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下関へ 藤野早苗

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先週の金曜日、30年来の友人に会いに下関へ。

宵闇に浮き明る下関タワーと観覧車を関門橋から見下ろしながら車を走らせる。なんだかちょっと、テムズ河畔のロンドンアイに似てるなあなんて思いながら。BGMにはボズ・スキャッグスが似合う夕暮れ。

下関は11年暮らした街。妻でも母でもない自分を生きていた街。無防備な若さゆえの蹉跌や屈託、傷つきやすかったあの頃、彼女は私の側でいつも笑ってくれていた。

なおちゃん。
ハワイのスキューバダイビング。石山寺の桜。親不孝通りのマリアクラブ。カラオケの十八番はバービーボーイズ。20代の体力があれば、2、3日寝なくても平気だった。密度の高い日々。

お互い結婚し、出産、育児、介護の年月を経て、ようやく自分の時間が持てるようになった。長い無沙汰を詫びながら、せねばならない積もる話がたんとある。

高速を降りて5分。
約束の場所に着いた。

なおちゃん。
話したいことはたくさんあるけれど、今は、喪服の胸に仕舞っておきます。もっともっとストックしておくから、今度こそ昔みたいにマシンガントークで盛り上がろうね。



なおちゃん。
読経と、立ち込めるお香と、切ない嗚咽と。

なおちゃん。
あなたがいないこの世は寒いよ。



寒稽古最中に倒れいちにちを眠り常世へ発ちたり君は

うつしよの桜は芽鱗の睦月尽 君が浄土の花いかならむ


弔問の生徒千人過ぎてなほ焼香台に人波尽きず


まはだかのたましひとなり会はむ日のいつとは知らね神ならぬ身は




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by minaminouozafk | 2017-01-31 01:20 | Comments(7)

やどり木  百留ななみ


  この冬一番の大雪の中国山地。雪見に温泉へ行こう!と中国道を走る。徐々に路側帯に積み上げられた雪は高くなり山々も白くきらめく。 

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  戸河内インターを降り深入山方面、北へと進む。もう20年も前。幼い息子たちと何度も夏休みに登った山だ。見晴らしも良く、トレッキング初心者でもらくらく登れる。標高1153メートルの草原にはマツムシソウ、カワラナデシコ、ワレモコウなどの花畑でもあった。なつかしい。












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 たしかに、駐車場は同じなのだが、一面まっ白。スタッドレスタイヤだが、雪道初心者はゆるゆるすすむ。車外にでると空気は冷んやり。わくわく、すぐに掌サイズの雪だるま作り。建物には大きな氷柱がならんでいる。雪遊びのファミリーでにぎわっているが、雪の量は半端ない。それも新雪。すぐに膝を超える積雪でブーツのわたしは2歩でリタイヤ-。スノーシューが必須。




    とりあえず眺めるだけの雪景色。高木の裸木の梢。あらあら鳥の巣がいっぱい。何の鳥の巣だろう。よく見るとあの木もこの木も。鳥の巣だらけ。

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是非とも鳥の名前をと、帰宅してネット検索するがなかなか判らない。写真検索をすると似たような写真。とうとう判りました。これは、鳥の巣ではなく、ヤドリギ。やどり木は植物。名前は知ってはいるが・・・


ヤドリギとは広葉落葉樹に寄生する半寄生植物。自分で光合成もするから半寄生。夏は緑の葉っぱに埋もれている。落葉した冬にその姿をあらわにする。


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ヨーロッパ、特にケルン民族はヤドリギでクリスマスの飾りを作るらしい。そして、その下で出会った二人はキスをしなければならないというロマンチックな言い伝えもある。


