2018年 11月 05日 ( 1 )

秋の小川 百留ななみ


秋の陽が壇具川の浅い川底にとどき煌めいている。

水辺の草の影がくっきりと美しい。

蜻蛉や蜆蝶がせわしなく飛び交う。


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小さな魚の群れ、一回り大きな群れとそれぞれのスピードで過ぎる。


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秋の小川を眺めていると、いつも思い出すのは


一つのメルヘン   中原中也

秋の夜は、はるかの彼方に、

小石ばかりの、河原があつて、

それに陽は、さらさらと

さらさらと射してゐるのでありました。

陽といつても、まるで硅石か何かのやうで、

非常な個体の粉末のやうで、

さればこそ、さらさらと

かすかな音を立ててもゐるのでした。

さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、

淡い、それでゐてくつきりとした

影を落としてゐるのでした。

やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、

今迄流れてもゐなかつた川床に、水は

さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました・・・・・


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先日、白秋祭で訪れた柳川は水の街。路地をめぐると川下りのコースではない大小の水路がある。


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張り巡らせた水路はすこし怖い。いにしえ人の思いがギュッと詰まっているようで。



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条理制の跡も見られる柳川には古くから人が暮らしていた。干満の差の大きい有明海沿いの町は満潮時には海よりも低い。



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水路の水を浄化して飲み、生活排水を流す。生活に密接した水路だった。いつもは吸い込まれそうで怖い水路も秋の陽射しをたっぷりと受けて明るい。かたちを持たない水。白秋祭のこんなにも良い天気なのに誰もいない。ふっと引き込まれそうになる。ススキや泡立草に混じって立派なむらさきの花。実になっているのも。


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ミズカンナ。葉っぱがカンナそっくり、大らかな華やかさが柳川に似合う。



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水路の水も秋の陽にゆっくりとさらさらと、さらさらとながれていました。



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クリークに生まれ流れて消えそしてまた()るる(せい) くぷくぷとあり






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by minaminouozafk | 2018-11-05 07:01 | Comments(7)