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お蔭さまで、「水城」273号を発行することができました。

会員みなのしなやかな連携の、またひとつの結実です。



本号では、前号の有中房子さんの巻頭詠に対する評を、水上比呂美さんにご執筆いただくことができました。

全10首を言葉の織物のように読み解く手際の鮮やかさは、解釈という観点から、また批評のあり方という観点から、会員それぞれの大きな糧となることでしょう。何度でも読み返したい評です。ありがとうございます。



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令和になり初めての「水城」。

何か楽しいことを、と考え、「宮柊二歌集を読む」という頁を作りました。連載ものです。本号のあとがきに書いたことをそのまま引用します。



本号より、「水城」会員の柊二を考える場として、「宮柊二歌集を読む」の連載をはじめました。まずは『群鶏』です。一首につき三人が担当します。リレー式で、一番手が書いたファイルを二番手に回します。三番手が書くときには、二つの文章が手元にあることになります。小題一つに対して一首を取り上げることとし、どの歌を対象とするかは、第一の書き手にゆだねることにしました。全ての小題にあたっていくというのですから、のんきなことです。気長にお付き合いいただければ幸いです。



まだまだ手探りです。いつまでたっても手探りかもしれませんが、それもまた、ひとつの形でしょう。すでに274号のファイルが回っています。



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    こは釦きのこに見えて白ぼたん梅雨の月夜に見つけたもの



梅雨の気をまとって勢いづくものたちの世界に出遭いました。



縁あって「水城」をお読みくださる皆様、心よりありがとうございます。



# by minaminouozafk | 2019-07-24 05:59 | Comments(0)

 これ、なーんだ?

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 うん、そう、ヒラメ。

 何に使うかわかりますか?

 これ、実は、ブックマーク。つまり、栞です。

 こう使います。

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今、大切に読んでいる一冊、
『河野裕子 息子が読み解く「河野裕子50首」。
これ、おすすめ。
今度、書評書きます。



 これを作ったのは、天才アーティスト玄ちゃんこと、柴田玄一郎さん。不登校当事者及びその家族を支援するボランティア活動を通じて知り合いました。玄ちゃんのプロフィールは色々。一つのカテゴリーに収まりきれない玄ちゃんが目指しているのは、みんなが人生を有意義に過ごせる社会をデザインすること。


 障がいがあっても、挫折したことがあっても、でもみんな幸せに生きられる、そんな社会の実現を、アートそしてデザインを通して目指していこうというのが、アーティスト玄ちゃんの生き方なのです。


 このヒラメさん、実はスチール製。極限まで薄くしたことで、紙製のように見えますが、しっとりとたなごころを押し返す重みがあります。こんなに薄いのに、頭、背鰭、胸鰭、尾鰭の縁はやさしく処理されていて、誤って指を切ってしまったなどということはありません。ブックマークする際のキモ、背骨のその先端部分もきちんと丸くなっています。パンチングしただけのデザインなのに、愛嬌がある顔と、バランスのいいボディ。奇を衒うのがデザインではない、安心して長く付き合えるものを生み出すのがデザインなのだとしみじみ思います。


 あれ、ひっくり返して使ったら、これ、カレイだよね。

 こういうやらかい発想、好きなんだよね。


 アーティスト玄ちゃん、今月いっぱいはIMS、3Fのアートスペースに常駐の予定。面白い話が聞けるから、みなさまぜひお出かけ下さい。

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北海道産センの木の一枚板とスチールの組み合わせのテーブル。
スタイリッシュで、あたたかい。
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サイドテーブルいろいろ。
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博多織とスチールのオブジェ。
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スチール製の椅子。
可愛い。


  いちにちの栞と玻璃の急須より水出し煎茶をほそく注ぎぬ

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玄ちゃんと。
実物はもっともっとさわやか。(笑)。

  


# by minaminouozafk | 2019-07-23 00:30 | Comments(1)

梅雨の紅葉 百留ななみ


下関の雨はそれほどではなかったが、土曜日は五島、対馬、日曜は久留米、朝倉のあたりには線状降水帯でたいへんな豪雨だった。週明けもはっきりしない天気。湿度は90%近く。そろそろ梅雨の終わりだろうか。


