2018年 05月 28日 ( 1 )

野蒜の花  百留ななみ



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そろそろ梅雨入り間近。

たいせつな5月の青空、青葉風。

綾羅木川の土手を歩く。

黄色の金鶏菊、キツネノボタン、みどりのカモジグサ、カラスノエンドウが続く。

そのなかに紅紫の丸い実が揺れている。

よく見るとあちらにもこちらにも。

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ニョキニョキ、クネクネの細い緑の茎の先端の紅紫。茎は長いのでは50センチ以上ある。なんだろう。茎をちぎって匂いを嗅いでみると、葱の匂い。たしかにそう、これは葱だ。写真を撮って、あとは帰って野の花図鑑。


野蒜。春先の山菜として球根を食べることは知っている。つまり野蒜のネギ坊主なのだ。

名前が解ると見えなかった野蒜くんは、近くの散歩コースにも不思議とあらわれる。野の花図鑑によるとこの紅紫の珠は花ではなく珠芽、別の言葉では零余子らしい。ムカゴ? 山芋の蔓に秋にくっついているのと一緒?


ノビル特徴:ネギによく似ていて、葉も茎も中空で断面は三角形。花茎は4060cmにもなる。淡紅紫色の小さな花が多数、散形状につくが、日当たりが良いと珠芽がつき、ときには珠芽だけで花が1つもない花序となる。花序の基部には脂質の苞葉があり、蕾はこれに包まれている。期:5~6月分布:日本、中国



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だから日当たりの良い土手の野蒜は珠芽ばかりだ。

よく見ると紅紫の珠芽から緑色の細い糸のようなものが出ている。1本だけではない。3本いや短いのも合わせると4本でているのも。それもクネクネしているのもあってとても怪しい。


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昨年、鮮やかな色のサツマニシキを見つけた近くの高校の塀沿いにも野蒜の珠芽を発見。ここも緑色のクネクネ付き。



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覚苑寺でも山門そばに野蒜をみつけた。ちょっと日陰。珠芽に小さな白いつぼみが出ている。あらあらこっちも。


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醤酢(ひしほす)に蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて鯛願ふわれにな見せそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)  「 万葉集 巻16  3829」

酢醤油で野蒜と鯛を食べたい。なのに水葱ミズアオイの汁物なんて見せないでよ。って感じだろう。万葉人も鯛と一緒に食べていた野蒜。



はじめて知った野蒜の珠芽、おもしろい。ネットでいろいろ調べたら野蒜は、鱗茎、珠芽、種子の3種類でふえるらしい。

   鱗茎は酢味噌でいただく球根の部分。

   珠芽は地面にばらまかれて繁殖するようだが、そのまえから、茎についた状態でも発芽する。ニョキニョキ生えている緑の糸のような新芽?

   特に日当たりの良いところでは。

   花は珠芽の隙間からでてきて咲くが多くはなく種子も少ないようだ。




ネットでみるととても可憐な小さな小さな星状の花。ニラの花に似ているが、ニラの花は珠芽からではない。この紅紫色の球体の珠芽の隙間から覗く姿がなんとも愛らしい。


ぜひ見てみたいと時間を見つけては2日おきくらいに1週間以上、覚苑寺に通ったのだが莟のまま。翌日は雨の予報だし・・・ごめんねと言いつつ莟の野蒜を持ち帰った。高校そばの緑色のクネクネ野蒜も1本いただく。


ガラス瓶に2本を挿してゆっくり観察。


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花瓶のつぼみは翌日も、翌々日もそのまま。

たぶん覚苑寺で莟を見つけて2週間以上が過ぎている。

もう無理かしら・・・と諦めかけて、朝な夕なに見なくなった昨日の夜。あらっつ少し開いている。


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そして今日こんなに可憐な花を咲かせました。数ミリの小さな花ですが雄しべが繊細できれいです。


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むらさきの野蒜坊主は(むか)()なり小さきやうやくひらく




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by minaminouozafk | 2018-05-28 07:10 | Comments(6)