2026年 02月 17日
微表情 藤野早苗
先日も、ある会合に参加する友人の話を聞いていて、とても興味のある分野の集まりだったので、「私も行っていい?」と、わりと軽やかに聞いた。
返事は「もちろん!」
ありがたい。うれしい。その場では、にこやかに終わる。でも……、帰り道で考えている。あの「ほんの一瞬」は何だったのだろう、と。
「もちろん」と言うまでの、わずかな間。
声の奥に混じった、ごく微細な揺れ。
気づかないくらいの、ほんのコンマ何秒。
私は、ついああいうところを拾ってしまう。拾って、分析して、いくつかの可能性を並べて、結局、最後は「知らんけど……」で落としどころを見つける。
人は単純ではない。歓迎と戸惑いは同時に存在するし、好意と面倒くささも共存する。
私は、その「重なり」が気になるのかもしれない。でもそれは表には出さなくてもいいこと。この年齢になってようやくわかった。
言葉と、言葉にならないもののあいだを往還するのがわりと好きだ。考えていないようで考えている、そんな揺蕩うような時間も。
人の微表情に気づいてしまうのは、人を立体で見たいからなのかもしれない。「もちろん」と言われたら、行く。そして、あの一瞬の揺れも含めて、その人を受け取る。たぶんそれが、私なりの人との向き合い方だ。
おっちょこちょいの裏側で、今日もわりと真面目に考えている。
迫りくる障害迷はず飛び越して110(トッパ)ハードラーだつたあの頃


