2023年 10月 18日
さわさわ薄 有川知津子
白秋に「秋山の歌」という長歌がある。三番目の妻・菊子を迎え家庭的落ち着きを得たころの歌である。歌は、
秋山のなぞへの薄ひとつらね揺りかがやけり。
と、うたい起こされ、
我も見て、妻も出て、二人ながむるさわさわ薄、そのさわさわ薄。
と、結ばれる。
「さわさわ薄」といううたい方は、童謡の風合いを帯びていて楽しい。そう思うのは、このとき「妻」が身ごもっていたことを知っているからかもしれない。さわさわ。

秋山のまほその薄ポップコーン弾けるごとくおぢいさんになる

