わが家の台所は北向きで、西と北の二方に窓がある。毎年春になると守宮がそれぞれの窓にほとんど毎晩現れ、ガラス越しにその餌を捕る様子がみられる。

最近まで私は守宮は両生類だとばかり思っていたが、実は爬虫類。
鱗もあり、蜥蜴と同様に尻尾を切って敵からのがれるという。ただ再生した尻尾は骨までは再生しないので、元よりも小さくなるとのこと


朝まで居残る守宮
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夜の守宮 餌になる虫が居るとすばやく身をくねらせ捕食する
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残念ながら、ガラスごしに腹側ばかりを見ているので、どんな顔の守宮なのかを知らない。そもそも灯の下などで見る守宮も、顔をしげしげ見たことが無い。
そこで調べてみたら、写真では黒いつぶらな目が可愛い。
しかし守宮の目にはまぶたが無いそうだ。まぶたが変化した一枚のうろこで目は守られ、それを折々に舌でなめて目の掃除をするという。
眠るときはどうするのかが気になったが、それは書かれたものを見つけられなかった。

守宮の寿命は10年くらい。とすると、私が見て来た太った守宮たちは毎年同じ守宮だったのか。
なんだか嬉しくなってしまう。

もう10月も下旬、そろそろ守宮たちも姿を消し冬眠に入るころ。
来年の春に元気でまた来てくれることを楽しみにしている。

  守宮とは家守りと聞けば年どしに厨の窓に来るをよろこぶ  大西晶子




# by minaminouozafk | 2016-10-23 07:00 | Comments(5)

祖母は私が四歳になる前に亡くなった。父が六人兄弟の末っ子だったので一緒に暮らす時間が短かったのは仕方がないことかと思う。その短い間の思い出が薄ぼんやりとではあるがいくつか残っている。

お座敷の畳に少し離れてすわりボールを転がして遊んで、時々に「お上手、お上手」と言って小さな缶からちいさな飴玉をくれたこと。一寸法師の絵本の鬼の絵を見て私が泣くので、鬼の絵に白い紙を貼って本を読んでくれたこと。そして祖母が「お山の大将」の歌を歌うと、私が決まってしくしく泣いたこと。


       お山の大将 おれひとり

       あとから来るもの つきおとせ

       ころげて落ちて またのぼる

       赤い夕日の 丘の上


       子ども四人が 青草に

       あそびつかれて ちりゆけば


       お山の大将 月ひとつ

       あとから来るもの 夜ばかり


西条八十・作詞 本居長世・作曲の童謡だ。「お山の大将」という遊びをしていた子供たちが日も暮れてそれぞれ家に帰ったあとは、お月さまだけが空に残ってあとから来るのは夜の闇だけだという内容の歌詞だ。力強い歌ではなく中盤のメロディーは物悲しい。ただ、私は幼心に後半の歌詞の意味を、残るのは子供の中の一人で家に帰れない事情がある、そしてそれをお月さまが見守っているんだと思っていた。そんな場面が浮かんで涙が溢れた。


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                      《秋の陽射しの公園。ちいさな山がある》




 久しぶりにYouTubeでこの歌を聞いてみた。やはり鼻の奥が少しばかりツンとして、小さなお山のてっぺんに一人残っている子供が見えた。

      五さいまで泣き虫小虫だつたこと知る人ひとり母だけとなり  由利


# by minaminouozafk | 2016-10-22 12:01 | Comments(6)

遺品整理 大野英子

実家に行くたび、亡くなった両親のものを整理しなくてはと思うが、掃除と草取り(これが楽しくて)なかなか手がまわらない。

昔の人!?は、箱や缶を大切に使い廻してる。先日、そんななかのいくつかを開けて見ると、編物や裁縫が好きだった母は、手編みのセーター(首がぢがぢがしたなぁ)、手芸糸、フエルト、色々な端布、毛糸の残りまで仕舞いこんである。
母の晩年は、ほとんど何も出来なかったが、いつかはという思いがあったのだろう。

そんな中に紛れて、出て来たのがこれ。いつ頃か定かではないが、私が作ったもの。
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高二から離れて暮らし、編物を習ったことはないが、遊びで母のフエルトを拝借して作ったなあ。たぶん真ん中のおさげちゃんは母のお手本。
作ったものをカバンに下げるという、可愛いげはなく母に「ほら出来た」と渡していたのだろう。今思えば、何かと優秀な兄へのコンプレックスがあり、褒めて貰いたかったのかもしれない。
微妙な思いと母の技を受け継げなかった後悔に浸りながら、なが~い間、箱のなかにいたこの子たちを殺風景な実家の居間に飾ってみました。
そして、中身を確認した箱を不要と思いつつまた仕舞う私でした。

