2018年 06月 24日 ( 1 )

夏至祭  大西晶子


f0371014_16300195.jpg

「あれ、いまごろクリスマスケーキの写真?」と思われた方は手を挙げてくださ~い。 実を言えば、これは福岡市天神の行列のできるタルト専門店の夏至のタルト。



 日本ではあまり話を聞かないが、北欧などでは夏至には夜通し戸外で過ごしたりするお祭があるようだ。先日見た北欧サスペンスのドラマではスェーデンの若者たちが浜辺で夏至祭のパーティーをしていたし、シェークスピアの〈真夏の世の夢〉も夏至の一夜の物語だ。北海道の当別町では姉妹都市のスウェーデンのレクサンド市に習い夏至祭をし、コンサートやフォークダンスで楽しんで居るようだ。



 タルトに話を戻すと、ローソクをイメージしたムースが載った佐藤錦のタルトで、夏至の前日と当日の二日間だけ作るそうだ。



 夏至の夜は国によっては電灯を消して、ローソクの明りと薄明を楽しむ習慣があるそうで、長女の提案でわが家でも試してみた次第。急なことだったのでローソクの用意が間に合わず、南天や椿の絵がついていて少々奇妙なことになってしまった。



日本では夏至の祭はほとんど聞いたことが無いことに気がついた。冬至には柚子風呂に入り、南瓜を食べて息災を願い、春分と秋分にはぼたもち・おはぎを作るのに何故?



 正解は夏至は農繁期だから。


夏至の翌々日の23日に博多まで電車に乗ったら、田植えが終わったばかりの田圃に水がたっぷり湛えられていた。農村では田植えの時期と夏至が重なり、手間のかかる牡丹餅のような料理などは作る時間がなかった。これが夏至の行事が特に出来なかった理由らしい。



春分や秋分には宗教的な意味もあるのに、夏至にちょっぴり同情する。しかし、このタルト店のような店がこの先に増え、いつかバレンタインデーやハロウィーンのように定着する日が来そうな気がする。




f0371014_16301476.jpg



たつぷりと水をたたへた早苗田にあをき風ふく雨上がりの午後




[PR]
by minaminouozafk | 2018-06-24 06:00 | Comments(7)