そういえば源氏物語も第49帖は宿木の巻である。

 「 やどりきと思ひ出でずは木のもとの旅寝もいかにさびしからまし」

 「 荒れ果つる朽木のもとをやどりきと思ひおきけるほどのかなしさ」

しかし、ここでの やどりき は 蔦のようだ。


なんとも不思議な高処に育つ球状のやどり木。成長は1年に1節だけ。翌年はその先から2つの葉が育つ。つまり二股分枝を繰り返すことに拠って、年数がたつと樹形は球状となるらしい。


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「あしひきの山の木末(こぬれ)の寄生(ほよ)取りて挿頭(かざ)しつらくは千年寿(ほ)くとぞ    万葉集 大伴家持 」

寄生(ほよ・ほや)はヤドリギの古名とある。家持も髪にヤドリギを挿して長寿を願ったのだろう。手が届く高さにあったのだろう。


裸木の高処のヤドリギは手に取ることはできない。もうすぐ実がなる頃、鳥たちが集まってくる。あんなに高いところで生まれそのまま一生を過ごすヤドリギ。人生観?木生観は崇高なのか。羨ましいような。いろんな一生があるのですね。



裸木の高処に生れしやどり木は宙に(あゆ)みてけり

ななみ


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by minaminouozafk | 2017-01-30 07:46 | Comments(6)

宗像市に、白アリ駆除の会社「サニックス」が作った<グローバルアリーナ>というスポーツ施設がある。

サッカー・ラグビ―の試合用のグラウンド、ジム、ヨガ・テニスなどの教室・コート、レストラン、宿泊施設などもあり一般の人も使える。合宿や研修にもよく使われているらしい。

サッカーやラグビーのユースの試合も頻繁に行われているようだ。


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わたしが時々利用するのはパン屋兼カフェの〈グリーングラス〉。デニッシュやサンドイッチが美味しい。母が元気だった頃にはよくここでお昼やお八つを食べた、娘達が帰省したときには一緒にお茶を飲みに来ることもある。

このカフェは周囲の芝生のみどりが気持ち良く、春秋には戸が明け放たれてオープンカフェの気分が味わえるが、さすがに小雪の散る今日は人気がすくない。



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今日は昼食用のサンドイッチとデニッシュ、塩パンを買い、熱いコーヒーを一杯飲んで帰る。

写真の三日月型の塩パンは噛む端からバターが溶け出して美味しい。




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帰りがけにラグビー場の観覧席の一番高い場所まで登ってみた。

コートの広さを実感する。スケジュール表によれば、4月にはサッカーやラグビーの若い選手たちが活躍する姿が見られるはず。敷地内の多数の桜が咲くのも楽しみだ。


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         わきに抱くパンが匂へりひとけなきラグビー場の階のぼるとき  A




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by minaminouozafk | 2017-01-29 07:49 | Comments(6)

ぬか床生活  栗山由利

「私、ぬか床持ってます。」の一言が「うぬっ、お主、出来る主婦だな!」に繋がるかは不明だが…。実は、我が家の台所のシンクの下には大切なぬか床が収まっている。私の手柄のように聞こえるが、タネを明かせば熟成したぬか床を分けてもらい育てているのである。

福岡に帰ってきた当初から、「ぬか床 千束」というお店が気にはなり、たまにカルチャーで単発の講座が開かれているのを知っていたので、去年ちょうど休みと重なったのを機に、早速その講座に申し込んでみた。会場には私のようにぬか床を持つのは初めての人から、何度も作ったことがある人など30名ほどの同年代の受講者がおり、男性も一人受講していた。


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店主の下田さんのお話で、これまで難しいと思っていたぬか床のお世話も私でも出来ると分かり俄然やる気が出てきた。一日に一度はしっかり混ぜなさいとか、表面に出来た白いものは取り除きなさいとか、水が出たら抜きなさいとかそんな面倒なことは一切なく、あまり可愛がりすぎないように、でも愛情は大切ですという事であった。漬けることが出来る野菜もポピュラーな胡瓜、大根、茄子から、パプリカ、れんこん、里芋、ズッキーニ等まで、下処理のあく抜きさえきちんとすれば大丈夫だそうだ。

