2018年 04月 11日 ( 1 )

ブログ記念日19

4月のひかりに桂の葉がかがやいていました。


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調べてみると、桂の学名は Cercidiphyllum japonicum


japonicum」!


japonicum(日本の)」を名にもつこの木の葉っぱは、

ご覧いただいているように、愛らしいハートのかたち。


古くは、古事記に、神聖な木として登場します。

綿津見神の宮の井戸のほとりにあり、

火遠理命(山幸彦)と豊玉毘売の出逢いの舞台となる木です。


新たな年度に入り、あたらしい出会いの海へ漕ぎ出した方も多いことでしょう。

どうか出会いの一つひとつが、佳き出会いでありますように。


今日、「南の魚座」は、19回目のブログ記念日を迎えることができました。

このブログをとおして恵まれた出会いに、こころより感謝申し上げます。



        ☆☆☆☆☆☆☆



桂の影   有川知津子

いにしへのプトレマイオス楽しみき星をむすびて名まへをつけて

巻貝は〈島〉に似てるね姪つこはちひさな島をつまみあげ言ふ

天ぷらにしようなどとはもう言はず蕗の花見を楽しむひとに

青空の下にこそ見め光太郎愛でしひかりの連翹の花 *連翹忌に

てのひらに桂の影を受けながらまぶた閉ぢればわたつみの底


教科書   鈴木千登世

黄砂降る昼ひつそりと読んでをり若書き残る古き教科書

荒らかに生きざる我と嘆きたる歌にこもれる迢空の息

父よりも上の世代の愛を言ふ歌しくしくと胸を打つなり

海峡の向かうに暮らすひと思へばふはりと鬢を吹き過ぎる風

歌の種さがしつつ見る境内のさくら素知らぬ顔に散りゆく


潮の香   大野英子

フランシェとサヴァチェの名前を冠したる帰化植物もおしあふへしあふ

ぐぐぐつと春のひかりを押しかへし土筆えへんと胸そらしをり

やがて咲くさくらに怯えつつ見上ぐいろづくつぼみに罪科はなく

仄白く闇を照らせりみやうてうはひらかんふつくらふくらむさくら

あおぞらのさくら仰げばさやさやと吹きくる風がはらむ潮の香


蠢くいのち   栗山由利

とうきやうの二月の風に身をちぢめ入りたる船の灯りぬくとし

いつせいに降りくる春の陽をうけた蠢くいのちそちこちに見ゆ

沖に出るふねに花枝高くふる少女(をとめ)もをらむ天平の春

からだごと言葉になつてをさな子が風にかたれば光がこたふ

川べりのベンチに座る人ふたりつかず離れずほどよき距離で


をがたま   大西晶子

わたくしを呼んだのは誰をがたまの花咲くしたで来るまで待つと

をがたまの樹の下で妣とすれちがふ一陣吹いたあの風がさう

戦ひの飢饉のあるな花のもとねむりゐる児の先ながき日に

抱くほどに重くなりゆくこの赤子石にあらずや妖怪譚の

桃の木に厄を預けた身はかるく商店街ゆく食欲をもち


さくらのつち   百留ななみ

わが影の土に九つ紅椿むかしの地図をゆつくり畳む

ややこしき年金制度は華甲過ぎいかといかとぞ54のわれ

島かげを春の入日を呑み込みてとろ海とろとろ濃藍となりぬ

平飼いのにはとりの産む卵黄色ニホンタンポポおいしさうなり

ももいろのさくらの(つち)に仰向けばこころ軽々落蝉のわれ


みすずの海   藤野早苗

纏ひたる青もさまざまとりどりに みんなちがつてみんないいのだ

北浦の海はろばろと藍ふかしみすずのこころ育みし海

おほははの羽織らせくるるここちせり米沢黄八の丹前ふはり

あまたなる女御更衣のその中のただいちにんとなるふしあはせ

一年を途切るるなくてつづりたるわれら七人根つこが真面目


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by minaminouozafk | 2018-04-11 06:00 | ブログ記念日 | Comments(7)