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2018年 11月 20日 ( 1 )

11月2日、白秋祭の帰途、西鉄電車車中の出来事。北原白秋顕彰短歌大会に参加したわれわれ「南の魚座」組、講師の高野公彦さんとともに特急に乗車。高校生の帰宅時間に重なったのか、車内はそこそこの混み具合で、私たちの前にも女子高生が立っていた。


高野さんを囲んで、短歌関連の話をあれこれ。染野太朗さんが来てくれて、福岡歌壇が一気に盛り上がったとか、山下翔さんの『温泉』が現代歌人集会賞を受賞したとか、今年の筑紫歌壇賞は「短歌人」の野上卓さんの『レプリカの鯨』だったとか、なんということもなく近況を話していたのだが、ちょっと気になることがあった。


それは、件の目の前の女子高生。「染野さんが……」と言うとはっとした表情でこちらを見る。「現代歌人集会賞」という言葉にもまた反応。「短歌人」、「筑紫歌壇賞」というワードにも関心を示している様子。「この子、ひょっとして短歌に興味があるのでは?」と、話しかけようと思ったところで、彼女の方から「ひょっとして、短歌関係の方ですか?」とストレートな質問が飛んできた。


ああ、やはり。気のせいではなかった。短歌に興味のある子だったのだ。そこで、「こちら、高野公彦さんですよ。」と(鬼の首を取ったように)言うと、


「えええええええ、そうなんですかあああ。信じられない。私、短歌にすごく興味があって、大学では国文学を専攻したいと思っているんです。」


との答え。それを聞いていた高野さんもかなりびっくりした表情ながら、ちょっと嬉しそう。ふふふ。

頬を紅潮させて、高野さんを見つめる女子高生。可愛いなあ。ここ福岡で歌人高野公彦に電車の中で出会う確率って、そう高くないと思う。そんな偶然を引き寄せた彼女は、運のいい人なのだろう。しかし、それ以上に彼女は努力の人なのだと思う。短歌が好きだと思ったら、そのことについて調べたり、学んだりしていたのだと思う。日頃の積み重ねがあったからこそ、電車の中で交わされる会話の中の「短歌関連ワード」に敏感に反応したのだと思う。この運を引き寄せたのは偏に彼女自身の向上心なのだ。


神様はその時必要な人やものにお引き合わせ下さるという。ただし、それはあくまでも最後の一押し。本人が頑張ってあともう一息というところまできたとき初めてその恩恵に与ることができるのだとか。彼女は頑張ったんだろうなあ。だから神様が高野さんに引き合わせて下さったんだろうなあ。

私たちが降りる駅の一つ前の駅で降りていった彼女の後姿にエールを送りたくなった「南の魚座」組一同であった。


切支丹でうすの魔法 女子高生が電車で高野公彦に遭ふ


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by minaminouozafk | 2018-11-20 01:32 | Comments(7)