2020年 04月 15日
遠隔授業 有川知津子
私が非常勤でお世話になる学校は、三校とも入学式が中止になり、二段階で授業開始日の延期が決まった。まず、4月後半に延期されたものが、緊急事態宣言を受けて、5月の連休明けまでもち越された。
問題は、その連休明けにこれまでのような対面授業ができるようになるか、ということである。そんなことは分からない。もうすでに補講予備日を使っても、前期の期間内に前期の授業が終わらない日程である。
学校によって対応はさまざまだ。非常勤という身上、今、そのさまざまに対応している。確実に安全に安心して講義できる方向をさぐると、当然、遠隔授業導入という案にいきつく。
今、私が何をしているかというと、ということで、授業動画を作っている。遠隔授業についての講習会が開催されるわけではないから、メール添付で届いた資料で勉強する。もうわや、である。もちろん、私がわや、というだけで、メディア関連の講義をしている知人や日常的にユーチューブに動画をアップしている先生はそうではなさそうだ。
遠隔授業解説資料には、遠隔授業の形式として、オンデマンド型とライブ型が紹介され、プラットホームがどうとかこうとか書いてある。学校側の推奨は、オンデマンド型。この選択で迷っている場合ではない。推奨を選ぶ。さらにこのオンデマンド型にも、三つの方法があるという。これも迷わない。そもそも迷う知識がない。
資料を読み、ここまでを理解するのに時間がかかった。まあね~、だいたい私のかわいいパソコンにマイクが内蔵されているかどうか、そんなことのチェックから始まったのだ。こんなものだ。
さて、ひとコマ90分だから、90分間しゃべり続ければすむと思ったら、ちがう。ガイドラインには、「1動画を15分程度とし複数の動画で1回分の授業の構成」が学修効果が高いと書かれている。まあ、作るのもその方がラクなのかも――。
動画配信のあとには、オンラインで学生とやり取りをする。双方向が担保されていなければならないのである。そのやり方もこれからだ。文部科学省から言われている「遠隔授業で満足すべきこと」を読みながら、出欠はどうやってとるのだろうとか雨が降ってきたなあとか、いろんなことが次々にやってくる。
新型のコロナウイルスに感染して病床にある人やそのご家族、そして医療現場の切迫した状況を思うと、遠隔授業の準備のこのわやわやがとても呑気な非日常に思えて申し訳ない気持ちになる。けれども、目下、これが私のできることで、やるべきこと。

コロナ後は授業の在り方も変わるだろうなあ。
私こそ、読みながら頭上に???を100個くらい付けるだけの呑気モノです。本当に無理しすぎないでね。
今年最後の美しい桜をありがとう。E.