2017年 08月 11日 ( 1 )

ブログ記念日⑪

今月8日、夜中に目を覚ますとレースのカーテン越しの空が明るい。

午前3時過ぎ。ベランダに出るとそろそろ満月の頃なのに、かじられたような凹みが・・・

何だか不思議なものに出会ったようで、約30分、ビルの向こうに消えるまで見送った。

翌朝、ネットで検索すると、やはり8日は部分日食。午前311満月、月食のピークは同320頃だったとのこと。どんぴしゃのタイミングだったのだ。

更に調べると、今年の月食はこの日のみ。

雲ひとつない夜だったのも、幸運だった。

夜中に目が覚めると言う老化現象も捨てたものではない。



さて、今日でブログ開設からちょうど一年。

記念日は一カ月遅れで始まり、毎週の投稿も50回を越える。

月と地球と太陽が一列に並ぶようなパワーが引き起こり始まったブログ。

写真の絵本は40年にわたって自然と向き合い、雑草や虫たちの不思議なくらしを教えてくれる絵本作家、甲斐信枝さんの「のげしとおひさま」

「どこまでも どこまでも とびました。」とお話は終る。

のげしのようにわたしたちの発信したものが、色んなところに届いたらいいな。

もちろん、美加さんのところにも。


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低き残響   大野英子

くひしばるかんばせの良し観客のありなし問はずひた駆け抜けて

舁き山の土台の擦り跡鮮らけく道にふた筋迷ひはあらず

「祝ひ目出度」町に響けり追善の山笠据える(おとこ)()のこゑ

夏猛る博多の街のをちこちにオイサオイサの低き残響

声も黙るまひるの眩しさに瞼ゆらゆら眠気を兆す



ラベンダー畑   栗山由利

顔いつぱい口を広げて子ツバメはたいやう踊る夏をのみこむ

白昼の蟬声かさなり堰落つる水の飛沫とめうにコラボす

真夏夜はみどりいろ濃き冬瓜を三つ四つ抱へて寝れば涼しも

花ごとに気ままに風とたはむれてラベンダー畑はいちめんの波

ゆつくりと走るノロッコ号の中みながまとつたラベンダーかをる



ひまはり   大西晶子

名を知りて親しくなりしひまはりと畑でむきあふ夏の日盛り

金色のあぶらのごとき陽光に目覚めゆくらし向日葵のつぼみ

これもまた向日葵花弁赤黒きフロリスタンの丈高き花

あざやかな黄色さまざま向日葵の品種わからぬゴッホの「ひまわり」

よき時はつねより速くすぎゆきて舗道にながき街路樹のかげ



本のにほひ   百留ななみ

ひそやかに跳べぬかなしみ炎天のキチキチバッタ草生にまぎる

どしや降りもかんかん照りも夏草に包まれてゐる精霊飛蝗

たつぷりの本のにほひと木のにほひ体に入れて絵本を選ぶ

ならび立つ碧き花托にまもられてはちすの花はぽあんとひらく

原爆を投下されたる島国の矜持をもちてまつりごとせよ



向日葵忌   藤野早苗

自らを堰としあまた流木を受け止めて立つ奇跡のオブジェ

ふたたびをここ黒川に目見えたし千年の闇ひらくほうたる

そこここに明治がにほふ神楽坂打ち水の跡小路に残る

〈向日葵忌〉子の誕生日翌日がゴッホの忌日七月二十九日

胸を射ることば幾度も読み返し子は育ちたりわが知らぬ間を



約束の鍵   有川知津子

洞窟の奥に〈ネコ科の部屋〉はあるネコの仲間の描かれた部屋  *ラスコー展

いにしへのナイルの空は見えねども小鳥の好きなファラオとおもふ  *エジプト展

うつろへば川のほとりを目指したるいにしへびとの私もひとり

やくそくの鍵のごとくにたたずめり山王神社の二の鳥居はも

納豆をかきまぜてゐる箸のさき記憶のなかの歌会ひかる



夏の日   鈴木千登世

詠まねばと思ひ詠んでもよいのかと惑ひつつ夜の蛙声を聞きぬ

足裏にアスファルトの熱感じつつ雲を仰いだ夏の日のこと

南風(みんなみ)にしつぽの端をくすぐられ金魚ちやうちんくふくふ笑ふ

幾千の金魚ちやうちん灯る夜を黙ふかく戻る旅びとあらん

方位感ならぬ時間の感覚の失せて埴輪の輪の中にをり


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by minaminouozafk | 2017-08-11 09:18 | ブログ記念日 | Comments(7)