2018年 05月 10日 ( 1 )

連休中、萩では恒例の「萩・大茶会」が開催された。

市内の茶道4流派がお点前を披露してお接待する会で、初めてでも親しくお茶に触れられる良い機会となっている。今年は5月3日と4日に萩城跡指月公園、旧厚狭毛利家萩屋敷長屋、松陰神社を会場として行われた。

4流派とは裏千家、遠州流、表千家、小堀遠州流で、それぞれ茶風が異なっている。以前はセット券でふたつのお茶席を巡ってお点前の違いを楽しんでいたけれど、今回は一席だけ、裏千家のお茶席を訪れた。



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萩は茶道の盛んなところで、萩に通勤していた頃、裏千家の先生のお宅のお稽古に通っていた。父と同い年の先生は流暢な萩弁を話される、愛らしい方で、お稽古の方は全く上達しない私にお茶は楽しむことが大切とおっしゃってくださっていた。

ある日のこと。ふと「今日はえらくお急ぎでありますの」(この「ありますの」のニュアンスが伝えられないのが残念です)とおっしゃった。帰りが気になって知らず知らず慌ただしいふるまいとなっていたのをさりげなく指摘されたのである。「もっとゆっくりと」ではなく萩弁のやわらかいイントネーションで語られた言葉はどんな言葉より説得力があって、すとんと心の底に落ちてきたことをよく覚えている。



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萩城(指月公園)へ


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会場の花江茶亭は、旧三の丸にあった13代藩主毛利敬親公の別邸 花江御殿の茶室を指月公園に移築したもの。

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着物でなくても大丈夫。観光客もお茶を楽しめる。


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花江茶亭


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「君為葉々起清風」(大亀和尚筆)

障子を閉めた茶室の中では若葉を吹く風の音が波の音のように聞こえた。


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萩焼の茶碗。替は笹蔓緞子絵。



お作法をすっかり忘れてしまっていたけれど、先生は忘れても大丈夫と言ってくださった。久しぶりに聞く先生の萩弁は変わらないやさしい響きだった。



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夏みかんの花。翌日、開花宣言が出た。萩は町中に夏みかんの花の香る最も良い季を迎えている。



きのふまで知らぬ人らと囲む風炉の和やかにして一会の点前

木々揺らす青嵐また親しけれ君の為吹く清風と聞き


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by minaminouozafk | 2018-05-10 06:07 | Comments(7)