2019年 01月 24日
昼下がり 鈴木千登世
休日出勤した昼下がり。どうしてだかわからないけれど、いつも違う道を通って帰りたくなった。郵便局の側を通る道に入った途端、唐突にお菓子の予約をしていたことを思い出した。お世話になった方に心ばかりにと予約したのにすっかり忘れてしまっていた。明日は店休日。あぶないところだった。
そのお菓子は「もなたん」。
以前にもご紹介したことがあるけれど、大内人形をモチーフにした最中で、とにかく可愛らしい。喜んでいただけるのではと思ったのだ。
「もなたん」の側に飾ってあった大内人形。作者によって表情が微妙に違っているのも魅力のひとつ。
大内人形とセットの商品も。
いつも、歌会を行うふるさと伝承センターの近くにある「風月堂」は昔ながらの和菓子屋さんのたたずまい。2個入りを買ってお店を後にした。
風月堂の斜め前は八坂神社。境内の傍らにはレトロな写真館がある。
お天気の良さに誘われて、そのまま一の坂川沿いに出て、遅いランチを取ることにした。
入ったのは、ラ・セーヌという喫茶店。山口県支部長だった山下清司先生がよくいらしていたお店。ここに入る度に先生のことを思い出す。
桜はまだ枝ばかりだけれど、あと2ヶ月もしたら蕾がふくらみはじめるだろう。ガラス越しに午後の暖かい陽が差し込んでくる席に座ってとりとめのないことを考えながらゆっくりとお昼を食べた。
わずか一時間ばかりのことだったけれど、気がつくとざわざわと波立っていた心が凪いでいた。
冬の陽の温みを受けてある生の窓辺にきんをこぼす蠟梅
わが家用にも買ってしまった。
天井の高い喫茶店も素敵だし、レトロな写真館、何か物語が始まりそう!E.