2025年 09月 25日
秋の色 鈴木千登世

彼岸花が秋を連れてきてくれた。いつもの年より少し遅れてはいるけれど、今週に入って用水路の側や畦にすすっと背を伸ばし鮮紅色の花を咲かせている。名残のつくつく法師の声に送られて夏はしずかに去っていくようだ。

これはヒヨドリバナ。白い花が野道でひときわ目を引く。旅する蝶のアサギマダラが好む花なのでもしかしたら蝶の群れを見ることができるかもしれない。フジバカマも莟を開き始めた。

クサギの実もちらほら。色づいた瑠璃の珠を少しずつ集めてつぶさないようそっと持ち帰ったら冷凍庫で保存。この秋は空色の糸が染められそうだ。十分に糸が染められたら念願の青いストールを織れるかもしれない。
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手織講座では経緯絣の課題に入った。色の重なりを楽しむというテーマで糸を染めて抽象的なデザインの布を織るとのこと。自由でいいのよと先生は言ってくださる。
自由って難しい……。

黄色は上手く染め出せたけれど、赤色は出なかった。初めはもう少し鮮やかな赤とこげ茶色に染め分けられていたのに、固着剤を混ぜたら暗紅色と黒に近い色に変わってしまった。色を染めるのは本当に難しい……。
ため息をつきながら糸を織機に張ったら思いがけず秋の色合いになっていた。どんな布に織り上がるか少し楽しみになってきた。
野の花の秋色糸に染め出して織りたし風を緯糸にして
てのひらにすくひてゐるにこぼれゆくはかなきはうたまたは染めいろ