         押入れの箱、缶のなかうずくまる兄とわれゐてあぁ、と伸びする  英子


# by minaminouozafk | 2016-10-21 07:06 | Comments(6)

前世の私 藤野早苗

4年前、異能のうら若い女性に会うことになった。特に大きな問題を抱えていたわけではないが、日々の歯車が軋んだ感じが続いていた時期で、ちょっとした気分転換にと、友人に勧められたのだ。

その女性は、所謂、「見える」人で、とりわけ、依頼人の前世については、はっきりとしたヴィジョンが見えるということだった。

彼女に見えた私の前世は、「革命家」。前世というのは一つとは限らず、古い魂の場合は何度も転生しているので、いくつかのヴィジョンが見えたらしいのだが、それがほほ、「革命家」。性別や時代、洋の東西が異なっていてもやはり「革命家」。しかも彼女が見たヴィジョンはかなり強烈で、尋問されたり、火炙りになったり、まあ、実に前世の私は波瀾万丈、艱難辛苦を経験してきたようなのだ。「大変でしたね。」、優しく労っていただいたのだが、なんせ、記憶がない。信じるも信じないもなく、ただぼんやりしていると、不意に涙が溢れてきた。悲しいという感情は置き去りにして涙が止まらなくなったのだ。不思議な経験だった。
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さて、転生のたびに、「革命家」であったのならば、今生の私はどんな革命を成せばよいのか。そんな私の問いに対する答えは、「今生はあなたにとって、ご褒美の生です。今までの重すぎる使命から解放され、楽しく生きて下さい。それが今生でのあなたの使命です。」

「ただ、一点。あなたの娘さんはどうしてもあなたの娘として生まれてきたかったみたいです。その理由はあなたの前世と関係しているようですね。」

当時14歳の娘。思春期最中で、私が感じていた軋みの原因はこの子であった。でも、その言葉の本当の意味がわかったのは、その1年後(事の詳細についてはまた後日)。少々特殊な進路選択をした娘であったが、この子を受容し応援するのが、「革命家」としてあるべき姿なのだと、ストンと腑に落ちた。異能の女性はこのことを予見していたのかもしれない。

占いの類いを全否定する人もいる。合理的ではないからだ。それはそうだ。いきなり、あなたの前世は…と言われても困る。しかし、合理的でないからこそ、時に人は救われる。私を苦境から救ってくれたのは、異能の人に告げられた革命家としての前世の私である。


エンドウを修道院で育てつつ司祭メンデル遺伝学成す       早苗




# by minaminouozafk | 2016-10-20 03:16 | Comments(6)

南の魚座って? と聞かれることがある。
この質問にはたぶんに、
ふつうの(単なる)魚座とどう違うの? という意味がこめられている。

う、

と詰まりつつも、ここはなんとかもっともらしいことを言わなければ、
という思いが駈けぬける。

あるときは、こんな内容でとりつくろってしまった。

まず、1匹か2匹か。(この違いは大きい)
「南の魚座」は1匹の魚、ただの「魚座」は2匹の魚によって形づくられている。

次に、黄道十二星座の仲間か否か。(この違いも、星占いの観点から重要である)
「ぼくは魚座です」と3月20日生まれの人が言う。これはありうること。
けれども、誕生日の話をしていて「私は南の魚座です」ということはない(、たぶん)。

最後に、違いばかりでは何だから、と共通点を。

この二つの星座、ともに、秋の夜長をもの思いするみなさまの隣人星である。
秋の宵、「南の魚座」は、南の地平線に近いところに見えている。
(当ブログ月曜日のななみさんが、8月15日に書いていたように、目印は、
1等星のきららかなフォーマルハウト)
2匹の魚の「魚座」はそれよりもっと高いところに見えていて、
いちばん明るいもので4等星とか。都市部の明るさの空ではムリかなあ。

だいたいこんなことを言って、ギリシャ神話のはなしをすると、
みなさんうまくケムにまかれてくれた。
やさしい。

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  全天星座早見の円盤(部分)です。

  10月17日21時の南の空。
   (19日に合わせたつもりが……)

  フォーマルハウトは、

  「アラビア語の「南の魚の口」を意味する語の
  「魚の口」に由来する名」(日本大百科全書)。

  魚の口に、
  水瓶座のみずがめから水が注ぎこんでいます。




  おはいんなさいおはいんなさいとこゑがふる天の赤道仰ぐわたしに



# by minaminouozafk | 2016-10-19 06:54 | Comments(6)

一昨日、16日は「南の魚座 福岡短歌日乗」の決起集会。ブログ開設から2カ月経過してしまいましたが、メンバー6名、専属エンジニアのクリクリさん、そして、創設メンバーの美加さんの夫君ひろりんさんの予定がなかなか合わなかったのです。