一汁三菜の副々菜を、ぬか漬けにしてサラダ感覚で食べましょうというお話で、腸内フローラが大事と聞くが、いまわが家は日本古来の発酵食品のぬか漬けが食卓にのるようになった。主婦歴35年目でやっとである。


ぬか床にあとは任せていちにちの仕事じまひのお湯割りを呑む 由利




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by minaminouozafk | 2017-01-28 11:43 | Comments(6)


能や狂言、一度は見たいと憧れていました。
でも、お値段が・・・

そんな私に知り合いの方から朗報が。
能の〈季風会二十周年記念の会〉入場無料!!が大濠能楽堂で行われるのです。
ひと演目だけでもと、もちろん万障繰り合わせ、行って来ました。

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私が選んだ演目は観世流、菊慈(きくじ)(どう)

ちゃんと勉強して行きました。
〈中国 三国志の頃。長いあいだ続いていた政治の混乱をおさめ、魏王朝をうち建てた皇帝・文帝の時代。帝は(れっ)縣山(けんざん)の麓から薬の水が湧き出たと聞き、その水源を尋ねさせるために勅使を派遣します。そして、勅使二人は山中の一軒の庵で一人の童子と出会います〉

はい、ここ見所でした。
中央に運び出されていた慈童の庵をあらわす作り物の布が外され、童子の面にきらびやかな衣装の人間国宝、梅若玄祥氏が登場!
〈童子は、七百年も昔の周の(ぼく)(おう)に仕えていた「慈童」という名の童子だと名乗る。驚く勅使に、証拠として王から賜った法華経の妙文が書き添えられた枕を見せる。
この妙文を菊の葉に書き写すと、滴る雫は、かぐわしい香りを漂わせ薬の水は酒と変じ、川となって流れゆく。慈老不死の霊薬と変じた水の霊力をたたえ、帝の長寿を言祝いで舞います〉

ここは長いお謡と囃子が中心ですが、生で聴くと素晴らしい!
洋楽のハーモニーとは違う、丹田に直接響いて来るような謡。リズムを取る笛の音色、掛け声で間合いを取りながらリードして行く太鼓(唯一女性の方でした)、柔らかいけれど変幻自在な魔力を持つような小鼓、対照的に竹が打ち合うような澄んだ高い音色の大鼓。

    あたらしく冬きたりけり鞭のごと幹ひびき合ひ竹群はあり
                  宮柊二『日本晩歌』
を、ふと思い出していました。

そして、ほろ酔い気分で帰ってゆく最後の見せ場、慈童が楽を舞いつつ橋掛かりを通り揚幕と呼ばれる五色の幕の中へと消えて行きます。タメイキ・・・
全くの初心者の勝手な感想でごめんなさい。

ついでに得たトリビアを。
本作品は、現在では一場物として演じられていますが、昔は二場物として演じられていたようです。その、現在上演されない前場は、〈周の穆王の治世。穆王に仕えていた慈童は、王の寵愛を一身に受けていたが、誤って王の枕を跨いでしまった。死刑に値する重罪だったが穆王の温情で流罪、形見にと枕を渡され、中国の西の奥地・酈縣山へと流される〉という、ストーリー。

慈童が穆王から伝えられ、のちに魏の文帝に伝えた妙文は、もとは穆王が釈迦から直接に授けられた、国を治める秘密のことばだった。この妙文を慈童から伝えられた魏の文帝は、不老長寿を願って菊の酒を愛で遊宴を創始したといい、それが九月九日の「重陽の節句(菊の節句)」の起源、菊の盃に長寿を祝う、秋の遊宴にまつわる物語となっているようです。

