2022年 05月 07日
中国〈小区〉について 栗山由利
新聞、テレビで、上海のロックダウンや北京の外出制限などの報道がされているが、息子が暮らす徐州は、上海から新幹線で3時間半くらいの地方都市であるからか、まだそれほどの制限はかかっていないようである。ただ、自分の部屋にネットが来ていないので、その工事を頼みたいのだが住んでいる小区の中に、外部からの人が入れないのでまだ工事ができていないということだった。
ここで、中国の住居表示に出て来る〈小区〉というものについてすこし説明をしよう。
中国の住宅で日本と大きく異なるのは、町が〈小区〉という単位ごとに区切られている点である。中国では一戸建てはほとんど無いと言ってもよく、イメージ的には日本の公営団地を想像すればよいだろうか。ただし、この〈小区〉は地図上で分けられているだけでなく、実際に周りをグルッと塀で囲まれていて出入りは自由にできない構造になっており、出入り口には守衛さんが24時間駐在して非居住者は許可なく中には入れないようになっている。
観光ツアーでしか訪れたことが無い私たちにはそのような場所に行くこともなかったので、今回息子の話を聞いて驚いた。だが、そういえばロックダウンの上海で食料品などの配給をしているニュース映像では、強固な門扉の前に人が集まっているのを見たことがある。
治安維持のために設けられた〈小区〉だが、塀を隔てた目の前の場所に行きたくても、門があるところまで大回りをしなければならないし、消防や救急などでは少しばかり不便だと聞く。
さて、息子が生活しているのは大学のキャンパス内にある教職員のためのエリアなので、一般的な〈小区〉とは少し異なるところもあるかもしれないが、二か所ある出入り口ではやはり身分証明書と今は加えて健康カードを提示しなければならないそうだ。学生が居住する教学区はまた別にあるのだが、とにかく広いという。私たちも中国に行ってまず圧倒されるのは、どこに行っても日本での常識を越えたその広大さである。息子にその広さを問うても、ただ広い!!それだけしか返ってこない。
息子が住むエリアにはスーパーマーケットが二軒と食堂があって、外に出ずとも生活はできるそうだ。それと大学付属の幼稚園と小学校もその中に併設されていて、やはり十分な広さを保有している。
昨日、同僚の先生がお昼にケンタッキーをご馳走してくださり、デリバリーで送ってきたそうだ。デリバリーもこのコロナ禍なので、到着の連絡を受けて出て行くと、門の外の台の上に無造作に置かれていてさすがにびっくりしたと言っていた。久しぶりのケンタッキー、中国っぽいお味ではなかったかと、それが気になるところではある。
スーパーや食堂の様子はまたつぎの機会にご紹介します。
うまかつただらう異国の同僚がおごつてくれたケンタさぞかし