2026年 01月 31日
もうすぐ春節
今年の春節は2月17日。今、まさにもうすぐ春節の徐州に夫と来ている。今回は昨年の11月に来た時と違い観光目的ではなく、4月から日本の大学で教えるために帰国する息子の帰国準備の助っ人としてなので割烹着、掃除用具持参での訪中である。
春節は一年のうちでいちばん長い大型連休とあって、日本でもニュースに大勢の人が故郷に帰ったりする大移動が取り上げられる。日本でいえば歳末にあたる街はいたるところに春節の飾り付けが施されどっちを観ても「新年快乐」の真っ赤っかである。
あちらこちらの飾り付けの様子をご紹介してみなさんにも福が届きますよう願っております。




ちなみに今年は午年、私の干支です。自分の干支の年のこの時期に来れた思い出に一目惚れした真っ赤なお馬さんを連れて帰ります。
信号の赤までいわつてゐるやうな街にあふれる春節飾り
2026年 01月 30日
第55回北原白秋顕彰短歌大会 大野英子
とても寒い日でしたが、白秋の生誕祭を祝うように、お天気は最高でした。会場で、ひとしきり懐かしい方々とご挨拶を済ませ(これも大会の楽しみですね)受付時間前の込み合うロビーから掘割広場に出て、同行したカルチャーのお仲間三人で持参したお昼ご飯をいただきました。
風は冷たくても、日向ではそんなに寒さは感じませんでした。
今回は、高野公彦氏から交代された桑原正紀氏が講師を務められます。
講話は「白秋の添削──『鑕』を読む」です。
「鑕」は鍛冶屋の鉄床(かなしき)を意味する言葉で、多摩創刊の年の昭和13年5月10日に弟、北原 鉄雄氏の出版社アルスから1円50銭で刊行された多磨短歌会での添削実例をまとめた短歌の添削批評の実例集。白秋全集の第23巻にも収録されていることを、丁寧に説明してくださり、ご自身が持つ初版の一冊を持参して見せてくださいました。

『鑕』の中から抜粋した添削例を、丁寧に解説をしてくださいました。これまでの講演は、白秋の人生や多方面からの作品解説に触れることが多かったので、とても新鮮でした。
講演の内容を抜粋してご紹介しようと思いましたが、桑原さんが抽出された添削例がどれも捨てがたく、プリントをそのまま貼り付けます。


最初の囲まれた例は、『鑕』に書かれている通りのものです。それは判りにくいので、桑原さんが判りやすい提示方法で記してくださっています。
最後に「白秋の細やかな指摘には、励ましの言葉をいただいているようで、短歌を愛していたことが伝わる」と語られていました。
いえいえ、桑原さんの添削、推敲からも、同じように励ましと愛を感じていますよ。
あらためて、コスモスの歌人は、白秋の目指す方向を指針として、作歌に、指導に努めているのだということを感じた、ありがたい時間でした。
ぜひ、このブログの2025年10月10日にご紹介した桑原氏の『ようこそ、歌の世界へ』を併せてお読みいただきたいと強く思いました。
この日、桑原さんは『ようこそ、歌の世界へ』と、最新歌集『麦熟るるころ』各五冊を持参され、休憩時間に、なんと自らが販売に立たれました。もちろん、あっという間に完売です。
広島から来てくださった、「棧橋」時代からのお仲間、久保田智栄子さんとも同席し旧交を温めることが出来ました。
楽しい時間は、あっという間に過ぎ、いつもは時間がかかるタクシーを予約しました。そのタクシーが予想以上にとっとと来てしまい、駅に着いてから、桑原さんにお別れのご挨拶もしていないことに気付いてしまい焦りました。
桑原さん追いついてくれないかと、乗り場から駅の入り口をじっと見つめ、念力を送りました。
すると、福岡支部の中村さんが、桑原さんを伴って階段を下りてきました~。
神さま、ありがとう。

はい、記念写真。左から心の花の井田尚子さん、私、桑原さん、中村さん、増田さん、心の花の内田さやかさん。駅で合流した江﨑玲子さんが撮影してくださいました。
20時の飛行機で帰られるとのことで、井田さんとは天神でお別れし、江﨑さんもご一緒に空港まで行き、搭乗までのひとときをビールで乾杯して、再び楽しい時間を過ごしました。
桑原さん、ありがとうございました。

