2018年 04月 07日 ( 1 )

 近頃のテレビCMで、なぜかしら引っかかっている言い回しがある。某保険会社のもので櫻井翔が言う「差し出がましいですが」というフレーズのことだ。初めて聞いたときから明確な理由はないが、なんとなく気になった。念のため、夫に聞くと「差し出がましいようですが…」じゃないかというところで意見は一致した。「差し出がましいのですが…」、「差し出がましいと存じますが…」といった言い方も考えられた。

 何が引っかかったのだろう。とりあえず広辞苑をひいた。さしで‐がま・し[差出がまし][形シク]でしゃばるようである。とある。分からないときは手っ取り早くネットで検索してみる。「形容詞+です」と入力すると、国立国語研究所のものからYahoo!の質問箱までそこそこの量の項目が表示された。


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 この「イ形容詞+です」問題はけっこう奥が深いようだ。国語審議会では昭和27年4月にこの形を「平明・簡素な形として認めてよい」としているとあった。認めるか認めないかは別にして、感じた違和感の原因は何なのだろう。

 多くの方が説明をしていたが、わかりやすかったのは「です・ます調」から敬意を差し引いた「だ・である調」に置き換えるとその不自然さがわかるというもの。つまり「嬉しいです」「小さいです」を「嬉しいだ」「小さいだ」という表現には置き換えられない。ただ、「だ」の活用次第では使える場面もある。未然形の「だろ」(+う)の形では「嬉しいだろう」「小さいだろう」となって、さほどの違和感は感じられない。同様に「です」の未然形「でしょ」(+う)では「嬉しいでしょう」「小さいでしょう」となる。そうはいっても、これは認められているだけで本来なら「嬉しうございましょう」「小さうございましょう」となるのだそうだ。このあたりまでは何とか理解できたのだが、厳密に言えば正確ではない「イ形容詞+です」の問題はどのようにして回避すればいいのか。

 国のレベルで承認されて、もう半世紀以上の時が過ぎているのだから耳にする分に関しては、さらっと聞き流すしかないだろうが、今回その構造が分かったからには、自分が使うとなるといささかの戸惑いがある。悩ましいところだ。


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 でも、大丈夫。「南の魚座」には頼れる人、ちづりんがいる。「嬉しうございます」はかつてちづりんから聞いた言葉だ。ちづりーん、よろしくお願いします。


   からだごと言葉になつてをさな子は身ぶり手ぶりで楽しさかたる


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by minaminouozafk | 2018-04-07 11:39 | Comments(9)