本来は、松の内が過ぎると外される舞台の上の注連縄も今日の祝賀能のために付けたままにされていたそうです。
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ロビーに展示してありました。全部入らなくてごめんなさい。
〈四つの演奏から構成され、囃子には西洋音楽のように譜面はなく、他の演奏者と息を合わせ、全体の調和を作り上げる〉とありました。何となく納得。その美しさに暫く見入っていました。
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大濠公園からの夕日。夕日から伸びる飛行機雲が美しかった。
しかし、歌会のない休日は、人との会話が極端に少ない。会話の無い日もある。
この日の会話は、この会を紹介してくださった知人と、帰りは人波でご挨拶もできないまま、開演前に短く交したことと、会場受付の方にブログアップの許可を頂いただけ。

帰路、買い物を済ませた後、そんなことをお手洗いで鏡の中の自分と向き合って思っていた。
そして、隣のクリーンドライに視線を移し身体を移動、ふと顔をあげると鏡はなく真っ白な壁。一瞬自分が消えてしまったと思って、慌てた。
慈童も七百年の間にこんな寂しい思いも湧いたのではと、おめでたい演目だったのに、思いはあらぬ方向に流れる私でした・・・

それでも、帰宅後には紹介して下さった方からお電話を頂き、能の興奮を語り合い、少し自分の存在を取り戻せた思いでした。
本当に貴重な一日をありがとうございました。

    竹群に迷ひこみたるわれを呼ぶ細き笛の音、遠きゆふかげ

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おまけの大濠公園の小流れ。記念撮影の人に囲まれ、少し腰が引けている青鷺くん
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by minaminouozafk | 2017-01-27 07:43 | Comments(5)

寒くなると恋しくなる飲み物がある。

甘くて、異国の香りがして、ぽかぽかと暖まる……チャイ!

普段はコーヒー党だけれど、冬の夜はやっぱりチャイがいい。

大学生の時に、喫茶店でバイトしていたトモダチが作ってくれたのがチャイとの出会い。紅茶を少量のお湯で煮出して、牛乳を加え、

ナツメグとジンジャーとシナモンを3・2・1の割合で入れて

(アバウトな私はその回数ほどさっさかと振りかけて作っている)

砂糖をたっぷり加えると、できあがり。

ナツメグとシナモンの甘い香りがふわんと立ち上って、なんとも言えない幸せな気分になる。

最近は電子レンジで作るチャイバッグを買うこともあるけれど、(おいしいけれど)

トモダチのチャイがやっぱり落ち着く。牛乳が温まるまでの短い時間に学生時代の友人たちの顔や声がちらりと思い出されるのもいいのかもしれない。

気がつくと、あの頃の先生方と同じか、それを越えた年齢となってしまった。昔、母が「気持ちは高校の頃とあまり変わっていないのに」と言ったことがあったけれど、今ならわかる…。寒い夜には、やっぱりチャイが美味しい。


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チャイのことを書こうと思い立った時、そういえば肉桂(シナモン)の木を植えていたのだと思い出した。苗をいただいたのだが、土地にあったのかるみる大きく育った。

根元を花壇にしているので、植えかえるときなど根に触れると甘い独特の香りがする。

葉っぱは囓ると甘く、芳香が鼻をくすぐる。乾燥させてお茶にしても良いそうだ。

乾かして、今度チャイに入れてみようか。

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異国の香ほのほのとするチャイを飲む山を眠らせ雪降る夜は  千登世


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by minaminouozafk | 2017-01-26 05:46 | Comments(7)

かつて天地が闇に覆われたことがありました。そう、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れてしまったときのことです。困り果てた神々は、智慧の神、思金神(おもいかねのかみ)に考えさせて、なんとか、アマテラスをひき出そうとします。

この一幕、オモイカネの立てた作戦は、シンプルかつユニーク。見どころは、何といっても、天宇受売命(あめのうずめのみこと)の舞踊の場面でしょう。アメノウズメの艶なる所作に、岩戸の外の神々みな、たいそうなお喜びよう――。