いつもの忌宮神社の石段をのぼる。すぐ左手の桜の木。葉桜まっさかりなのだが真ん中あたりが赤い。なぜか1本だけ、そのほんの一部の葉っぱが紅葉している。


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もう夏の終わりと勘違いしたのだろう。そういえば5月の終わりのころ30度近い暑さが続き、そのまま梅雨入りしないで晴れの天気。そして先週は肌寒い日もあった。ちょっと恥ずかしそうなそそっかしい数枚。


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今までも台風のあとの返り花とかは見たことはあるが7月の紅葉ははじめてだ。



亀山能の教室はまだ数回だが、五十五の手習い。記憶力、理解力をちょっとでも補えればといろいろな本をひろげてみる。謡本は教科書。まずは鶴亀から。和綴じの筆書きのものだが、実に細々と符号の書込みがあって、そのとおりにすればよいのだか、それは今の私にはまったくの不可能。しかし、その簡潔な表記に感心しきり。まず第一声が不安。たくさんの符号もわかるのはほんの一部。せっかくなので恥ずかしがらずにとりあえず大きな声をだす。間違えがはっきりするので、しっかり教えていただける。このある種の厚かましさは年をかさねた故だろう。



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仕舞のお稽古はひとりずつだ。「紅葉狩り」演じる先輩がいる。「紅葉狩り」とは、紅葉狩りをしていた女たちに呼び止められた平維茂がもてなしの酒に酔って美しい舞をながめつつ眠る。その夢の中に武内の神があらわれて女たちは鬼神であることを告げ、太刀を置いていく。目を覚ました維茂はその太刀で鬼神を退治する。という内容。けっこうおどろおどろしい。梅雨の紅葉をながめつつ、その向こうに鬼神を思い浮かべてしまう。このごろの異常気象もしかり。



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仕舞の大まかな動きは朱でかいてある。あとは先生の御指導のもと見取り稽古。


初心者向けの老松の最後の三行ほどの仕舞。三行がまだまだまだだ。老松は北野天満宮で夢のお告げを聞いて太宰府に参詣するお話。告げを知らする松風も梅も。梅は太宰府の飛梅。なんとなく令和にもつながってうれしい。秋に向けて子どもたちに混じって鶴亀の稽古もあるようだ。ちょっとドキドキだが、記憶力・パワーをたくさん吸収できたらと思う。春はさくら秋はもみじの四季の移ろい、これからもずっと続いてほしい。もう夏休みだが境内の蝉の声はまだうるさいほどではない。猛暑もたいへんだが、ちょっと太陽が待ち遠しい。




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つゆぞらのさくらもみぢ葉きらきらし熊蝉の声ひびくさくら木












# by minaminouozafk | 2019-07-22 07:39 | Comments(7)

向日葵 大西晶子

今十本の向日葵が庭に咲いている。向日葵は大きな花のような頭状花序にひらひらした舌状花と,花芯の様に見える部分の筒状花が集まってできている。開花したと見えるのは舌状花が開いたときだ。

一昨年の7月と8月に宗像市の正助村の向日葵畑のことを当ブログで書いた、20種類を越える向日葵とその名前を楽しんだと。

〈ひまわり〉と言えばやはりゴッホの絵を連想するが、その絵の向日葵は多種多様であるように見える。特に筒状花の色が緑、黄から黄土色、茶色までさまざまで、その並び方も渦状、同心円と一つではない。ゴッホは何種類もの向日葵を描いたのだろうか、それが不思議だった。

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庭にひまわりを植えたのは今年で4,5回目だ。去年までは庭の端に植え、あまり近くで見ることもなかった。しかし今年は大きい鉢に植え、座敷の前に4本ほど置いたので、雨戸を開け締めするたびに目に入いる。また夫に頼まれ、川崎とドバイにすむ娘たちに毎日写真を撮り「今日のひまわり」と題を付けて送ったのでその変化をよく見ることができた。

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  7月15日


その結果分ったことが二つある。

一つはひまわりの頭状花序は舌状花が開いた後も、日に日に大きくなるということ。

もう一つは筒状花の色が変化し、最初は黄緑や黄色なのが黄土色になり茶色になり褐色になるということ。

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  7月17日



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                    7月20日


ゴッホの絵に描かれた向日葵が単一の種類だったとは決めつけられないが、成長の過程で色や並び方の異なる筒状花が、違う種類の花に見えるような状態だったと思えば謎は解ける。ゴッホの向日葵の絵の謎が解けたとおもい嬉しくなった。


