言霊使い   藤野早苗

8月7日火曜日、竈門神社「七夕良縁祈願祭」に行った(私の良縁を願ったわけではありません)。玉依姫を御祭神とする竈門神社、魂と魂を引き合わせるとの神徳から古くより縁結びの神として信仰されてきた。新暦ではひと月遅れの七夕になるが、良縁を願う善男善女が集まり、境内は賑わっていた。

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この日19時30分から開催される七夕コンサート。夫が少々関係しているので運転手として同行。

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出演者は、サラ・オレイン(Sarah Alainn)。母は日本人声楽家で、父はオーストラリア人。端麗な容姿と抜群の歌唱力。5カ国語を使いこなし、シドニー大学から東京大学へ留学経験もある才媛だという。そんなサラを一目見ようと、境内はもう飽和状態。日が落ちて、昼間の熱気が少し落ち着いた頃、舞台となる参集殿にサラ・オレインが登場した。

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バイオリンを携え、七夕に因んだ「星に願いを」を演奏。ここでいきなりミキシング事故があったのだが、サラは全く動じず、見事に弾き、歌った。その後、映画「君の名は。」から「なんでもないや」、大河ドラマ「西郷どん」のエンディングテーマ曲、中島みゆきの「糸」を何カ国語かを交えて歌い上げた。


音楽には暗い私が聞いてもサラの歌は素晴らしかった。技術的にももちろん図抜けているのだろうが、もっと本質的な何かがその場にいる聴衆を引きつけた。サラは饒舌ではない。日本語が堪能とは言ってもやはりネイティブではなく、喋りで盛り上げるというスタイルではない。衣装も可憐ではあっても華美ではなく、押し出しで打って出るタイプでは毛頭ない。でもなぜだろう、サラの声は、眼差しは境内を埋め尽くす聴衆一人一人の元に真っ直ぐに届く。旋律に乗った言葉は聴く者の胸の隈ぐまに沁みて言いしれない余韻を残す。霊山宝満の下宮竈門神社に響くサラの歌声は神気を帯びて、聴衆を魅了した。


最後の曲、(これはサラも全く予定に入れておらず、その場の雰囲気で急遽演奏を決めた一曲だったらしいのだが)「Time To Say Goodbye」はその日の掉尾を飾るパフォーマンスだった。原曲のイタリア語で「Con Te Partiro」と歌うサラの声は深く豊かで、再生を信じるに足る説得力に満ちていた。



1/f (エフ分のいち)のゆらぎを含む声宝満下宮の神域に響る



9月29日、サラ・オレインのコンサートがアクロスシンフォニーホールで開催されるとのこと。楽しみです。


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Commented by minaminouozafk at 2018-08-14 20:11
ご報告ありがとう。やはり、飽和状態でしたか。
霊山宝満に響き渡るサラの歌声を聞きたくて、何とか行きたかったけど、仕事でした。
ちなみに9月のコンサートSS席はすでに完売ですね。E.
Commented by minaminouozafk at 2018-08-15 07:32
時折耳にして惹かれる声だと思っていました。「言霊使い」ぴったりですね。神社に響いた透明で神気を帯びたサラの歌声を聞いてみたかった。素敵なご報告ありがとうございます。Cs
Commented by minaminouozafk at 2018-08-15 11:27
コンサートホールとはまた異なった会場の様子に、その場に居るような気持ちになりました。ありがとうございました。Y.
Commented by minaminouozafk at 2018-08-15 12:28
ご報告ありがとうございます。神秘的な雰囲気の竈門神社で聴くサラの透明な声、素敵だったでしょうね。想像して楽しんで居ます。A
Commented by minaminouozafk at 2018-08-15 19:44
神社でのコンサートは荘厳で素敵でしょうね。境内を埋め尽くす人の心にダイレクトに届く言霊使いの歌声、聴いてみたいです。N.
Commented by sacfa2018 at 2018-08-15 22:01
竈門神社、初めて行ったのですがすごく雰囲気のある神社でした。火星、金星もくっきり見えて、素晴らしい一夜でした。S.
by minaminouozafk | 2018-08-14 01:51 | Comments(6)