それはそれとして、今は、その一幕のオープニングに注目しようと思います。実はこのドタバタ劇のはじめにオモイカネが考えたことは、常世の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせ、夜明けを告げさせることだったのです。

長鳴鳥すなわちニワトリ。

この記録は、古くから、ニワトリの夜明けを告げる報晨の性質が神聖視されていたことを教えてくれます。闇を払い、太陽を迎える霊鳥です。

ところで、これまで当ブログ、のべ何羽のニワトリを迎えたでしょうか。めでたや。ちょっと増やしておきましょう。

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 裏庭ににはとり小屋があつたころ風は鼬のしつぽのやうで


記事をさかのぼってみると、種々の鳥の飛来に恵まれたことに気づきます。昨日の愛くるしい尉鶲の御嬢さんも健やかな朝をさえずっているに違いありません。



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by minaminouozafk | 2017-01-25 06:30 | Comments(5)

尉鶲 藤野早苗

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(マンション階段ホールにある窓)

福岡も積雪の昨日。夕方5時、娘を迎えに行こうと、玄関を出ると大きな音がする。

うちのマンションは3階建てで、棟内に階段がある。その階段は横方向へは伸びず、1つの階段入口からは2階、3階の各一戸にしか行けない構造になっている。ホールのようなその空間での音の反響は半端ない。

その音の正体は…
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尉鶲。
日本で越冬するこう鳥で、胸から腹が朱を帯びているのが特徴。ヒタキは火焚き。その朱に因んだ命名である。雄は背が青く、雌は茶色。自然界で美しいのは大抵雄。本日の賓客は尉鶲のお嬢さんだったようだ。

鴻の巣山の麓にあるこのマンション、実はこんなふうに迷い込む鳥が結構いる。雀、鵯、大きいところでは山鳩。可愛いらしい目白もいたが、弱っていたらしくそのまま息を引き取ったので、天人唐草の野原に埋葬した。

どうも鳥には、ガラスが理解できないらしい。外へ出たい一心で、そこを突き抜けようと何度も窓に突進する。階段ホールに響いていたのは、尉鶲が窓ガラスに激突する音だったのだ。

このままではまずい。何とか外に放ってやらないと。窓枠に止まっている鳥に怖る怖る近づいてみる。至近距離になってもじっとして動かない。脳震盪を起こしているのかもしれない。

このままそっと捕まえて、と思ったが、ふと、人間に触れられた野鳥は、その匂いのために群れから弾かれるという話を思い出し、直接触るのは控えることに。ハンカチを取り出し、尉鶲を優しくくるむように捕まえた。
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ハンカチを通して伝わる尉鶲の柔らかさと温かさ。黒い粒らな眼が可愛い。名残惜しいが、仕方ない。そのまま、窓から外へと放つ。一瞬の逡巡の後、尉鶲は冬の夕空へ紛れていった。


思いがけない素敵な出会いだった。今年は酉年。あの尉鶲が福鳥だったら嬉しい。

ああ、いけない。娘を迎えに行かなければ。この間、ほんの5分。


ハンカチに包む身体の温かさ胸に火を焚く鳥ゆゑならむ

この窓を出でたるのちの鳥の視野あなはろばろと冬野を臨め



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雪の積もったマンションの庭園広場と裸木の桜。
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鴻の巣山展望台から臨む福岡市内。
天神から2キロくらいなのに、自然環境豊かです。



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by minaminouozafk | 2017-01-24 00:30 | Comments(7)

阿茶さん  百留ななみ


母方の祖父はエンジニアだったが、絵画や陶芸と趣味も広く、几帳面な性格。自分で行って調べた神社仏閣の資料や写真、スケッチなどもスクラップブックに何冊もまとめ、自作の俳句も和紙と糸で自ら製本していた。


人形も好きで、母が生まれた時には、繊細な市松人形を作ってもらったという。80年以上たったいまも、かなり色褪せたがとても美しい。私はそれほどでもなかったが、二男はとても怖がって客間に一人で夜は入れなかった人形だ。


