2018年 11月 19日
たとえば碍子 百留ななみ
夜になったら電気をつける。子どもの頃からあたりまえだった。
デジタルにはついていけないアナログ人間というが、私はアナログだって解っていないことだらけだ。
空の電線をたどれば日本全国どこへでもつながっているはず。
ケーブルのなかを流れる電気を思いつつながめている・・・青空に白い碍子があちらこちらにある。
そういえばブラタモリの有田編で有田焼の碍子のことをやっていた。
碍子は磁器製。電気の絶縁のために必須。
碍子の会社といえば日本ガイシ・・・調べてみると元はノリタケカンパニーの碍子部門だったらしい。さすが日本の陶磁器。もっと調べると有田焼では香蘭社で今も碍子を作っている。
高い電線の碍子は見えないが、地面に電線を引き込む途中の玉碍子は肉眼で見える。よくみると青い文字がみえる。いくつか見てみると同じマークのようだ。
カワソーテクセル株式会社製品。「せとものの町」瀬戸市の食器製造業として明治10年創業。ほとんどが今のロゴマークだが昔のロゴマークも発見。
佐賀の会社なのでやはり有田焼と関係があるのかも。
碍子を見上げつつの散歩は楽しいが怪しげかもしれない。
香蘭社のものをと探すが長府にはないのかもしれない。帰ってホームページを見るとしっかり碍子の説明。そして玉碍子の販売もある。ブラタモリ人気で急遽ネット販売をはじめたようだ。香蘭社の蘭や鳥や唐草の絵付けがされてペーパーウェイトにもなるようだ。
残り7個、ええいっとネットショッピング。
香蘭社のマーク入り。けっこう重い。つやつやでちょっとしたオブジェ。
地中化で電線のないすっきりとした街はまだ少数。日本の世界の空は電線が碍子が縦横無尽だ。
神様が空から大きなハサミでチョキチョキ電線を切ったり、碍子をもぎとってしまったら・・・と不謹慎な想像をする。
電線さえ要らないスマホからパソコンからの電波。ちょっと怖いが便利で今や必需品。人間には見えないが神様の目には映っているかもしれない。もしかしたら見ることのできる生物がいるかもしれない。
たまたまふと気づいた碍子。われわれが生きていくうえで必要不可欠。しかし見えていない、知らないものは本当に膨大だと思う。節穴だらけの眼であることを自覚、そして慎ましくありたい。
小さな有田焼の玉碍子の静謐なひかり。手のひらに包むとじゅわっと体温が伝わる。しばらく飾り棚の隅に置いておこう。
蒼天に碍子の白のきらきらし知つてることはほんの一片
どこの製品か見つけながらの散歩、楽しいかも。E.
でも、瀬戸物って強いんですね。なんか励まされます。S.