2019年 03月 03日
ひなまつり前後 大西晶子
先週末に金柑とデコポンの実を全部採りいれた。金柑は12月から何度も採って甘露煮にしていたがとうてい全部は食べきれず、残っていたのだ。デコポンも木がしっかりしてきたのか今年は初めて55個収穫できたが、こちらはまだしばらく追熟が必要だということで、火の気のない場所で保存している。この冬は暖かい日が多かったので、果樹が実をつけるのに適していたのだろう。
実のオレンジ色が無くなった庭は、梅が散りはじめ彩りが乏しいが、満開の沈丁花の香が補っている。梅、沈丁花、ニオイスミレと香ある花が同時期に咲くのも何か理由があるのだろう。
今日はひな祭り、段飾りは飾るのに時間と力が要るので今年は博多人形の小さな立びなを飾った。庭に花桃の木もあるが、旧暦の三月にならないと咲かないので、ちいさな花瓶に一枝折った沈丁花を活けてみる。沈丁花の香につつまれ、立ち雛の白い顔がつやめいていた。
沈丁花にほふ夜更けを日野冨子は銭かぞへけん燭あまたつけ
源氏物語などに沈丁花のエピソードがないのが気になり調べたら、室町時代に中国から運ばれたとあった。ひな祭とはミスマッチのような気もするが、沈丁花の匂いはよい。さて今日の夕食の献立はやはりちらし寿司、干し椎茸を戻しておこう。
日野富子、突然の登場がすごい。なんか、説得力あります。S.