2025年 10月 12日
みあれ芸術祭作品 大西晶子
このところ秋らしい涼しい日が続いている。最高気温が30℃を下回る良く晴れた金曜日に思い立って宗像大社に出かけた。
10月1日から3日にかけて大祭のみあれ祭があったのだけど今は静かだ。みあれ祭に合わせた「みあれ芸術祭」というのが毎年行われ、その作品の一部が大社の斎場に設えてあるのでそれが見たかった。
大社の駐車場で降りると風がひんやりして気持ちいい。
まずは拝殿わきの竹のオブジェ「うちゅうせん」、竹のトンネルに囲まれた小さな舞台だ。子供なら竹のトンネルに入って遊んで良いらしい。舞台には大人も立って良いらしいのだけど周囲の竹を踏まずに舞台に上がるのは無理そうだったので諦めた。

次は「ブロック遊び」。白砂を引いた庭に広がる四角や三角の腰掛けるのにちょうど良い大きさのオブジェ、カラフルで見るだけで楽しい気分になる。男性がひとり立方体のオブジェに座って休憩中だった。

この日は高宮まで行くつもりで、すぐに木陰の参道にはいる。大社の森には大樹が多く木陰は涼しい。少し歩くとチリチリと小さな音がする。ここには「結び」と書いた札があった。森の中に踏み込むと木々の枝にガラスや鏡を紐状に結んだものが下げられ、木の根元にもガラス片や鏡が並べられている。周りを見回していたら急に風が強くなり、ガラスや鏡が風で動き出し、周囲に光の斑点が回り、ガラス片が触れ合う音が強くなった。風やキラキラ動く木漏れ日にもてなされているような気がする。涼しい風も気持ちが良かったが、しばらく居ると蚊に刺されてしまった。風が止んだのを汐に離れたが、溜っていた鬱屈が解けたような気がした。

高宮までの階段を上る途中には可愛い栗?のオブジェが置いてある。キャプションが見当たらなかったが森の主がこの姿なら楽しい。

高宮のすぐそばにはアーティストと幼稚園の子供たちが一緒に音楽をききながら色をつけていったという大きな布が3枚木に下げられ風で揺れている。タイトルは「宗像の神域 音の彩」。子供達が楽しんで布に絵の具をなすりつけていったのが分かるような色の跡が楽しいが、離れてみると何か壮大なものが木の間に現れたような不思議な空間になっていた。

高宮でお参りを済ませ元の道を辿ってもどったが、その時に嬉しいことに気がついた。以前から気になっていたムサシアブミが今年はあちらこちらで元気に葉を広げている。近寄るとその中には薄い緑色の実ができていた。一時は見当たらなくなっていたムサシアブミが増えているので安心した。
最後に本殿でお参りして駐車場に戻る。そのあとで行った「道の駅むなかた」で宗像牛の頰肉を買う。これでワイン煮を作るのは年に数度の贅沢。久しぶりの宗像大社の参詣で良いものをたくさん得たような気がした時間だった。

よき風に吹かれて立てり木漏れ日の斑のきらめきを胸、肩に受け

