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微表情  藤野早苗

わりとおっちょこちょいで勢いで動く人、私は多分そんなイメージ。否定はしない。思いついたらすぐ動くし、「あ、やっぱり違った」と言うのも早い(チーム「南の魚座」のみなさま、昨夜もそんなことがありましたね、ごめんなさい)。


先日も、ある会合に参加する友人の話を聞いていて、とても興味のある分野の集まりだったので、「私も行っていい?」と、わりと軽やかに聞いた。


返事は「もちろん!」


ありがたい。うれしい。その場では、にこやかに終わる。でも……、帰り道で考えている。あの「ほんの一瞬」は何だったのだろう、と。


「もちろん」と言うまでの、わずかな間。

声の奥に混じった、ごく微細な揺れ。

気づかないくらいの、ほんのコンマ何秒。


私は、ついああいうところを拾ってしまう。拾って、分析して、いくつかの可能性を並べて、結局、最後は「知らんけど……」で落としどころを見つける。


人は単純ではない。歓迎と戸惑いは同時に存在するし、好意と面倒くささも共存する。


私は、その「重なり」が気になるのかもしれない。でもそれは表には出さなくてもいいこと。この年齢になってようやくわかった。


言葉と、言葉にならないもののあいだを往還するのがわりと好きだ。考えていないようで考えている、そんな揺蕩うような時間も。


人の微表情に気づいてしまうのは、人を立体で見たいからなのかもしれない。「もちろん」と言われたら、行く。そして、あの一瞬の揺れも含めて、その人を受け取る。たぶんそれが、私なりの人との向き合い方だ。


おっちょこちょいの裏側で、今日もわりと真面目に考えている。



  迫りくる障害迷はず飛び越して110(トッパ)ハードラーだつたあの頃



微表情  藤野早苗_f0371014_10504752.jpeg
〈微表情〉といえば能面。
角度によって表情が違って見える。
人間の機微を知り尽くした面(おもて)です。


by minaminouozafk | 2026-02-17 10:45 | Comments(0)