2025年 11月 10日
オオイタビの実 百留ななみ
暑い暑い夏がようやく終わったと思ったら霜月。道端には団栗が転がり、公孫樹も色づき始めている。
酷暑でも青々艶々元気だったオオイタビの葉っぱ。土塀やブロック塀を覆いつくしている。今年は実がたくさん付いていると思っていたが、いつもの歯科医院の傍の路地に数多の実が落ちている。

花が咲いて実が生ると思うのだが、オオイタビの花は見たことがない。転がっている実は無花果に似ている。靴で踏むとキュッ、スポッと乾いた音がする。たぶん中が空洞。調べてみるとやはりイチジク属。
無花果属なので花は実の中。いっぱい落ちているし、気になったので幾つか拾って持ち帰る。

半分に切ってみると、やっぱり空っぽ。不思議な中身。この実の受粉にはオオイタビコバチの助けが必要らしい。この中で卵を産む。地面に落ちているのは空っぽの実。

数年前の冬にわが家のガラス窓にいた石崖蝶。珍しい美しい蝶。石垣蝶ともいう南方系の蝶。幼虫の食草はガジュマル、イチジク、オオイタビ……とあった。長府にはオオイタビが多くあるからと納得したのだ。
温暖化でだんだん石崖蝶の分布も北上しているのだろう。長府は海沿い、オオイタビは海風にも暑さにも強いのだろう。

ガジュマルにも似た南国風のオオイタビ。しかし空っぽの実が数多転がっているのは、少し切ない。
金木犀のオレンジ色があざやかな霜月。この秋は飛蝗や蟷螂をあまり見なかった。もうそろそろ生を終えるころだろう。オオイタビコバチは見たことがないと思う。オオイタビの実のなかだけで一生を終えるオオイタビコバチもあるという。

無花果の実のなかに生れ無花果の実のなか死する一生あるとふ
大きなイタビという意味だそうですが、そのイタビ(つたかずら)の意味が分からない、板庇かな?
イタビはイヌビワからのようですが、音韻の変化?微妙ですね。イヌビワもイチジク属で海沿いで見かけます。雲ひとつない青空…オーイ旅に出たくなりますね。

