2019年 04月 14日
大内山 大西晶子
先々週から何度か鎮国寺に通って大内山という桜を見て来た。
3月30日、まだ蕾だった。
4月3日、7部咲きだったが若葉は全く見えない。
4月9日、ようやく記憶していた姿に近い形で見ることができた。
仁和寺の山号「大内山」が名の由来ともいわれるが詳細は不明
この大山内という桜の樹を初めて見たのはもう30年ほど前になる。臙脂色の若葉の中に白に近い花がちりばめられたように咲き、その珍しいシックな姿が印象的だった。ところが、その後何度か桜の時期に行くのになぜか全然記憶と違う木の姿なのだ。早いと満開でも葉が見えず、昨年はいつもより遅く行ったら既に葉の色が赤ではなく茶色を帯びた緑になっていた。
今年はほぼ花の満開のときに行き合わせたが、まちがいなく「大内山」とかかれた札が下げてある。その日は年配のボランティアガイドの方が境内に居られた。
尋ねたら、その樹は昭和59年(1984年)の弘法大師1150年忌に仁和寺の桜守・佐野藤右衛門氏から寄進された桜の樹の一つだという。鎮国寺のご住職に何人か仁和寺の門跡をされた方があった縁だそうだ。
仁和寺の法師と桜といえばいくつかの話が徒然草にあったことも思い出す。
佐野藤右衛門が選抜し完成した品種。牧野富太郎が命名
記憶している大内山は植えられて数年の若木だったのだろう。その樹がいまは幹の太い高木に育っているが、その他にも鎮国寺のには珍しい桜の品種を植えた「百桜苑」という区画があり、ソメイヨシノ以外のさまざまな桜があることも教えて頂いた。
藤右衛門家の姓の佐野、淡黄色の花の右近(鬱金)、緑の花の御衣黄、葉を塩漬けにする大島桜、花が白い普賢象、、、、、、。ともかく種類が多い。八重桜、山桜の類はソメイヨシノが散った後に長く咲き続けるものが多い。
大内山にこだわって花を見ていたら、知らないうちに他の桜にも目がいくようになっていた。
ボランティアガイドの方にお聞きして、花の満開の日からまた四日おいて見に来た大内山はまちがいなく臙脂色の若葉と薄桃色の花をつけ、けれど記憶よりもずっと華やかな姿だった。
桜の楽しみ方は奥が深い、花の下にシートを敷いて大勢で楽しむのも、一昨日の英子さんの記事にあったようなお洒落なテントでBBQをしながらも、野立てのお茶会も、人が見なくなったころに八重桜や山桜をめでるのもどれも良い。
今度はいつか京都に仁和寺の桜と、佐野藤右衛門邸の桜を見に行くことができたらと思う、そして徒然草を読み返してみようかとも。
不動尊まつる御寺に咲くさくら大内山は紅き葉を負ふ
大内山、全体像では美しさがよくわかりませんでしたが、最後のズームした写真で納得!
染め上げたような淡い淡い繊細な紅とオレンジ色の若葉のコントラストがサイコーに美しいですね。
訪う度にフェイスが変わるというのも不思議です。E.