上げると黄色い花が咲き始めていた。

路面を覆うこぼれ花に今年も出会えそうだ。



かなしみの梅雨明けに咲く花槐樹影を小さき風に揺らして


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# by minaminouozafk | 2018-07-12 06:32 | Comments(7)