2018年 09月 15日 ( 1 )

 月に二回通っている朝日カルチャーセンターは博多駅の博多口正面にある。大野先生の『現代短歌の実作と鑑賞』の充実した時間のあとには、先生を囲み昼食をご一緒するのも楽しみのひとつだ。そして、折角、街に来たのだからと駅ビルのお店を覗きながら最後にデパ地下に立ち寄るのがいつもの流れになっている。


 昨日も、なにかないかなあと向かった鮮魚売り場で珍しいものを見つけた。北海道産の鮭の白子である。刺身や切り身を取った後の、鯛や鰤のアラを置いているこのコーナーは掘り出し物によく遭遇するので、まず足を運ぶ。鮭の卵巣は、言わずと知れたイクラでこれはよく見かけるが、白子は初めて見た。九州では季節になると、鰤の真子や白子が店頭に並んでいることがある。コレステロールが高いことを気にしながらも、こっくりとした煮物の味に誘われて買い求めるのだが、鮭の白子を見た途端に頭に浮かんだのは茹でて大根おろしとカボスでいただくというものであった。


f0371014_09462357.jpg

 レジに並んでいると、後ろに居た同年代の紳士の視線が私のカゴの中に行っているのに気づいた。そしてすかさず、「その白子、どこにありました?」と声を掛けられた。「そこのボックスの中ですよ」と教えはしたものの、秋鮭を捌いたときにたまたま入っていたものだろうから、2パックしか残っていなかったので、手に入れることができたのかと気になり振り返って見ていたら、列に並び直したその紳士と目が合った。満面ニッコリの笑顔が、その結果を物語っていた。私も笑顔で「良かったですね」のサインを送った。


f0371014_09461445.jpg
<北海道産 1パック100円の表示>

 帰って調理をしながら、あの人はどういう一品にして楽しむのだろうと想像が膨らんだ。きっと私と同じで、晩酌の肴にぴったりと思ったに違いないと思うのは、私が呑み助だからだろうか。

 居酒屋メニューのような品々が並ぶわが家の夕餉だが、完璧な下戸である夫にもこの白子は好評だった。


 産地の北海道は先日の地震の影響が長引きそうだと聞いた。札幌に住む次男夫婦に聞くとまだ、欲しいと思ったものがなかなか手に入らないという。これから急速に冬にむかっていく北海道で、被災された方々が少しでも早く元の暮らしを手に入れて欲しいと願うばかりだ。農産物、海産物、畜産品、道産の乳製品や小豆を原料にしたスイーツも美味しい。これまでにも増して、北海道産のものを選んでいこうと思っている。



    あまたなる生まれなかつた鮭の子が口で溶けゆくとろおり秋の日


[PR]
by minaminouozafk | 2018-09-15 09:52 | Comments(6)