2025年 12月 02日
横浜〜名残の薔薇と西洋館 藤野早苗
根岸線石川町駅を降りて、リセンヌ小路を通り、フェリス横の果てしない石段を登り、左に曲がって緩やかに下っていくと山手の洋館が見えてくる。
12月1日から始まる〈横浜山手西洋館 世界のクリスマス〉。

今回、母の一周忌の法要で訪れたのを幸いに初日を巡ってみることにした。
まずはベーリック・ホール。
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/Berrick-Hall/
イギリスの貿易商であったベーリック氏、でも今年のクリスマスデコレーションはトリコロールのフレンチテイスト。

続いてエリスマン邸。
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/ehrismann/
エリスマン氏は生糸貿易を手がけたスイス人。ここ元町の洋館は、もともとあった場所にマンションが建設されるにあたり解体されたのを移築した。色調を抑えたシックなデコレーション。

そして、港が見える丘公園の一画にある横浜市イギリス館。
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/british-house/
クリスマスカラーの赤と緑を基調にした、オーソドックスなデコレーション。暖炉に火を入れてくつろぎたくなるような室礼。

西洋館は全部で7館あるのだけれど、山手234番館は工事中、外交官の家とブラフ18番館はちょっと距離があり、港の見える丘公園内の山手111番館はお庭の手入れ中で拝見できず。上記3館を堪能した。
そして、この日の目的はもうひとつ。山手のティールーム〈えのき亭〉でのアフタヌーンティー。この日はクリスマスイベント初日なので、きっと常にも増して来客が多いだろうと予想し、開店1時間前にウェイティングリストに記名。4番目で、正午の開店時にはそのまま入店。1時間の限られた滞在時間をゆっくり楽しんで外に出たら、長蛇の列ができていた。えのき亭、すごいな。


この日、12月1日の横浜山手は、強い風は吹いているものの快晴。クリスマスデコレーションが少々違和感あるくらい、穏やかな気候。もう時期は終わっているはずの薔薇も、これならまだ咲いてるのではないかと思い、港の見える丘公園内のイングリッシュガーデンを巡り、帰り道、元町へのエレベーターが設置されているアメリカ山公園を巡り、名残の薔薇を楽しんだ。

老舗の並ぶ元町商店街を眺めながら、そのまま山下公園へ。お目当てはもちろん薔薇。山手にこんなに咲いているなら、山下公園にもきっと咲いているはず。その予感は的中しこの季節の中で、あるべき姿で咲いている。ローズウィークの頃の絢爛たる薔薇ではないけれど、一重の薔薇を中心に、強い香りを放っていた。海からの風に香るオールドローズ。これが横浜の香りなのだろう。


存分に薔薇を堪能したところで、そろそろ羽田に移動の時間。さて、移動経路は?とナビさんに尋ねると、なんと、ここ山下公園から、羽田直行のリムジンバスが出ているという。それも10分後。それに乗りさえすれば、駅までの移動も乗り換えもなし、27分で羽田空港に着くらしい。私にしてはずいぶん歩数を稼いだこの日、リムジンバスの誘惑に勝てるはずもなく、ホテルニューグランド正面のバス停から、一路羽田へ。搭乗手続きを終え、お土産を買って帰福。さて、日常が始まるなあ。

冬薔薇咲く資料館くろ土に差す日のなかに猫眠りをり



