2018年 04月 23日
にゃんとも猫だらけ 百留ななみ
友だちに誘われてふたたびの尾道、1か月ぶり。
最高の青空だが、向島には500人以上の警察官が捜索中のこのたびは島へ渡ることは断念。
気儘な女子旅は路地探索。坂道、階段の続く町。寺の町。猫の町。
そして尾道市立美術館の企画展〈にゃんとも猫だらけ〉。
ポスターもとても魅力的、色あいも素敵。
まずは大きな大きな猫ちゃんがお出迎え。
『にゃんとも猫だらけ』は浮世絵に描かれている猫たちの展示会。
猫を愛してやまなかった歌川国芳をはじめ多くの多くの浮世絵師によって繰り広げられる猫だらけの館内。
とにかく面白く楽しく可愛くちょっと怖い。
まず歌川広重の白猫ちゃん。とおくの富士山をながめつつ夕暮れの窓辺にすわっている。
酉の市のある浅草吉原らしい。ちょこんとした尻尾、ちょっと怒ったような思索にふけっているような後ろ姿がたまらない。
美人画にも猫。源氏物語の若菜上では、女三宮の猫事件は有名。それを題材とした美人画も多い。
美女と猫。裾に肩に胸にもぐりこむちょっと怖いリアルな猫ちゃん。
歌川国貞の作品。肩にチョコンと座った猫のカメラ目線がなんともかわいい。国貞もたくさんの猫を描いている。
楽しいのはおもちゃ絵の猫たち。人間のようにふるまう猫だけの世界。猫の長屋、猫の温泉。めちゃくちゃ細部まで凝っていてそれぞれに添えられている言葉がなんとも粋である。
図録まで買ってしまったのだが、小さな筆書きの言葉をきちんと活字にしてくれていて非常にうれしい。
ねずみとり薬を売る猫、重い重い鰹節を運ぶ猫、玉転がしをする猫・・・
猫も温泉では履物を脱ぐ。湯船にもゆっくり浸かる。打たせ湯もある。湯上がりにはお二階で刺し身で一杯もできるようだ。にゃんとも楽しい。
大の猫好きの山東京山・作、歌川国芳・絵の『朧月 猫の草紙』。
耳が遠くなった山東京山は、耳の名医「みけ村にゃう庵」によって耳が聞こえるようになっただけでなく、猫の言葉がわかるようになった。
猫から聞いたおはなし。国芳の擬人化された猫たちの表情が実にゆたか。
まだまだ紹介したい猫たちは数多。これらの作品は平木浮世絵財団のコレクション。
現在、平木浮世絵美術館は閉館しているが、全国の美術館・博物館にてコレクション展を開催。
フォークもつ指に肉球 着こなしのお洒落な猫とランチする夢
洗い場の猫たちのなんとも色っぽいこと。沢山紹介をありがとう。E.
「にゃんとも猫だらけ」って、楽しい企画展名、行ってみたくなります。Cz.