2025年 09月 27日
びびりなのか短気なのか 栗山由利
長かった夏もようやく立ち退いてくれそうな気配がしている。暑さが長かったせいなのかは分からないが、今年は晩白柚にアゲハがたくさんの卵を生みつけていった。木としてはまだ幼い晩白柚ゆえ、炎天下でもその駆除は欠かせなかったが、見過ごして幼虫まで育ったものがこれまで7羽巣立っていった。

9月に入ってからは卵の数もめっきり減り、シーズンは終わったかと安心していたところ10日ほど前に夫がまた2センチほどの幼虫を見つけてしまい、洗って片付けていた飼育箱が再登場する羽目になった。
8羽目ともなれば手慣れたもので、毎日の掃除と餌になる晩白柚の葉の交換もいつも通りなのだが、今回の幼虫くんはこれまでと違ってかなりのんびり屋さんのようだ。これまでは青虫に脱皮するまで5日くらいで早ければ翌日には青虫に変身していたこともあったのだが、今回は1週間を超え8日目くらいにやっと青虫になった。そしてもう一つの違いは刺激を与えると頭から赤くて長い角をピュッと出す。以前友人にアゲハの幼虫を育てていることを話した時に「あー、あれは赤い角を出すよね。そして臭いんだ」と聞いたのだが、そういうものは一度たりとも見たことがなかった。今回は飼育箱を少し揺らしただけで一瞬で二本の長い角を出し、さも威嚇するような風情である。

ネットで検索するとすぐに答えてくれた。これはアゲハの幼虫(青虫)が頭の後ろに持っている「臭角(しゅうかく)」という器官で天敵から身を護るために臭い匂いを出すものだそうである。これまで昆虫や鳥など猫以外の生きものとは縁のなかった私にはまったく知らない世界の話である。
いや、それにしてもこれまでの7羽は誰一人この臭角なるものを見せてくれるものは無かった。続けて調べると出さない原因は
1 危険を感じていない
2 幼虫が若い
3 すでに刺激に慣れている
4 出すにもエネルギーが必要
だとあった。いささか笑ってしまったが、だとすると今の青虫くんは「刺激に敏感で常に危険を感じており、身体中にパワーがみなぎっている」ということになる。なるほど、青虫とひとくくりにしても十人十色で個性があるのだと理解した次第である。
猫を飼ったことがない方からよく言われるのが、猫ってそれぞれ違いがあるのですかということだが、それと同じで青虫も飼ってみてはじめてその食欲、運動能力、成長の速度などの違いを確認した。今回はそれに新しい発見が加わった。最後の青虫、無事に飛び立って欲しいものである。

ためこんだ角がつんつんいたいから小出しにします爆発まへに

