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2020年 02月 11日 ( 1 )

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2月9日、日曜日は「コスモス短歌会福岡支部」の歌会&新年会&チーム「南の魚座」金曜日担当われらが大野英子さんの歌集出版祝賀会。

 アクロス福岡での歌会ののち、水鏡天満宮並びの「梅の花」で、旧暦の新年を祝い、また、英子さんの第一歌集『甘藍の扉』(かんらんのと)のご上梓を言祝ぎました(天満宮並びの梅の花って、なんだかゆかしくて素敵)。

 参加者おひとりずつ、歌集の感想を述べていただいたのですが、みなさんほんとうに熱心に読んでいらして、おことばの一つ一つが温かくて胸に響きました。

 英子さん、素晴らしい歌集を出版してくれてありがとう。


 私たち「南の魚座」も無事、41回目のブログ記念日を迎える運びとなったわけですが、これもお読みくださる方々あってのこと。

 「いつも読んでますよ!」

 ってお声かけいただくだけで、日々の疲れを忘れてしまいます。こんな優しさに触れるたび、「コスモス」という母船のあたたかさをしみじみ思うのです。


 ありがとうございます。


 あ、コスモスって、COSMOS、つまり宇宙。

 その中に「南の魚座」が存在してるって……、

 そもそもそういうことだったんだ。


ブログ記念日41  母船のあたたかさ_f0371014_08154773.jpg

  ひさかたの水鏡天満宮過ぎて香やは隠るる「梅の花」あり


扇面皿   藤野早苗

扇面皿の(くう)を飛びたる鳳凰の年のはじめを五色に飾る

冬の夜の大観覧車Big O ひとつ星座のごとくかがよふ

デミグラスソースではなくケチャップ派ハートマークはこころに描く

すき焼きの鍋をひとりでつつかせてろくな女房ぢやないよな私

紅梅の梢より梢へうつりゆくメジロ一羽の恍惚として


デンドロカカリヤ   有川知津子

風向きがさうなのでせう北の窓をほそく開ければ(うしほ)のにほひ

旅客機は首を下げたり黄金の曼珠沙華咲く夜の博多へ

怠惰なる空気のなかで向かひ合ふデンドロカカリヤ・クレピディフォリヤ

せつかくだけどご辞退するよ昨日までたまたま吸はずにすんだ煙草だ

太陽のコロナのやうに見えるといふコロナウイルス これはほんたう


更新セヨ   鈴木千登世

祖母がゐて父ゐて母も若かりきいとこ煮といふ不思議を食べき

メッセージのつと現れ「コウシンセヨ」「更新セヨ」とパソコンが急く

地下ふかく冷えたる水にかすかなる雪の匂へりまぼろしの雪

のんのんと水面を渉る冬鴨が時折り水に嘴をくぐらす

洗い髪タオルに包む子と並びこぱらぱらりこ鬼豆をまく


遠くの海   大野英子

いちはやく膨らんでゐるくれなゐは遠くの海を見てゐるあなた

福みくじの福をいだいてどの顔も恵比須顔して太鼓橋渡る

会へる日を待つているのは〈目出鯛〉かわたしか暦の赤丸印

冬の雨ふりだす朝を鳴き交はす冬のすずめの朗らかなこゑ

寒の雨に下川端の太宰府の〈撫で牛〉祈りの痛みを流す


あのとき   栗山由利

多数決とればわたしの負けになる 猫と人間、三匹と二人

長年の付き合ひあつての忖度か体重計のやさしさを知る

最新の体重計のつめたさは何度乗つても変はらぬ数字

〈あのとき〉と言へる日は来るきつと来る そのとき話さう今の出来事

春三つ見つけた日には手袋をはづして歩こう川べりの道


復ち返り   大西晶子

三十年ともに暮らせるコンシナが復ち返りせり新芽を出だし

愛情を注ぐにとほき扱ひをしたるコンシナされどまだ生く

植え込みに隠れてをりし沈丁花(じんちよう)のあかくふくらむ蕾あらはる

この今がきらめく記憶となるだろう舞台の上の学生たちに

冬日受けふつくり咲けり虫食ひの穴ある黄色のシンジビウムは


素心   百留ななみ

四万十を遡りたりき息子らの受験のあとの春の花旅

下向きの素心蠟梅の花びらを伝はりて落つ昨夜の雨水

手ぶくろもマフラーも外し大寒の古都東山ふたりで歩く

をぐらやま大納言小豆を蜜で煮て漉餡に混ず 小倉餡レシピ

夕やみの鳳凰堂はがらんどう天つをとめの鉦鼓の余音


by minaminouozafk | 2020-02-11 06:00 | ブログ記念日 | Comments(6)