2025年 03月 01日
遠隔操作 栗山由利
一時帰国していた息子が徐州に戻って一週間が過ぎた。アラフォーの子に何度も忘れものはないかと声を掛けていたのに、やっぱりありました。あれだけ確認したのに、ノートの忘れ物。荷造りして郵便局に持っていき息子の件は一件落着のはずだったのに……。
今度は、木曜日にかかってきた息子からの電話。それもいつものLINEではなくWeChatから。WeChatは中国版LINEである。出てみると声は沈んでいる。どうしたとね?なにがあったと?はこのようなときの私の常套句である。聞きだしたところ、今朝起きたらVPNが動作しないという。VPN(VirtualPrivate Network)とは、インターネットと端末を仮想的な専用線でつなぐ技術で、日本語では「仮想専用線」とも呼ばれ、安全にデータ通信を行うために利用されている。中国では日本では普通に使えているGoogleやLINEが使えないため、見かけ上VPNを使って直接日本とインターネットを繋いだ状態にすることで、これらのサイトを使えるようにする必要があるのである。しかし、VPNが繋がらないとLINEも使えないし、調べものなどにも支障が生じて来る。確かに困った状況ではあるのであろう。
さあ、それからである。WeChatのビデオ通話を繋ぎながら私のパソコンからその対処法を探ることにした。私のパソコンに自分のログイン画面を表示させて、中国の息子があれこれとパソコン操作を私に指示するという作業なのだが、なかなか解決せず頭を抱えていると、Zoom会議を終えた夫が参戦してくれた。これで私は退場できると安心したことは言うまでもない。
夫が指示したのは、一定期間無料で使える他社のVPNを使いながら、今の問題点を調べなさいという方法だった。この時、夫は自分のパソコンでAIにこのようなときの解決方法を質問して調べながら対応しており、同時に息子の部屋のルーター廻りを映させいくつかの処置を指示した。そして小一時間、私には分からないところで無事元通りに復帰することができた。原因は不明だが、ときどきVPNのサーバーに対して制限がかかることがあるらしい。
ん~ン、なんと便利になったことだろうか。SkypeやLINEなど料金を気にせずに海外と通信できること、AIの知恵を借りながらの調べもの、そしてこの間に必要な料金を自宅からリアルタイムで振り込みできるネットバンキングの機能などをフル活用しての問題解決であった。
われわれもまだ少しは役に立ちそうである。話について行けるように精進あるのみ……かな。

モニターをはさんでよせるひたひ三つ文殊の知恵もわいてきさうな

