2016年 08月 30日 ( 1 )

夏の終わり

藤野早苗

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関東方面、度重なる台風禍、お見舞い申し上げます。今年の気象は全くもって異状。前例のない事態が相次いでいます。ご無事をお祈りいたします。

台風の影響で、ここ福岡も久しぶりのまとまった雨。ひと月以上続いた炎暑で、熱気を帯びていたアスファルトやコンクリートが雨に冷やされ、昨夜はようやく冷房なしで眠ることができた。朝夕の蝉の声はもう蜩、夕方7時にはもう日暮れ。こうして季節は移ってゆく。

画像は、「愛のスコール」。ある年代の人には懐かしい炭酸飲料。若い世代は知らない人も多いと聞く。水やお茶を買うということが信じられなかった時代、自販機もめずらしかった時代、駄菓子屋の店先で瓶の王冠をプシュっと抜いて、渇いた喉に炭酸を流し込むのが、夏の子どもの醍醐味だった。ペプシ、ファンタ、三ツ矢サイダー、それぞれにファンがいたけれど、私はこのスコールファン。乳酸の味がさわやかで、微炭酸だったのが飲みやすかったのだ。

ここ三年くらいだろうか、宮崎のスーパー「まつの」さんから、夫あてにスコールが届く。スコールは都城酪農協同の商品らしい。スコールはデンマーク語で乾杯の意。かの国は幸福度世界一、おしゃれなネーミングである。

下戸の私は、頑張った自分へのご褒美に、スコールを飲む。猫の爪を切ったとか、原稿を仕上げたとか、換気扇を洗ったとか、多分、甘い炭酸飲料をなかなか飲ませてもらえなかった頃の特別感が、スコールにはあるのだろう。こまかな泡が喉を下ってゆくとき、なるほど、あえかな幸福感がある。

大事に飲んできたスコールもあと三本。終わらない宿題を前に途方に暮れる私の傍らにあったのもスコールだったなあ。

終わらないはずだつたのに夏休みまばたきの間に過ぎてゆきたり 藤野早苗

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by minaminouozafk | 2016-08-30 08:28 | Comments(11)