2018年 09月 17日 ( 1 )

つゆくさ 百留ななみ


夏はふっつりと終わり急に涼しくなった。夕暮れも早く人恋しい季節。

秋雨前線のため秋晴れではなくはっきりしない天気がつづく。


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あらここにも露草の蒼。本当にここかしこで露草が群生している。露草は初夏の花、紫陽花のころと思っていた。季語では秋だから夏の終わりには少し残っているイメージ。たぶん、いつもはそうだった。


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犬蓼や水引草もツユクサに混じって咲いている。あらあらと日陰に群れて咲いている露草をながめていると、なんだか顔にみえてくる。青い二つの花びらが耳のようでミッキーマウス顔。色も淡いブルーの花もある。ちょっと非対称や囓られたのもあって個性ゆたか。


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この夏91歳で亡くなった伯母のお墓参りに出かけた墓所でも露草は花ざかりだった。大好きだった祖母のお墓にもお参り。萩の女学校ではいちばん背が高く美人だった祖母。女の子は小さいほうが絶対イイよ。といつも言ってくれていた。隔世遺伝を期待したが残念。露草の花群から祖母や伯母の声が聞こえてくる。


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徳富蘆花が 「花ではない。あれは色に出た露の精である」 と書いた露草。露草のくっきりとした蒼はむかしから染料として使われている。


鴨跖(つき)(くさ)に衣色どり摺らねどもうつろふ色と言ふが苦しき  万葉集 巻7 1339


露草で衣を染めようとするが変わりやすい色なので大変、つまりあの人の色に染まりたいけど移ろいやすい心が心配・・・つゆくさの古名は月草。

あれほどの蒼なのに水に弱い。だから友禅染の下絵を描くのにずっと大切にされてきた。



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この秋もここかしこで咲いているように蒼花は儚そうに見えて実は生命力に満ちている。茎は地面を這い節からつぎつぎと根を出していく。たぶんかなり干涸らびた状態からも蘇れるのだろう。だからこの夏の炎暑をじっと耐えて秋雨のなかうれしそうに群生している。排水路の中から覗いているのもある。


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ここ数年白花の外来種のトキワツユクサが繁茂しているのを見て、青花の露草の危機を思ったのだが杞憂だったようだ。少なくともこの秋に出会う露草はすべて蒼色。


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数年前から青い薔薇を咲かせることが話題となっている。そのときに露草の遺伝子を薔薇に入れてみたりしたらしい。試行錯誤のすえ、色はブルーになったけれど露草そっくりの薔薇になったという。

いまでも青い薔薇といっても薄紫。露草のクリアーな蒼はむつかしそうだ。薔薇に蒼をもとめなくても。この国の秋の野には青い花が多い。桔梗も竜胆も松虫草も・・・




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つゆくさの群れ咲く墓地に聞こえくる運動会の玉入れの声






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by minaminouozafk | 2018-09-17 06:00 | Comments(7)