2017年 02月 20日 ( 1 )


今年の我が家のカレンダーは熊谷守一だ。猫の絵で有名な仙人のような風貌の画家だ。たまたま訪れた美術館のショップで出会い、即購入。2月は山茶花。くっきりとした輪郭のシンプルな構図。やさしい色使い。



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どの作品もこのカレンダーと同じくらいの大きさの小品がほとんどで、かたかなで「クマガイモリイチ」と絵の具をひっかいたようなサインがある。猫の絵は三毛猫、白猫いろいろあるが、けっして所謂かわいい猫ではない。猫特有の背骨の感じ、左右、前後それぞれ脚の表情が異なる。ポーズも実に多彩。シンプルでくっきりとした色使いなのにリアル。ワクワクしてくる。猫は3月と12月。


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同じ時代の猫の画家といえば藤田嗣治だ。自画像もたいてい猫と一緒。繊細な墨の輪郭の猫たちはふわふわして本当にかわいい。26歳でパリに渡り、成功しつつも二度の戦争に翻弄され5回も結婚をした波乱万丈の藤田。画風も生活も対照的だ。



文化勲章も辞退し、60歳すぎて、膝を悪くしてからは、そのほとんどを豊島区の自宅で過ごしたそうだ。昼間は15坪ほどの庭で飽きることなく虫や草花を観察していた。エピソードとして〈地面に頬杖をつきながら幾年も見ていて分かったのですが、蟻は左に2番目の足から歩き出すんです〉は有名だ。今年のカレンダーには残念ながら無いが、蟻の絵も大好きだ。


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8月は野草のフシグロセンノウ(節黒仙翁)の朱色の花に黒揚羽蝶がとまっている作品。亡くなる2年ほど前のもので、油絵では絶筆だ。



今年はカレンダーでちょっと嬉しかったのだが、先日いつものように長府をぷらぷらしていると、古江小路の小さな画廊喫茶〈梵天〉の前、次期展示会の案内。


  なんと 〈熊谷榧 油絵展〉 熊谷榧は熊谷守一の次女。熊谷美術館の館長でもあり、画家。山を愛し、多くの山にのぼり、描きはじめた作品。風景画も多そうだが、画風は父守一にもつながる。3月11日から413日まで開催。312日には熊谷榧氏もいらっしゃるそうだ。ぜひ行ってみます。歩いても10分ほどですから。楽しみです。



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感情を削ぎ落としたるやさしさの熊谷守一の猫、蟻、蝶、鳥

ななみ


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by minaminouozafk | 2017-02-20 07:08 | Comments(8)