DOUTORで会ふときを思ふ二日間、会ふ四時間の充ち満つじかん
2026年 01月 29日
冬の匂い 鈴木千登世
日曜日は支部の歌会でした。欠席者も紙上参加という形であらかじめ選歌と評を寄せていて、少人数ながら今年最初の歌会を催しました。
以前は新年のお祝いも兼ねた賑やかな会で、お昼に祝膳(といってもお弁当ですが)とお酒を用意して丸一日歌の批評に費やしていました。

休憩用の花びら餅。少しだけお正月気分
歌会では歌評はもちろんですが、そこから発展した話で盛り上がるのが毎回の常。今回は「火の匂いが好き」という歌から「火の匂い」という話題で盛り上がりました。
オール電化でコンロはIH、暖房はエアコンやファンヒーターに移って「生」の火を扱うことが減りました。暮しから「火」や「煙」が消えつつあります。少し前から始めた連歌には一巻の中に煙を一句詠むというルールがあります。以前は稲刈りの後に藁を焼いたり、暖を取るために薪を燃やしたり炭を熾したりで煙を見る(火を見る)機会は多かったのですが、今ではほとんど見られない景となってしまい、難しい句材となりつつあります。
歌会では「火の匂い」は「冬の匂い」だった、ということでかつての暮しの話に花が咲きました。冷たい空気と鼻をきゅっと刺激する煙の匂いは(昭和の)懐かしい冬の匂いです。匂いが思う以上に記憶と深く結びついていることも発見でした。

今の時代の「冬の匂い」は何だろうと思いながら家に帰って、荷物を開いたら「庭で採れたの」とお土産にもらった金柑がこぼれ出てきました。小さな一つを口に入れると柑橘の香りがぱっと広がりました。
街をゆき子供の傍を通る時蜜柑の香せり冬がまた来る 木下利玄
変わらない冬の匂いを見つけました。
「くべる」とふ言葉親しき遠き日の竃のなかに火はゆらめけり
2026年 01月 28日
白秋生家の朱欒 有川知津子
2026年 01月 27日
道明寺と長命寺 藤野早苗
いきなり寺活?って思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これ、桜餅の種類(?)です。つぶつぶした餅米で餡を包んでいるのが道明寺。ここ福岡も含め、西日本は道明寺エリア。一方、白玉粉と薄力粉で薄く焼き上げた皮で餡をくるむのが長命寺。こちらは主に関東地方で食されているらしい。


故事に由来していたのです。
関西以西の桜餅道明寺は、江戸で人気の長命寺を参考にし、餅米を原料にした道明寺粉を使ったことからこの名前がつきました。道明寺は粉の名であって、売られていた寺の名前ではないという、名付けの非対称性が面白いですね。
実を言うと、私が長命寺の存在を知ったのはここ数年のことでした。東京の和菓子屋さんに並ぶ、小さなピンクのクレープみたいな可愛い姿。これは?と思ってネームプレートを確認すると「長命寺」。ググってみると関東の桜餅と書いてある。60年近く生きてきて、桜餅は2種類あることを初めて知った衝撃。そしてそれを食べた時の上品な口当たりに受けた衝撃。まあ、その時々の体調にもよりますが、私はさっぱりした長命寺が好みかな。
しかも驚いたことに、この長命寺、うちで簡単に作れるらしい。
・薄力粉80g
・白玉粉20g
・上白糖30g
・食紅少々
・水150~180cc
これを泡立て器でダマにならないように混ぜ、あとはサラダ油をひいて丸く焼く。

中に包む餡は自分で小豆を煮るのが一番いいのでしょうが、餡子を使うことが多いわが家は常に漉し餡をストック。それを適当なお大きさに丸めて、焼き上がった生地で包みます。桜餅というからには塩漬けの桜の葉があれば良いのでしょうが、残念ながらそのストックはありません。お正月用の桜茶に使った塩漬けの桜の花びらがあったので、くるんだ餅の上に乗せてみました。苺も少しあったので薄く切って、餡と一緒に挟んで食べると苺大福風の味わいに。自分で作るとアレンジも自在です。


うという次第。
でもやってみて思ったんですけど、今はちょっと調べれば大抵の情報は簡単に入手できる時代。レシピも段階的に用意されていて、私のような面倒なことはせずに、とりあえず作れるレベルの初心者レシピもとても充実しています。この長命寺、皮が焼き上がる時間が全部で20分くらいかかったけど、作業自体はとても簡単。買わなくていいものって意外とあるんだなと今更ながらに知った私でございます。
スナップを効かせて揺するフライパンに長命寺の皮身をひるがへす



