2018年 06月 09日 ( 1 )

雨を楽しむ  栗山由利

 例年より早い九州北部の梅雨入りが発表されて二週間がたつ。それほど雨の日が多いとも思えない今年の梅雨だが、やはり外出には傘を手放すことが出来ず、その分荷物が増えていささか鬱陶しいなと思う。


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 そんな中、孫の動画が送られてきた。近くのスーパーに買い物に行った帰りらしく、手には一人前に小さなレジ袋を下げている。すると歩道の水たまりに立ち止まり、パシャパシャと大きく足踏みを始めた。ママの止めなさいの声も聞かずに、笑い声を上げながら「いいでしょっ!」と得意顔で続けている。<童心>というのはこういうことなのだと気づかされた。


 そう言えば子供の頃を思い出すと、雨降りだからといっても嫌なことばかりではなかった。新しい傘や長靴を買ってもらった時は、早く雨が降らないかと思ったし、学校帰りの道で用水路や側溝の水かさが増していると、飽くこともなく流れてくる草やゴミをながめていた。やつでの葉っぱの上のカタツムリが通ったあとのキラキラも、雨の日のほうがきれいだったし、雨があがった帰り道では男の子達は必ずと言っていいほど、傘でチャンバラの真似事をしていた。今にして思うと、親からすればたまったものではないだろう。

 運動が苦手で体育の時間が苦痛だった私は、雨で運動場での授業が体育館に変わるだけでも嬉しかった。


 ものは考えよう。今だって雨降りならではの楽しみ方を見つければ良い。家に篭っているのなら、それこそ普段積んだままになっている歌集や本を読めばよい。片付けや常備菜を作るなど家事にまわせる時間もできそうだ。雨があがったあとの景色は、この季節の緑がいちだんと鮮やかになる。「忙しい」が口癖になっている毎日を反省し、雨の日くらいは<童心>を取り戻してこの時ならではの自然の楽しみ方を見つけるのも良いかもしれない。


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 近所で毎年一番に田植えがされる田んぼに一昨日、水が張られた。青田を渡る心地よい風に吹かれるのももうすぐだ。


    風のあを水のあを満つみづいろの地球の隅で昼寝の金魚


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by minaminouozafk | 2018-06-09 11:12 | Comments(7)