2020年 03月 07日
『気をからげて』のこと 栗山由利
先月のこのブログで、私が「気をからげて」という言葉を使ったところ、うお座の仲間から「おもしろい」「大分の言葉?」などのコメントをもらった。これには私のほうが驚いた。そこで、夫に聞くと「知らない。」と言う。ますます疑問はふくらんで、大分の義弟に確認すると、こちらも聞いたことがないと言う。ここで、私と妹は考え込んでしまった。実家では普通に〈頑張って〇〇をしなければ〉という時には、常にこの「気をからげて〇〇をする」と使っていたからだ。ただ、単に頑張ってという意味だけでなく、〈さあ、これから〉というニュアンスも含まれている。
ここで広辞苑!
から•げる[絡げる•紮げる]
①しばり束ねる。くくる。平家物語(4)「ところどころに灸治して、頭(かしら) -•げ、浄衣着て」
②着物のすそをまくりあげて落ちないようにする。「すそを-•げる」
とある。
私が思うところの「やる気をだして…」のような用法は見当たらない。すそをまくりあげるというのは確かにやる気につながる行動ではある。だとすると、これは方言か?しかし、博多、大分のほうでも使われていないとすると…??そこで、ネット情報に頼って検索をかけると、唯一、筑豊弁に同じような使い方の例が載っていた。その例文がこちらだ。
あんた、もうすぐ受験やろうも!ちゃーっとからげて頑張らんと!
「気を」は入ってないが、意味は同じである。そこでカルチャー教室の先輩で嘉麻市にお住いのNさんに尋ねたところ「使うよ。」とのお答えだった。それに加えて「肩にかつぐ」という意味でも使うとのこと。確かにそういう使い方もしていたが、荷物を肩に担ぐという行為自体が少なくなってきて、すっかり忘れていた。
これで、言葉の出どころは解決した。私たちの母は嘉麻市にほど近い田川市の生まれである。「気をからげて」は、なかなか勉強に取り掛からない私たちに「気をからげて勉強始めんねっ!!」としょっちゅう言っていたのだろう。妹と私にとってはすっかり標準語として取り込まれている。一件落着。
ところが、これを書いていて新しい疑問が生じた。ある程度お年を召した方ならご存じの、三波春夫の『雪の渡り鳥』の1番の歌詞は「合羽からげて三度笠…」から始まる。私はごく自然に縞の合羽をヒュっと片方の肩にかけて、かっこよく街道をゆくお兄いさんを思い浮かべていたのだが、広辞苑に荷物を担ぐという意味が無いのなら、みなさんはこの歌詞をどのように想像していたのだろうか。教えていただきたい。
さあ、四月 仕事を卒業してからの気をからげること三つや四つ
しかし、ダオ君の後ろ姿、癒される~♡E.
あの合羽のイメージかあ、長考~Cz.
ダオ、可愛い。うちのニコはモンペ履いてます。S.
ダオくんの裾からげの後ろ姿、かわいい。Cs