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男子厨房に  栗山由利

 今年は九州福岡でも珍しく何度か雪景色を見ることができた。その雪も溶け始めたころに、庭隅に残った雪で一歳の孫が作ったご飯?の写真が送られてきた。庭の金柑の実や南天の葉っぱを使った出来映えは、緑の葉っぱと色と位置のバランスもよく、さすがに藝大で学んだママに似てお上手と思ったのは祖母の欲目である。寒いのに手袋もせずに、「中に入ろう!」の声にも耳を貸さずに集中していたそうだ。ただ、微笑ましいなと思った反面、なにかふうっとため息がでるような感覚もあった。台所好きの私でも時には立ちたくないこともある。一般的に台所仕事は女の役割とされている。


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 昭和ひと桁生まれの母は「女は鍋の底を追いかけているうちがいいんよ。人様にご飯を作ってもらうようになったら、おしまい」と言っていた。現に父が台所で何かを作ったことはない。右のものを左にもしないような人だった。夫はというと、インスタントラーメンとハムエッグは作れる。ハムエッグは私より上手だし、その二つがあれば後は何もいらない。そして息子は一人暮らしの頃から私にポトフや豚の角煮の作り方を聞いてきて、もうすっかり手に入ったようだ。北京で覚えたバラエティに富んだ餃子も美味しい。


 さて、たった三代でこの進歩であるから、孫の世代では夫が台所で働くことが増えてくるのだろうか。積極的に社会に関わりたいという女性も増え、また社会もそのパワーを必要としてくるだろう。ただ、「男子厨房に入るべからず」とか「…入るべし」とかでなく「…入ってもいいよ」「…入ったらどうかしら」くらいの緩いスタンスがとれたらいいなと思っている。そして孫にも食事作りの楽しさを知ってもらい楽しく台所に立って欲しい。


 私はといえば、台所は私の牙城であるから好きなように楽しんでいる。ただ、包丁研ぎだけは昔のお父さんのようにやって欲しいなあと思う。その時だけは「クリクリ厨房に入ったらどうでしょう」と言ってみようか。きっと「刃こぼれしても文句は言わないよね!」と念押しされるだろうが。


   風の子の一歳がつくる雪まんま(、、、、)庭に散らばる冬をあつめて


Commented by minaminouozafk at 2018-02-17 18:18
可愛いワンプレート❤️美味しそうです。日本の台所文化も変わっていくのでしょうね。私的には羨ましいです。
クリクリ、くりやに入ってくり〜!
駄洒落でした。S.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-17 19:41
お洒落な盛りつけ♪
日本の男子厨房事情そのままの三代の姿。
クリクリ、いざという時ラーメンとハムエッグだけでは生きられません!包丁だけと言わず、ユリユリに嫌がられても、これからがんばれ~。E.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-17 21:51
雪まんま、いいですね。風の子の喜びが見えるようです。父はお正月に必ずお雑煮を作ってくれました。漁村に育ったんで男が作るものだと言ってました。Cs
Commented by minaminouozafk at 2018-02-17 22:22
雪まんま、色彩がきれい。夢中になって、楽しかったのでしょうね。創造/想像を楽しむこころは、お母様譲りでもあり、由利さん譲りでもあるのでしょうね。楽しみ。「クリクリ厨房に入ったらどうでしょう」と言ってみてくださ~い。ぜひぜひ。Cz.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-17 22:51
お孫さん、将来は名シェフかしら。生きる技術として男女ともにお料理ができると良いですね。次女の家では産休に入るまでは帰りの早い夫がお料理する日もあったとか。わが家では夫が最近台所で魚をさばいたりするようになりました。邪魔な時もありますけどね。A
Commented by minaminouozafk at 2018-02-18 08:28
風の子の雪まんま美味しそうです。色とりどりで綺麗。食べることは大切ですね。豚汁は喜んで作ってくれます。息子たちは学生時代はけっこう楽しんでいろいろ作って、帰ってきて披露してくれてました。そういえばこの頃はなくなりました。 N.
by minaminouozafk | 2018-02-17 11:00 | Comments(6)