人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ほ。帆座  有川知津子


 以前、一文字星座〈ほ〉〈ろ〉〈や〉のうち、〈や〉の矢座のことを書いた。

 今日は、〈ほ〉の帆座である。


 なぜというに、この星座が、日本で観測できる時期にかかったという噂を聞いたから。宇宙情報センターによると、2月~5月の約か月間ということであった。期間限定星座なのである。


 星座早見盤で確かめてみよう。



ほ。帆座  有川知津子_f0371014_15051499.jpg



たしかに南の地平線上すれすれに位置する。右側にただよっている白っぽいのは天の川。


 ところでこの帆座、もとアルゴ座と呼ばれていたものの一部である。


 アルゴ座といえば、イアソンのアルゴー船。その昔、金の羊の皮を求めてコルキスへ向かった巨船である。五十余人の冒険者たちが乗船したという。オルフェウスの竪琴が、セイレーンの歌声から仲間を守ったというエピソードもこの航海中の出来事であった。


 やがてアルゴ-船は、星に物語を読む人々によって、天に係留されることとなる。


 ああ、しかし、この船は大きすぎたのだ。その後、四つの部分に分けるのがよかろう、ということになり、分けられてしまった。


  「アルゴ」「ほ」+「らしんばん」+「とも」+「りゅうこつ」


 で、あるから、上掲の星座盤にも「アルゴ」の名は見えない。右のすみっこに「りゅ」、と見えているのが、りゅうこつ座である。


 つまり帆座の帆は、アルゴー船の帆であった



  銀漢にアルゴー船を舫ひたるひとをおもへば春のあけぼの



Commented by minaminouozafk at 2019-02-06 19:58
毎度、勉強になります。大き過ぎて分解されちゃったのね。なるほど納得です。
次は〈ろ〉を楽しみにしています。E.
Commented by sacfa2018 at 2019-02-06 20:51
アルゴー号の物語、大好きです。宇宙には神話と最先端の技術が共存していて面白いですね。ちづりん、いつもありがとうございます。S.
Commented by minaminouozafk at 2019-02-07 21:31
星の美しい季節。南の地平線すれすれなので見えるといいけれど、ぜひほ座をさがしてみたい~。分けられることもあるとは…ふしぎ~Cs
Commented by minaminouozafk at 2019-02-07 21:56
星空のことは何もわからない私ですが、りゅうこつ座のカノープスだけは知ってます。長生き星って言われてる星を教えてくれたのは元、元…元彼でしたー!v( ̄ー ̄)vY.
Commented by minaminouozafk at 2019-02-07 23:01
夜空を見るの好きです。ひろびろ~。由利さんのカノープス物語、ぜっひ聞かせてくださーい。Cz.
Commented by minaminouozafk at 2019-02-08 07:21
ちょっと前に宇宙ステーションが南の空を移動するのを見ました。ゆっくりの流れ星です。ほ座、見えるかしら。星がきれいな季節ですね。N.
Commented by minaminouozafk at 2019-02-10 08:06
いつもちづりんのブログで新しいことを教えてもらってラッキー!です。以前プラネタリウムで竜骨座が話に出てきましたが、どうしてそんな名の星座があるのか不思議でした。これで腑に落ちました、ありがとうございます。A
by minaminouozafk | 2019-02-06 05:58 | Comments(7)