2018年 06月 26日 ( 1 )

伊藤一彦氏の『光の庭』を読んだ。


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ふらんす堂の短歌日記シリーズ第9弾で、2017年元日から大晦日まで、一日一首と、それに文章が添えられている。このシリーズのいいところは、恣意的に開くページのどこからでも楽しめる点。それは、執筆している歌人の力量が信頼できるからこその楽しみ方であろう。

届いた本書を手に、心を無にしてえいっ!とページを開く。開かれたページにはきっと、必然があるに違いない……。ページは、4月23日(日)。

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驚いた。このページは、今の私にとってとても大切なページだったから。

星野源は俳優、ミュージシャン。癖のない好青年キャラと、同世代の共感を呼ぶ楽曲で人気のタレントだ。朝ドラ「半分。青いの主題歌も歌っている。ここに書かれている寺ちゃんこと「寺坂直毅」は中学で不登校を経験した放送作家。伊藤さんがスクールカウンセラーをしていた高校の卒業生であるという。著作『いのちの車窓から』で寺ちゃんを紹介した星野源もまた不登校経験者。星野源、寺坂直毅、伊藤一彦、この3人の名が並んだページを開いた自分にちょっと驚いてしまった。


伊藤さんにはこんな著作もある。

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2005年刊行。

カウンセラーとしての側面が顕著な一冊。

5年前、娘が不登校になったとき、この本を何度も読み返した。読むたびに、あの日向の匂いのする大きな声で、「大丈夫、大丈夫」と言ってもらっているような気がした。つくづく思うのだが、不登校は子どもの問題ではなく、それを取り巻く大人の、もっと言えば社会の問題。そこを変えずに、子どもにだけ変容を促しても何も解決しない。

寺ちゃんが夢を叶えて放送作家になれたのも、星野源がみごとにアーティスティックな才能を開花させたのも、周囲の理解があってこそ。ひとりひとりにきちんと道が用意されていることを信じてくれる大人の存在はとても大きいことを改めて感じた。


第4週の火曜日は、歌集・歌書を紹介する約束なのに、内容をご紹介できていないことを反省。けれど、本歌集『光の庭』に、伊藤さんのカウンセラーとしての一面を見つけたことがとても嬉しくて、書かずにはいられなかったのだ。申し訳ない。


 この人が言ふならきつと大丈夫 「だいぢやうぶよ」と子に伝へやる




*私は現在、「咲くふぁ福岡」というグループを友人と立ち上げ、不登校当事者とその家族の支援のための活動をしています。興味のある方は以下のブログ、ホームページをご訪問いただけると幸いです。

 ブログ:アガパンサス日記

https://sacfafk.exblog.jp/

 HP :http://sacfa.yubunsuzuki.com/


*私たち「咲くふぁ福岡」企画の講演会〈「不登校から見えてくる教育の未来~多様性を考える~」前川喜平in福岡〉を開催いたします。

・12月8日土曜日 (10:00-11:45)

・都久志会館 

・800円(全席自由)

世間的には、世界の終わりのように考えられている不登校という現象。でもそれは実は多様な生き方に気づく好機なのだということを、前文科省事務次官前川喜平氏にお話しいただければ、と思っています。


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*そして、9月21日(木)の二階がスナックといううどん屋さんのマスター。この方、夫のサーフィン友だちでした。土曜日のユリユリの記事でご紹介いただいた岸田さんといい、こちらのマスターといい、世間は狭いなあと思う今日この頃。


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by minaminouozafk | 2018-06-26 01:08 | 歌誌・歌集紹介 | Comments(7)