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2020年 02月 01日 ( 1 )

 新型コロナウィルスの世界的な規模での拡散が、連日報じられている。夫も勤務先の大学に来られていた先生が、その発生元である武漢に住んでいるとあって先週から連絡をとっていた。先週の中頃には、自分が住んでいる所はまだ大丈夫だとの返事だったのだが、土曜日にはもう24時間外出はできないし、マスクも手に入らない、何よりも専門の医者が足りないという緊迫した様子が伝えられてきた。出来ることと言えば、足りないというマスクなどを送ることしかないと思いながら出勤すると、他の人も同じように連絡を取っていたそうで、皆でまとめてマスクなどを発送したのが火曜日だった。


 私が勤めている郵便局の窓口にも、今週に入ってから中国の家族や友達にと、マスクを送るお客様が増えてきた。それぞれ送り先は深圳、大連、貴州、安寧省など武漢に近いというところではないのだが、やはりマスクが手に入らないそうである。たいそうな量を送るわけではない。聞けば、皆さん苦労して朝早くからドラッグストアに並んだり、いくつもお店を回ったりして集めたマスクを4、5箱送っている。


 そんなとき、武漢と友好都市の大分市が備蓄しているマスク3万枚を武漢市に送るというニュースを聞いた。大分市と武漢市は、鉄鋼業が基幹産業というつながりから昭和54年に友好都市提携を結び、それ以降交流を続けてきたそうだ。今月8日には友好都市提携40周年を記念したイベントも予定されていたのだが、この状況で延期されたという。そんな中で、感染の防止に役立ててもらおうと防災倉庫に備蓄していたマスク3万枚を現地に送ることを決めたという。大分に住む妹も、このニュースは知っていて3万枚くらい焼け石に水よと、いささか冷めた見方だった。


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 しかし、そうではなかった。このニュースは中国共産党機関紙の人民日報にも28日に報じられ、投稿サイト「微博(ウェイボ)」にも多くの賞賛の声が上がっているそうである。その後、防護服200着も送り、市民などからは物資や寄付金の申し出が相次いでいるという。マスクの段ボール箱に書かれていた「武漢 加油!(武漢がんばれー!)」の文字も中国の人の心に強く残ったようだ。サイトには多くのお礼の言葉とともに「大分市に行ってお礼をいいたい」などの書き込みも多いそうだ。


 送ったものはマスクだけだったかもしれない。しかし、受け取った中国の人たちはそこに込められた多くの人の気持ちも受け取ってくれた。贈るものは目に見えるものだけではなく、それ以上に見えないもののほうがずっと大きいのだということを感じた出来事であった。


 その後、全国で同じような動きが始まっている。それにしても人口50万人たらずの地方都市が早々とマスク3万枚を送ったのに対して、帰還する日本人を迎えに行ったチャーター機の第一便が乗せていたマスクは1万5千枚だったという記事を読んだときには、一瞬私の眼を疑ってしまった。

 すみやかな収束を願ってやまない。


よくやった!大分  栗山由利_f0371014_08541741.jpg

   〈あのとき〉と言へる日は来るきつと来る そのとき話さう今の出来事


by minaminouozafk | 2020-02-01 08:59 | Comments(6)