冬送り、春迎え    藤野早苗

日差しが暖かい。

桜の蕾もずいぶんふくらんでいる。朝、肩先が冷えて目が覚めることもないし、それを口実に二度寝することもなくなった。


春が来た。

ではそろそろ、冬送り、春迎えの儀を執り行なわなければ。


今季の特に厳しかった寒気から私を守ってくれた強い味方。

日中はこれ。

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半纏をちょっとおしゃれにアレンジ。
こんな格好で出かけたことはないけど。


古い久留米絣の、子ども用半纏。祖母が兄のために縫ったもの。兄はもう59歳だから、半世紀前のものだ。


そして、夜、パソコンに向かうときは、この褞袍。


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全身すっぽり温かい。
色もいい。

こちらはやはり祖母が父に縫ったもの。米沢黄八丈の着物から作り変えたらしい。兄の半纏より古い。これを着ればどんなに寒い夜も温かい。パジャマの上に着用し、寝るときは、布団の上に掛けると肩が冷えない。便利だ。

この2枚は、着物を着るようになってから、祖母の箪笥で見つけた。いや、以前も見てはいたが、多分意識に上らなかったのだ。

久留米絣の丈夫で温かな手触りや、米沢黄八丈の衣擦れの音。その心地よさに気づいたのは最近のことだ。

最近着なくなったのは、フリースとダウン。軽さがなんだか心もとない。


この冬酷使したこの2枚。

縫ってくれるばあちゃんはもういない。とりあえず、しっかり日に当てて、ブラシをかけて、襟、袖口をリグロインで拭いて、小穴があれば繕って、また次の冬、私をあたためてもらうべく、箪笥で休んでいただこう。


ありがとう、クルメちゃん、キハチくん。またよろしくね。 


    おほははの羽織らせくるるここちせり米沢黄八の丹前ふはり


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玄関アプローチに春の花。




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Commented by minaminouozafk at 2018-03-20 19:08
早苗さんの冬を守ってくれた二枚、暖かいでしょうね。実家にも祖母作の半てん(ちゃんちゃんこって言ってたなぁ)が眠っているけど、常に腕まくりしてないと落ち着かない私には、もこもこは無理でした。でも、捨てられない。E.
Commented by minaminouozafk at 2018-03-20 22:07
早苗さん愛用のどてらと半纏、もう半世紀以上まえのものなのに、まだまだ光沢があったり、きれいですね。おばあさまの手作りのあたたかさに包まれる早苗さん、幸せそう。A
Commented by minaminouozafk at 2018-03-20 23:45
これが、歌会で言ってた夜のお仕事??の丹前ですね。写真からでもその光沢が伝わってきます。手仕事の素晴らしさですね。あったかそうー。Y.
Commented by minaminouozafk at 2018-03-21 05:05
半纏もこうするとおしゃれですね。どてらの黄色がうつくしい。おばあさまの丁寧な仕立てに包まれて温かそう。また寒さが戻って来ました。もうしばらく活躍の場がありそうですね。Cs
Commented by minaminouozafk at 2018-03-21 06:59
褞袍、漢字でかくと、イメージが変わりますね。冬昼、冬夜の仕事を助けてくれた衣裳へのオマージュにこちらまであたたかくなりました。Cz.
Commented by minaminouozafk at 2018-03-21 12:08
半纏も褞袍もおしゃれで暖かそうです。お祖母様もお喜びですよね。ようやく暖かくなりましたが、菜種梅雨の冷たい雨です。まだもう少し冬物が要りますね。 N.
Commented by minaminouozafk at 2018-03-22 10:23
春分の日の東京は雪。福岡も寒の戻りでしたね。クルメちゃんとキハチくんにはもうちょっと頑張ってもらいます。S.
by minaminouozafk | 2018-03-20 00:00 | Comments(7)