その後で娘たちからメールが来た。小学校で向日葵の観察をしたのだそうで、種のできる順番までちゃんと知っていた。私がこの歳になって初めて知った向日葵の成長の知識は、この辺りでは小学生でも知っていることだったらしい。


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ひまはりの大き花束かかへ持ち画室へ急ぎけんアルルのゴッホ



# by minaminouozafk | 2019-07-21 16:25 | Comments(7)

 財布の中でけっこうな場所を占めながら、さほど出番がないものにいろんな店のポイントカードがある。買い物をすれば、おおかたの店で「ポイントカードはお持ちですか?お作りしましょうか?」と聞かれ、適当に「そうですね、お願いします。」などと言うものだから、いつの間にかじわじわと増えていってしまうのである。

 しかし、たまに整理をすると有効期限が切れたもの、そもそもどこにある店かさえ忘れたようなものばかりで、これまで利用したものと言えば、デパ地下のお茶屋さんといつも行くスーパーくらいである。そんな訳でポイントとかそのサービスとかには全くと言っていいほど無頓着だったのだ。


 ところが、夫はある一種類のポイントに対して、とてもこまかくチェックを入れている。それはマイレージのサービスで、常日頃から私に今どれくらい貯まっているのかと聞いてくる。家族のポイントを合算して利用しようという魂胆なのだ。実際に彼は自分のマイレージだけで5回ほど中国に行っている。早くしないと期限が切れるとせつかれても、私のマイレージを使って一人だけ甘い汁を吸われるのはちょっと合点がいかないと思い、適当に返事をしていた。最近は、それに加えてクレジットカードのポイントからマイレージへのポイント交換についても多分溜まっているはずと言いだしたので、しぶしぶ重い腰を上げてみたのだった。実は息子がいる北海道に40回近く行ったのにその分のマイレージを一度も使ったことがなかったのも、勿体無いと言われていたのだ。


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<上海 豫園の龍壁>


 すると、驚いたことに合算すると結構なマイレージが貯まっていたのである。もしかすると、これは二人分あるかもしれないと調べたところ時期によっては上海往復二人分が賄えることがわかったのだ。思わず、ガッツポーズが出たのは言うまでもない。と、なると気持ちはすぐに上海である。もう、外灘と豫園は行かなくていいよねー、南京路あたりをぶらぶらするかなー、少し足をのばして水郷の西塘古鎮までいってみようかなーとネット上での旅は始まっている。


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 いろんな大会などが一段落した11月頃がねらい目だろうか。上海蟹の旬もこのころだ。もう少しで中国語もテキスト一冊が終わるので、あとは息子と夫を巻き込んで特訓するしかないだろう。


 がぜんやる気がでてきた今日この頃です。


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<地方都市の露店>



   喧騒はのみこまれまた喧騒となりてふくらむ上海の街


# by minaminouozafk | 2019-07-20 10:50 | Comments(6)

雨が少ない梅雨。きのうようやくまとまった雨が降ったが、いきなり市内にまで避難勧告や警戒が出る大雨。降ってくれるのは有難いが、ほどほどにね、と祈るばかり。

さて、これまで、グリーン系やオレンジなど明るい色は好きだったが、赤は身につけたことが無かった。先日、A4ファイルが入るカバンがくたびれている事に気付き、新しいものを探した。


 ふと目に着いたのが、外側に大きなポケットがふたつ付いた革製。思ったより軽く、なにより、斜め掛け、肩掛け、手持ちとスリーウェイに持ち分けられるのが気に入った。色を迷ったが、たまには遊びごころがある赤も良いかと選んだ。

