2018年 09月 12日 ( 1 )

白秋は、南の魚族」という言葉を

その絶筆となった『水の構図』の「はしがき」の結びで使っている。


ああ、柳河の雲よ水よ風よ、水くり清兵衛よ、南の魚族よ。


この「はしがき」は、昭和17年10月6日に、病床で書かれたものである。

故郷柳河に思いを馳せながら、水くり清兵衛という、人の名をもつ魚族を親し

く思い出している。亡くなるまでひと月もなかった。



「水くり清兵衛」は、オヤニラミというスズキ科の魚のこと。

この清兵衛さんをしばらく人のことだと思って読んでいた。



「はしがき」では、次の冒頭部分が多くの人の耳に親しいであろうか。


 水郷柳河こそは、我が生れの里である。この水の柳河こそは、我が詩歌

母体である。この水の構図この地相にして、はじめて我が体は生じ、我

風は成つた。



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  澄むといふことのしづけさ秋空は会ひたきひとを映せるかがみ



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by minaminouozafk | 2018-09-12 07:46 | Comments(7)