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人形のなかには民芸品と憶測されるが、何処の誰が作ったのか不明なものが多い。父母の家にあるもののなか、母はその時にふさわしいものを玄関に飾る。今年は酉年だからと腕に大きなニワトリを抱いた土人形。ほんやかな表情がとてもいい。


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ブログを始めてネットで調べることが多くなった。土人形・民芸品・鶏・写真とかいろいろ入力して検索してみると・・・ありました~!!同じ土人形の写真が。古賀人形「阿茶さん」とある。アチャさんはあちらの方、外国人のことらしい。唐人屋敷(長崎)でシャモを飼って楽しんでいたことから、シャモを抱いた姿を描写したものだ。古賀人形は京都の伏見人形の流れ。長崎という文化を反映した異国情緒ゆたかな民芸品。色使いも綺麗。


大小ふたつの張り子の赤い人形は高松の「デコさん」とわかった。



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私と60歳違いだった祖父の時代には予想だにしなかったネット社会。


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80年以上前の市松人形。それを修理、新しい衣装・小物の作製などもしてくれるところをネットで発見。人形の着物の柄は人形に合わせた小さい鶴、帯締め、小物まで本当に美しい。新調したい気もするが、かなりの高額。それに今のを処分するのは忍びない。とりあえず、そのままガラスケースにもどした。


矮鶏を抱く四頭身の「阿茶さん」の土の匂ひと色の温とさ

ななみ


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by minaminouozafk | 2017-01-23 07:40 | Comments(7)

このところ毎年12月に市民検診を受けている。

昨年も12月に基礎検診、肺がん、胃がん、大腸がん、子宮がんの検診を受けた。
結果が送られて来るのはおよそ
40日後、先週末に郵送されてきた。

胃がん検診に「異常あり」とある。
どこかで胃カメラの検査を受けなければならない、気にしながら先延ばしにはしたくない。
夫の知り合いの病院で
18日には胃カメラの検査を受けられることになった。

初めての病院での初めての検査、当然だけど一人で行く。

待合室でしばらく待った後、医師の問診に続き、検査室で麻酔を咽喉にスプレーされ、胃の動きをとめる薬を注射される。

その後、よだれかけとマウスピースをつけ横になると、口から胃カメラが有無を言わせずという感じで入って来る。

「えずかないで」、「力を抜いて楽にして」と言われても、体が自分の思う通りにはなってくれない。どうすれば力が抜けるのか、えずかずにいられるか、苦しくって分からない。
混乱状態で転がっているより仕方が無い。
牛蒡天になったみたいだ。

しばらくして深呼吸をすると力が抜けることが分かって来た。

カメラは胃に達し、そのあと十二指腸、また胃でUターンして抜かれた。その間15分か20分くらいだったと思うが、何と長かったことか。

ヨレヨレで検査室を出て来た。


また20分ほど待って、結果を聞く。

治療が必要な病変は無いとのこと、先生が「良かったですね」と言って下さった。
しかしピロリ菌が検出されたとのことで、ピロリ菌退治の処方箋を頂いて、無事に病院を出る。

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                貰って来た胃カメラの写真とピロリ菌除去の薬。


今回は問題がなくて有難たかったけれど、「腹も身の内」大切にしなくっちゃと思う。

力の抜き方も少し分かったことだし、今後は胃カメラの検査を毎年受けることにしよう。

ヨレヨレのまま家まで戻ってきたら、急にお腹が空いていることに気がついた。
どうしてか、無性に青野菜が食べたかった。

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              夫が作っている水菜(まだ食べるには早い)



      

    胃カメラを拒みて喉が痙攣す楽にせよとてできるわけなく
    力抜くことがこんなに難しいわが身なれども意のままにならず  晶子




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by minaminouozafk | 2017-01-22 07:00 | Comments(7)