 数日後、前から探していたサマーカーデガンの思い描いていた形に出会った。先ず、値段が大切。色は淡いグリーン系、ベージュ等は、持っている色。思い切って選んだのが赤。

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思いがけず、赤が揃ってしまった。

これでは、還暦の赤いちゃんちゃんこだわ、とおもいつつ、梅の味の時にも書いたが、昨年一年間を何となくぼんやりと晴れない気持ちのままに過ごしてしまった事を考えた。

 改めて思い返すと、急に体力の衰えも感じ、あちこちの不調も顕著化した60歳という年齢を受け入れがたかったのだと思う。内面葛藤を繰り返す、ちょっとした鬱状態で、洋服の購買意欲も消え失せ、ブログもその場しのぎの有り体で済ませていた思いがある(じゃあ、今はどうだと責めないで)

一年が過ぎ、もう受け入れるしかないという開き直りのこころが選んだ二品だったのかも知れない。

還暦のやり直し~と、前向きに生きようと思った矢先、風邪でダウンした。何年振りだろう。今月は選歌が休みの気の緩みと、色んなことがひと段落ついて気が抜けたのかもしれない。仕事には無理して行っているが、第一週の週末はひたすら寝た。こんなに眠れるのかと思うくらい寝た。しかし、一日寝て治るほどの若さはなく、それから二週間、しつこい咳が残った。

もしかして、三度目の喘息かもと思い病院へ。喘息以外にも疑わしい検査結果が出て、当分は薬漬けの日々を送りつつ、症状も少しずつ改善している。

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ベランダに出ると松葉牡丹の第一号が開花していた。

       かたちからなのか気持ちが先なのか判らぬままの赤いくさぐさ


# by minaminouozafk | 2019-07-19 06:35 | Comments(6)

オリヅルランに蕾がついて咲き初めた。7月も中旬となり、本格的な夏が始まりそうだ。

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もう30年以上も前のこと、確か就職してしばらくしての頃だった。仕事の関係で松谷みよ子さんの講演を聞く機会があった。松谷みよ子さんと言えば、民話をモチーフにした『龍の子太郎』の物語を子どもの頃に読んで、貧しさ故に龍となってしまった母の物語の、沁みるような哀しみが殊に心に残っていた。児童文学者として、絵本作家としても有名で、直接お話を聞いて話ができることを楽しみにしていた。

その日は『ぼうさまになったからす』と『まちんと』の2冊の絵本についてのお話だった。

すこし むかし / からすが / たくさん いる /村が あった /

山にも / たんぼにも / りんごえんにも /

そりゃあ いっぱい / からすが いた

で始まる『ぼうさまになったカラス』は信州上田に民俗採訪に訪れた時に聞いた烏の話がもとになっているということだった。


 戦争が続いて村中の男たちが戦場へ行ったある村。気づくとたくさんいたからすがいなくなってしまっていた。不思議がる村人にひとりのばあさまが言う。からすたちは海を越えて、坊様となって弔いにいったと。


 絵を描いた司修氏が高野山で自転車に乗ったお坊さんたちの姿から、烏がぼうさまに変身する姿をつかんだというエピソードなど絵本のできあがる背景とともに語られたお話は若かった心に刻まれて今でも絵本を捲るたびに思い出される。


 もう一冊の『まちんと』は広島で原爆に遭った女の子の物語。2冊とも「絵本平和のために」というシリーズの作品で、講演が終わると直ぐに買い求めた。

 

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 戦争の話をきいてくる宿題が出たというので、小学生のむすめに、指が痛くなったよというまで書き取らせました。それなのに不満そうなのです。じれているのです。

みんなおなじ話をする。食べるものがなかったこと。爆弾が落ちてこわかったこと、それはわかったんだけど……なんだかちがう、というのです。

はっと気がつきました。戦争を語りつぐということは説明することではないのだと。
 …… 〈後略〉

絵本のカバーの《作者のことば》からは、説明でなく実感の重みによって子どもたちに語り次ぐ-どう届けるかということを大切にした作者の思いが伝わってくる。


 お話の終わりに語られたことが忘れられない。第三刷から絵本に「からすよ二度と……」という言葉を加えたという。逡巡して考えた末に加えられたという。私の持つ絵本の真っ白な最終ページにもその言葉が記されている。


 戦後74年目の夏がやってくる。平和が続くように、戦争の記憶が風化しないように、祈り考えてゆきたい。

巡り来る七十四年目の夏よ朝のからすの遠鳴きを聞く




# by minaminouozafk | 2019-07-18 06:30 | Comments(7)