場所は中華の「頤和園 天神店」。17時開始。各自、日中の仕事を片付けて集合です。

初対面同士もいるメンバーですが、ブログ上でのやりとりのおかげで、すでに旧知の仲。着席と同時に盛り上がります。お店の心遣いで個室を取っていただいたのがとても良かった。美味しいお料理と飲み物(飲み放題)で賑やかな時間が過ぎてゆきました。

それぞれの近況(仕事、家族、趣味、ペット)や、最近の関心事、話題は尽きませんが、中でもこの機会にブログのことでわからないことを、エンジニア・クリクリさんに聞こうと、質問攻め。クリクリさん、ごめんね。私たち、パソコンのこと、何も知らないんですぅ。これからも次々にクリクリさんを驚かす質問を繰り出してくると思いますが、何卒、お見捨ておきございませぬようお願いいたします。

さらに、ブログの今後について。毎日の更新のせいか、閲覧者数も増え、結構好調な様子の当ブログ。アクセス状況の把握や分析の方法を教わり(クリクリさん、ありがとう)、記事を書きっぱなしにするのではなく、きちんと結果を確認しないとね、ということも話しました。1日1首だから、1年で365首。画像やエッセイも加えて、みんなの本が作れるといいなあという希望的観測も語り合いました。実現できるように頑張りましょう。

頤和園でのタイムリミット2時間をやや過ぎて、同じビルの3階、「Liberty」に移動。(昼間ゴルフに勤しんだひろりん、ここで帰宅。残念。紹興酒、飲み過ぎだって‼︎)アメリカンテイスト溢れる店内でまたひと喋り。美味しいコーヒーをありがとうございました。おばちゃんたち、うるさくてごめんね。

こんな感じで約4時間、宴もたけなわではございましたが、翌日のお仕事もあることですし、次回の集会開催を誓って、決起集会終了となりました。楽しい時間でした。短歌の友人っていいですね。言葉以上のつながりを感じます。また、ぜひ集まりましょうね。


大人とは酒飲んでいいコドモなり中華円卓ぐるぅり回す             早苗


以下、画像が続きます。

Libertyにて
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       メンバー6名とクリクリさん。


頤和園     オマール海老と牛頬肉の煮込みのコース   今月末までです。

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前菜、牛頬肉煮込み、担々麺、デザート、画像がなくて残念。 ボリュームがあって、美味しかったです。




# by minaminouozafk | 2016-10-18 00:49 | Comments(6)

10月も半ば、ようやく、いきなり秋。昨夜は、みなみの魚座の決起集会があり、下関から参加させていただいている私は、初めてのメンバー全員での食事会でした。



とてもとても楽しい充実した時間でした。みなさまのパワーに圧倒されつつも、2カ月続いたブログ…これからも微力ながら頑張ります。ふわふわ優柔不断から少しずつ脱皮できたらと…詳しい会の報告はまた後日に託します。



そういえば、国道沿いの高校の塀につづく原っぱ。まだまだ暑い8月おわり、黄緑色の小さな小さなバッタがいっぱい、早朝の露草のなかでピョコピョコあそんでいた。あの子たちは?と思い再訪してみると、いたいた!大きな枯れ色バッタが。あっちにも、こっちにも。黄緑バッタほど多くはないが、立派な翅をもつ秋色バッタが。



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昆虫というと、幼虫さなぎ成虫 の蝶やカブトムシのドラマチックな完全変態を思う。しかし、バッタは、生まれた時からチビバッタ。柔らかな黄緑色だが、一人前でとても愛しい。


だが、人間のように徐々に大人になるわけではない。大人になるまでに、5回以上も脱皮するらしい。脱皮に失敗すると脚がとれることも。脱皮は痛みをともなうのだろうか。しかし、脱皮のあとはスッキリ気持ち良さそうだ。最後の脱皮で、ようやく翅が伸び空高く飛べるようになる。大人のバッタの特権だ。


このごろ、大人もどきが多い。私もその一人かもしれない。かたちだけの成人式はあるが、年齢不詳、性別不詳が多い。ひと昔まえまでは、元服やお歯黒など通過儀礼は残っていた。脱皮できない人間が考えたある意味脱皮なのかもしれない。


自由であることはたいせつだが、今はそのさきの混沌の時代。私もスパッと脱皮してみたい・・・


枯れ色の飛蝗の跳べり秋空へ最後の脱皮あとの奔放

百留ななみ


# by minaminouozafk | 2016-10-17 06:43 | Comments(7)