2018年 08月 11日 ( 1 )

ブログ記念日23

毎月11日のブログ記念日ですが、8月は特別です。「南の魚座」二周年を迎えました。

初めてのことで、一生懸命だった一年目、二年目は少しばかり肩の力も抜けたでしょうか。この一年の間に一周年記念号を発刊いたしました。

毎日の小さな一歩の積み重ねのちょっと大きな一歩でした。


三年目に踏み出しました。読者のみなさま、これからもよろしくお願いいたします。


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出番を待つ新幹線車両



夏ど真ん中   栗山由利

夏の陽が直滑降でめざす先ブラックベリーはむくむく太る

辻道を舁き山が走りわざわひをはらひて街は夏ど真ん中

さくさくと育つオクラにありがたう規格は人のわがままだから

テキストをひらけば街は近くなり上海、成都 朋友

出番まつ車両は大きく深呼吸してをり白き炎熱の中



蝕の月   大西晶子

金柑の花の濃き香にたへられず窓をとざせり熱帯夜にて

宗像の市の花と植ゑしカノコユリ南の島より来しものと知る

蝕の月赤きあしたをひそやかに繊維そだてるへちまの若実

茅の輪をくぐる人らのさきがけは白衣まぶしき神職と巫女

まかれたる切紙ひろひ玉砂利をきよめる人あり祭の果てて



公孫樹の葉っぱ   百留ななみ
銀杏の白実をゆらす台風は迷ひ迷ひて西へとすすむ
切れ込みがなくなり()しき扇形 公孫樹の齢は葉っぱでわかる
ぎらぎらの太陽光がだいすきな狗尾草のC4回路
てふてふの少なき春はくまぜみのちからなく啼く炎暑となりぬ
バナナ売るもも売る馬関の露天商 汽笛の音の愉しかりけり



をかしの御髪   藤野早苗

むらさきの花に似る名のハルシオン熟寝の床に播くひとつぶは

内向きはさまざまあれど外向きは二人三脚 夫婦はチーム

「推敲のポイント」耽読する真昼逆走台風みんなみに荒る

八月の鋼のごとき陽をかへす強霜置けるをかしの御髪

あたらしく齢重ねるいちにちの夜のきりぎしに白髪なびく



迎へ灯籠   有川知津子
梅雨明けたり向日葵の葉の破れより大蟻ひとつこちらへ出でて
炎帝のくらき吐息が渦を巻くゴッホ描ける渦のごとくに
「とほく」といふ言葉にかかるグラデイションどのくらゐなら遠くへ行ける
母の吊る迎へ灯籠しるべにて祖霊語らひながら帰らん *8月7日
長崎の方を望みてしづかにすナガサキとなりしその刻限を



舞台俳優   鈴木千登世

かなしみの梅雨明けに咲く花槐樹影を小さき風に揺らして

境界を越えて害なす猿の背の光沢(つや)なく乾くそのけむくじやら

涼やかな眼に深く生を問ふ舞台俳優のこゑを忘れじ

選びたる人の面輪を思ひつつ書棚の本の背文字をたどる

暑かつた日といふいつもの夏の日と聞く今年の今日も夏空



単純は良し   大野英子

ただ一羽河口のうみうが繰りかへすもぐる顔出す単純は良し

潮風に吹かれさわさわ揺れだしぬ青葉がしげるわたしのからだ

あおぞらと博多の街を見て育つ固い実青い実あなたはだあれ

ひよつこりと顏出すも驚いてゐるらん熱暑、落雷、豪雨

声のやつとしづまる夕暮れの潮風のなかの夕餉は気まま



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by minaminouozafk | 2018-08-11 09:51 | ブログ記念日 | Comments(5)