2019年 06月 26日
フィナンシェ 有川知津子
昨日は、辻本美加さんの命日だった。
美加さんは、南の魚座のみんなの共通の友人である。美加さんのことは、折に触れて、それぞれに記している。
〈昨日の花。イネ科の……なにかしら?〉
支部歌会で美加さんと隣合わせに坐ったことがあった。それは、もうすぐ美加さんの歌集が出来上がってくる、という頃のことだったと思う。その歌会の休憩中、私たちはいろんなことを話した。
たしかに話したのだ。
それなのに、いろんな話をした、ということは覚えているのに、言葉に換えて書いておけそうなことがあまりない。
ちょっと照れたような表情とか、襟元をなおす仕草とかはよく覚えている。箱ごと回ってきたフィナンシェを、私に先に選ぶように言って譲らなかったことも、歌集のタイトルは届いてからのお楽しみ、と言ったことも覚えている。
この日の歌会が、私にとっては美加さんとの最後の歌会となった。
当時まだ福岡支部にいた大西淳子さんが千葉に移るというので、この歌会のあと、福岡の元「棧橋」7人で食事会をしようということになっていた。辻野真理子さんも北九州から見えていた。
美加さんの『藍のひといろ』より。
遺品なる子のフルートを抱きまどふ天国行きの宅配は無く 辻本美加
朝顔がどこかに咲いていないかなあ、と幼稚園のほうまで遠回りしてみたけれど、まだ少し早いようだった。
手をふれば手を振りかへす仲間ゐて月下の群はまた歩き出す
あの日の食事会、私も鮮明に覚えています。だって、美加さんはもうすぐ歌会に毎月参加してくれるって、すごく嬉しく思っていたから。
私の能天気さを許してくれていた美加さん、ありがとう。
もう一度、会いたいです。S.
みんなが「まりぴょん」と呼んでいるのを聞いて、「私のことも、みかりんと呼んでくださ~い」と言われたのに、呼ぶ間もないほど早いお別れだったのがいつもうかんで来て、大きな心残りです。
今日は宮英子さんの命日ですね。早朝、第9、10歌集を読んで過ごしました。6月は悲し過ぎる。E.
書かせてくださって、ありがとうございます。