2018年 07月 08日
初めての味 大西晶子
先週は先ず台風7号が近くを通り、その後は大雨が続き、天候に一喜一憂する一週間だった。 金曜日からの大雨で被災されている方達が大勢出て、まだ増えそうだと思うと胸が痛む。
高台で、土砂崩れの心配も無いわが家では、夫が庭で作っている野菜を心配し、雨のなかで支柱の補強をしたり、実ったものは傷む前にと収穫したくらいで、あまり緊迫感が無い。
急ぎ収穫した野菜の中のひとつが糸瓜。沖縄ではナーベラーと呼び野菜として食べられていると聞いて、わが家でも食べてみようと植えたのだ。
どのくらいの大きさで食べるものかがはっきり分からない。30センチ、60センチでもレシピがある。しかも店で売っているものは25センチくらいとか?そんなことを話していたが、大雨だったので収穫することにしたらしい。長さは27~8センチ。

皮をピーラーで剝くと少しぬるっとした果肉が現れる。5ミリほどの輪切りにして、本来なら缶詰のスパムと一緒に炒めるところを、冷蔵庫に在ったソーセージを使う。
味付けは味噌と味醂、醤油を少々、味見をするとマイルドな味で、ナーベラー本来のぬるっとした感じが片栗粉でも入れたようなとろみになっている。

インスタ映えするお料理とは言えないけど、御飯によく合い美味しい。
この糸瓜は西側のキッチンの窓に這わせて、日除けにしている。花が咲いた時に夫はせっせと受粉をしていた。


沖縄の人達が食べる理由が分かったと思った。しかし、人の思いが本当には分かるってどういうことだろう。
例えば沖縄の人たちの米軍基地に対する現在の思いや、かっての沖縄戦への思いは今の私には分からない。想像しかできない。今回の大雨の被害に遭われた方たちの悲しみにも同じだ。
美味しいナーベラー料理なのに、食べながら胸の裡がすこし苦かった。
ナーベラーのさみどり汚す火にかける鍋に醤油と味噌などを入れ
患者さんと、じっくり向き合って来られた歌集でのお姿が思い出されます。きっと、植物達とも会話しているのでしょうね。E.