2019年 01月 06日
七草粥 大西晶子
今日は1月6日、お正月気分もさめて来た。明日は七草粥の日。味の濃いおせち料理や、定番の鍋などが続いた後には舌とお腹に優しいお粥が嬉しい。
白いお粥のなかの若菜の色も、おせち料理と正月用の食器の赤、黄、黒などに慣れた目には新鮮に映りそうだ。
わが家の庭はアプローチと庭石や植え込み以外は夫が野菜を植えたプランターでほとんど足の踏み場が無い。蹲の回りや、花壇だったところもいつの間にか野菜畑になってしまった。
以前は大切にしていた植物を勝手に抜かれたり、腹を立てたこともあったが、今は諦めて好きにしてもらっている。その代りできた野菜は私が料理する。
この季節は春菊、水菜、小松菜、菠薐草、レタス、チシャなど葉物野菜がふさふさと育っている。土質が粘土のようで、大根や里芋など深く耕すものには向いていないのだ。
さて七草粥に使う若菜なのだが何と何だったかしら?
蕪と大根の〈すずな、すずしろ〉、〈芹〉、ぺんぺん草の〈なずな〉、はこべの〈はこべら〉、母子草の〈御形〉、現在の仏の座と同じ名だけど別物のキク科のコオニタビラコの〈ほとけの座〉。少々ややこしいが、これで七草。
ぺんぺん草やコオニタビラコ、はこべは庭では見つからないので、芹は同じせり科の三つ葉で済ませることにして、プランターと小さな畑から春菊、水菜、小松菜を少しづつ採り大根と蕪と一緒に使うことにしよう。どんな味になることやら。
野菜のそばには柚子や金柑も植えてある。秋から冬にかけて暖かい日が多かったからかこの冬は柚子と金柑が数多く生り、これまでに金柑の甘露煮と柚子のジャムを二回づつ煮た。それでもまだ樹上にはかなりの数が残っている。
野菜も果実も私たち二人で食べるには少し供給過剰気味なのはありがたいが、よそ様に差し上げるには虫食いや傷などもあることだし〈嬉しいような困ったような、〉というところだ。
今日は寒の入り、これから一カ月ばかりは〈寒〉がつづくが、庭では椿や沈丁花がひっそりと咲き始めた。
七草をたたきて粥のしたくせん唐土の鳥のわたらぬうちに
沈丁花の写真から良い香りがただよってくるようです。Cs
ご主人さまこそ緑の指の持ち主です。弟子入りしたい。晶子さんがうらやましい!E.