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2019年 06月 03日 ( 1 )


フォルトナータ?カモメ?ゾルバ?


つけっぱなしだったリビングのテレビからの音声。たしか・・・と思ってキッチンから覗いてみる。やっぱり。 「カモメに飛ぶことを教えた猫」 だ。ルイス・セプルベダ作、1996年出版のヨーロッパで<8歳から88歳までの若者のための小説>とうたわれたベストセラー。


劇団四季の新作ファミリーミュージカルの宣伝情報だ。この4月からの新作らしい。



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夏休みの暑い日、小学校4年と1年の息子たちをつれて以前紹介した書店『子供の広場』で本を選んでいた。それぞれ勝手に悩んでいたのだが、長男がすぐに決めた一冊が「カモメに飛ぶことを教えた猫」。ちょっと大人ぶりたい年頃だったのかもしれない。なんとなくハードボイルドっぽい表紙。


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港町ハンブルグに住む黒猫ゾルバ。その目の前になんとか降り立った黒い原油まみれのカモメ。瀕死のカモメは最後の力をふりしぼって卵を産み、3つの約束を黒猫ゾルバにお願いする。一つ目は卵を食べないで。2つ目はひなが生まれるまで卵の面倒をみてください。3つ目は、ひなに飛ぶことを教えてやると、約束してください。ゾルバは約束を誓う。


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硬派のゾルバとカモメのひなフォルトナータとの温かくもユーモラスな関係。それを取り巻くハンブルクの猫の仲間たちもかっこいい。そして最後に飛ぶことに力を貸したのは詩人。フォルトナータが飛び立つのは雨の夜。


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猫って本当はなんでもわかっている、でも人間の前では喋ってはならない掟があると物語ではなっている。そんな気がする。久しぶりに書棚から取り出して読み返した。シンプルなストーリーだが、しっとりとハードボイルドでテンポよく展開する。1時間もかからずに読み終え余韻にひたる。お互いみんな違うがそれを受け入れ尊重する。飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願ったものが、全力で挑戦したときだけだ、ということ。


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週末にドイツ出張のお土産を持ってきた長男。リビングに置きっぱなしの「カモメに飛ぶことを教えた猫」を見つけて思わず声をあげた。そうなの?劇団四季がと懐かしそうにゆっくりと捲っていた。






飛ぶことは無理でもちゃんと生きること教えてください黒猫ゾルバ









by minaminouozafk | 2019-06-03 07:52 | Comments(7)